先輩女性インタビュー100人

サロンで働く女子 
100の生き方

長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのか、100人にインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!

vol.93

後輩育成力が足りなかったチーフ時代。
妊娠で時短勤務にして得た「気づき」とは?

琵琶湖のほとり、長浜市の一角にたたずむスタイリッシュなサロン「hana×hair BEAUTY&NAIL」。開放感のあるフロアで明るい笑顔を見せる西尾加奈子さんは、小さなふたりの子どもを育てるママです。大好きな美容の仕事で、困難にも正面からぶつかってきた飛びきりの「負けず嫌い」。今は仕事と子育てを楽しみながら自分を磨く、ママ美容師のまっすぐな思いに迫りました。

Staff Data

西尾加奈子さん 31歳

美容師

スタイリスト。
「hana×hair BEAUTY&NAIL(Comingグループ)」勤務(滋賀県長浜市)。
スタイリスト歴7年。既婚。4歳の女の子、2歳の男の子のママ。
現在は準社員として9:00〜16:30(土日は17:00)の時短勤務。
お休みは月に2回の日曜日を含む週休2日。

西尾さんのLife History

★…ターニングポイント

  • 18

    中学2年生のときに初めて行ったサロンで美容師に憧れを抱く。高校を卒業し、大阪の美容専門学校へ入学。

  • 20

    「Coming」グループの入社試験を受けて正社員採用。「23歳までに必ずデビュー」と決め、朝や深夜、休日も練習に励む。体力的にきつく燃え尽きそうになったが、先輩の支えで乗り切ることができた。

  • 23

    目標通り3年でスタイリストデビューし、現在の「hana×hair」に異動。しかし最初は思うように売上が伸びず、お客さまからのクレームも経験。現実は甘くないと思い知らされた。

  • 24

    「このままではいけない」と発奮。ひたすら練習し、お客さまのカットをこなした。徐々に売上も伸び、業界団体が主催する売上コンテストの「デビュースタイリスト部門」で第2位を受賞。

  • 25

    店長の退職に伴いチーフに就任、実質的な店舗のリーダーに。会議やスタッフ評価にも加わるようになった。しかし、指導が厳しすぎて後輩がついてこられず「教え方の下手さ」に再び挫折を味わう。

  • 25

    ★結婚し、まもなく妊娠が分かる。妊娠初期は体調が悪く、家事にも手が回らなくなり、仕事のペースを落とすことを決心。社長と相談のうえ17:00までの時短勤務とし、チーフの役職も下りた。

  • 26

    長女を出産。1年間育休を取り、長女を保育園に預けて時短で職場に復帰。「どうしても西尾さんに」というお得意さまの希望で、休みの間に何度か出勤したことも。

  • 28

    長男を出産。長女のときと同じ1年2カ月の産休・育休を取り、ふたりの子どもを保育園に預けて復帰。しっかり休んだ分、職場に戻ったときはより仕事の楽しさを実感できた。

  • 31歳~

    この春から後輩に着付けの指導を始めることに。まだ自分のヘアの練習はあまりできないが、今は雑誌やネットで勉強していこうと思っている。

  • 22歳の時に「Coming」の社員旅行で黒部ダムを訪問したひとコマ

  • ヘアカラーのイベントに参加するために先輩、後輩と上京した時。焼き肉店で前夜祭

  • 初めてのサロンモデルの撮影にて。「この時の仕事は反省点ばかりでした」(西尾さん)

  • 子どもたちとドングリ拾いに。長女が毎日、保育園であった出来事を話してくれるのが面白くて、仕事の疲れも忘れてしまうそう

西尾さんへのインタビュー

「修業時代、美容の仕事は華やかなだけではないことを痛感しました」(西尾さん)

Q. 美容師として、さまざまな壁を乗り越えられてきたのは?

A. 生まれついての「負けず嫌い」が私の原動力だと思います。

 小さな頃から負けん気が強く「やると決めたらやる」タイプ。アシスタント時代はお客さまのカラーを任されるのが本当に楽しくて、とにかく早くカットがしたい一心で猛練習しました。デビュー直後の挫折も、技術を積むことでしか乗り越えられないと思って頑張りました。そうして初めて、仕事の本当の楽しさが分かってきたんです。半面、以前の私はストイックすぎて、後輩にも同じ努力を求めてしまうのが欠点でした。チーフ時代の私の指導がかなり厳しくて、下の子がついてこられなかったようなんです。私だけが原因ではないと思いますが、退職してしまったスタッフもいて。自分が上にいる時に辞められてしまったことが、やはり心に重くのしかかりましたね。

代表取締役の中川豊己さん(右)は、柔軟な勤務体系を整備することで働くママを応援している

Q. 時短勤務にしたことが転機になったのはなぜですか?

A. 肩の力が抜けて、周りとの接し方が変わったからです。

 会社員の夫と結婚すると、美容師としてチーフとして、家庭とのバランスを取るのが難しくなりました。こちらはどうしても夜が遅いし、お互い休みも合いません。さらに妊娠が分かり、つわりがとても重かったので、このまま続けるのは無理だと思ったんです。それまで時短で働ける準社員制度を意識していなかったんですが、社長から説明を受けて「この働き方を選ぼう」と決めました。チーフの役職も下りて、少し仕事のペースを落としたんです。
 当時つわりが酷い時は、他のスタッフにずいぶん支えてもらい、改めて仲間のありがたみを感じるようになりました。それに加えて、役職から下りたことで後輩への接し方も余裕ができました。「全部を自分の基準に合わせようとしても効果的じゃない。それぞれの個性や気持ちを汲みながら教えることが大事だ」と気づいたんです。

パートの小財美樹さん(左)もふたりの小学生のママ。子育ての先輩として相談に乗ってくれることも

Q. 現在はふたりの子育て中ですが、仕事との両立でご苦労は?

A. 辛いこともありますが、ママスタッフが増えたので心強いです。

 幸い子どもたちは丈夫な方ですが、それでもたまに保育園からの呼び出しがあります。他のスタッフから指名のお客さまにお断りや担当替えの電話を入れてもらう時は、とても心苦しいです。子どもが発熱してもどうしても休めない日は、おじいちゃん・おばあちゃんにお世話を頼んで出勤することも。周囲のサポートなしには子育ては無理。本当にありがたいですね。
 この店も最近はママ率が上がり、今は産休中も入れると5名のママスタッフがいます。さらに男性の上司ふたりもパパ。子育ての苦労を分かり合える人が増えたことは、とても力になります。若いスタッフには世話をかけることもありますが、「自分の将来像として私たちを見て欲しい」と思いますね。

 

「多くのお客さまに来ていただくため、ブログやSNSの発信も頑張っています」(西尾さん)

Q. 美容師としての、今後の目標はどんなことですか?

A. 今は子育てと仕事のバランスを取りながら、可能な限り自分を磨き続けたい。

 2人目で子育てに余裕ができたためか、最近仕事のペースが少し上がっているんです。日曜日でもお客さまの要望があれば、お店に出ることもあります。近々の目標はお客さまの「再来率」の向上。復帰後は個人ランキングが下がったので「絶対取り戻すぞ!」と、また負けん気全開です(笑)。会社には勤務時間を増やさなくても、生産性を上げれば収入に反映されるしくみがあります。2度の産休で気持ちがリフレッシュしたからでしょうか。最近は「以前の売上に少しでも近付きたい」という意欲が強くなりました。自分が以前より成長したと感じるのは「似合わせ」の提案力。若い頃はお客さまの要望通りにカットしていましたが、こちらからお勧めできるようになりました。「お客さまを必ず可愛くして帰らせたい」という気持ちは、今の方が強いですね。
 来月から新たに着付けを後輩に教え始めます。人に教えることで自分もきっと向上できるはず。ヘアの流行については、雑誌やSNSがとても参考になります。子育て中で時間がなくても、できることはたくさんある。今はそれを積み重ねていきたいです。

若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!

 美容師になりたての頃は、誰もが大なり小なり挫折を経験するでしょう。でも努力すればしただけ自分にちゃんと返ってきて、身になっていくのも美容という仕事。だから若くて頑張りが利くうちに、悔いのないよう自分を磨いて欲しい。私が今、気持ちに余裕を持って子育ても仕事も楽しめているのは、若い時の積み重ねがあればこそだと思います。お客さまを心からの笑顔にすることができて、直接「ありがとう」と感謝してもらえる仕事は他にそうありません。美容師って本当に素晴らしいですよ!

Salon Data

Comingグループ【カミンググループ】

創業年
1993年
店舗数
5店舗
スタッフ数
50名
URL
http://www.comingep.co.jp

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