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「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

Salon de Lavie(東京都港区)

駅から0分、全席個室。
ビジネスマンの心を掴む経営術とは?

JR山手線浜松町駅目の前の好立地、全席個室で細やかなメニュー、そして長めの営業時間。2015年に創業したばかりのこのバーバーが支持を集める理由は、ターゲット層を徹底的に分析し、そのニーズに応える姿勢にありました。
名門理容室で腕を磨き、知識を蓄え、さらに独自のアイデアを詰め込んで自らの店を開いたオーナー・庄子悠介さんに、経営の秘訣とこだわりについて伺いました。

場所と時間と店内構造。あらゆる点で、お客さまのニーズに応える。

全席個室でプライバシーを守り、リラックスを促す。

全席個室。まずこれが揺るぎないコンセプトだった。これはビジネスマンが気軽に立ち寄れるためには、「店内で知人と顔を合わせて気まずい思いをさせないことが必要」との思いから。シャンプー台や炭酸泉も全席に完備し、すべてが個室内で完結できる造り。シェービングやフェイシャルエステ、ネイルケアも周囲に気兼ねなく体験できる、完全に区切られた空間。さらに個室の窮屈さを感じさせない白中心のインテリア、3点で首を支えリラックスを促すシャンプー台、シェービング時の間接照明など、個室内でのくつろぎも考慮している。

  • 全6室の個室はそれぞれテーマ性のあるインテリアで彩られる。基本的に予約の方が多いが、空きがあれば個室で待つことも可能

  • 店販品も王道ではなく、店の雰囲気に合うものをチョイス。「なるべく他では買えないもの」がテーマ

お客さまの時間を大切にするために、アクセスは便利に、滞在時間は短く。

場所はJR山手線浜松町駅金杉橋口の目の前、営業時間は平日なら21時まで。もちろんこれらも大切な要素。想定した客層のライフスタイルを考えると、ビジネスマンなら仕事帰り、会社役員やオーナーなら出勤途中や昼休憩中の利用が多いと判断。その利便性を追求した結果、この場所と時間が導き出されたのだとか。ただし、お客さまの平均滞在時間は1時間以内。これも経営的な回転率のみならず、時間を大切にするお客さまのことを考えての結論だ。

  • 駅の目の前というアクセスは最大の強み。仕事帰りや移動途中のビジネスマンが時間のロスなく立ち寄ることができる

  • 駅から出ると目の前に見えるサインポール。この立地のためか、予約なしのお客さまも1割ほどいるという

メニューもスタイルも選ぶだけ。言葉少ない男性客の希望を、可能な限り汲み取る。

メニュー選択方式にすることで、カット以外の需要も増加。

カットのみのお客さまは50%以下。過半数がフェイスエステやヘッドスパなどを併用する。これはゆったりできる個室であること以上に、メニューの提案方法に起因している。こちらでは、セットメニューが書かれたメニュー表を見せ、そこからコースを選んでいただくスタイルを採用。自らフェイスエステやネイルケアの利用を言い出しにくい男性であっても、選ぶだけなら気軽に注文が可能。細かいことではあるが、利用者の目線に立つ理に適った方式だ。

  • まるで飲食店のメニュー表のように、簡潔にまとめられたメニュー表を提示。これにより、カット以外の注文が目に見えて増加した

  • シェービングや眉カットはレギュラーコースに含まれるが、さらにフェイスケアや炭酸シャンプーコースを利用するお客さまが多い

詳細なスタイリング例や疑似パーマで完成形のイメージを固める。

もちろんメニューの基本となるカットとスタイリングにも、顧客ニーズが反映されている。たとえばカット前のカウンセリングでは、タブレットを使ってフロント、サイド、バックそれぞれのパーツ別のスタイル例を提示。これもまた、「細かな注文がし辛い」という男性の声に応えた対応だ。パーツ別に選択できるため、ヘアカタログに比べて細かな希望を伝えやすい。あるいはパーマの完成形を想像しやすいよう、ヘアアイロンを使って疑似パーマをあてる無料サービス。「お客さまが言葉にできないイメージを、いかに形にするか」それが日々研究されているこのサロンのテーマなのだ。

  • 完成形のイメージを共有し、納得のスタイルに仕上げるのは、細やかな気配りと技術の賜物

  • 言外の要望を察知し、押し付けではない提案をする接客技術。個室でお客さまとの信頼関係を深めやすいこともポイント

個室だからこそ、各スタッフの力がそのままサロンの評判に繋がる。

お客さまとの年齢差を感じさせないための、ケーススタディ会話術。

全席個室であることの結果として、お客さまがそれぞれのスタッフに付きやすいという特徴がある。これは個室という特別な空間を大切にし、シャンプーもカットもヘッドスパも、可能な限りひとりのスタッフが行うため。しかし主要顧客層が40歳以上であるのに対し、スタッフの平均年齢は25歳前後。年齢差を埋めるために、接客教育は重要なポイントとなる。とくにこちらで重視しているのは、会話。仕事帰りで疲れたお客さまにはあえて会話を減らす、関係を築くまではプライベートの話題は避けるなど、具体的な例を出しながら接客の指導を行っている。

  • 労働環境は、長期的には顧客満足に繋がるもの。評判を聞きつけて入店を希望する若手スタッフも後を絶たない

  • 休憩中のスタッフは、お客さまと離れて息抜き。全席個室であることは、労働環境の面でもプラスに働いている

楽しく働ける職場であることが、スタッフのモチベーションアップの鍵。

いかに働きやすい環境を作るかにも注力している。社会保険や福利厚生などの制度も積極的に取り入れている。休日の技術研修は極力減らし、技術は、空いた個室で練習する。さらに制服は庄子さんが毎月テーマを決め、各スタッフに予算を渡して好みの服を選んでもらうという。快適な仕事環境はスタッフの意欲を高め、良い接客に繋がる。そんな長期的な視点が、このサロンの温かみある雰囲気を実現しているのだ。

  • 営業時間中でも、空き室があれば技術向上を図れるのも、完全個室のメリット。休日返上の練習等もなくなり、スタッフの労働環境向上に繋がる

  • 平日の営業時間は、一般的なバーバーと比べて長め。企業の就業後となる夕方以降が混雑のピークとなる

オーナーインタビュー

庄子悠介さん。1984年生まれ。専門学校卒業後、2社にて腕を磨き2015年に独立。浜松町に「Salon de Lavie」を開店。お客さまにとって良い理容室はもちろん、スタッフにとっても働きやすい環境の構築を目指している

Q.理容室の多い都心部での、差別化のポイントは?

A.お客さまの期待度を上げ、それ以上で応えること。それがリピーターの獲得に繋がります。

全席個室で、さらに価格もそれなりということで、お客さまからの期待度が高くなることは想定しています。その期待以上の居心地やスタイリングを実現することで、ご満足いただけるように努めています。技術はもちろん、照明やBGMに至る細部まで、どれだけお客さまの希望を予測できるかが大切だと思っています。

Q.これから目指す、サロンと理容業界の未来とは?

A.一般企業と比べて、特別な業界であってはいけないと思います。

理容室だから不規則で当たり前、労働環境が悪いのが普通。そういった考え方では、業界自体が先細りになってしまいかねません。まずは当たり前の環境を整え、スタッフにとって働きやすい場所を作ることは、オーナーの責務だと思います。そうして良いスタッフを増やしながら、少しずつサロンの店舗も増やしていきたいと思っています。

Salon Data

Salon de Lavie

アクセス
浜松町駅金杉橋口より徒歩すぐ
創業年
2015年
設備
セット面6席(全席個室)
スタッフ数
7名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000332340/

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