「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

LUDLOW BLUNT代官山(東京都渋谷区)

NYの人気バーバーが日本上陸。
ブランド力を活かした新たなビジネスモデルとは?

ニューヨークの人気バーバーで多くのセレブを顧客に持つ「LUDLOW BLUNT」が、初の系列店を日本にオープン。代官山を皮切りに、今後日本で複数店舗を展開していくといいます。それにあわせてオリジナルのアパレルやコスメの開発など新たな動きも。どのような狙いがあるのか、ブランドプロデューサーのたかぎこういちさんに話を伺いました。

ブルックリン本店をできるだけ再現し、ブランド価値をキープ。

本店はニューヨークのセレブが通う人気店。

「LUDLOW BLUNT」はニューヨークのトレンド発信地として知られるブルックリンで1994年に創業。オーナーでありマスターマイスターのラッセル・マンリーさんが目指したのは、古き良き時代のアメリカを感じさせる空間でゲストを迎えること。内装への徹底したこだわりと確かな技術は評判を呼び、ハリウッドスターなどセレブが訪れる店に成長した。ニューヨークで新時代のバーバーブームを牽引するこの店の人気ぶりを「記念撮影するために観光客がやってくるほど」とブランドプロデューサーのたかぎこういちさんは話す。日本で店舗展開するにあたり、タッグを組んだのは国内で約50店舗の理美容室を手掛ける「PAPA’S & MAMA’S」。その第1号店が代官山で8月5日にオープンした。

インテリアと技術をそのまま日本に持ち込む。

オーナーのマンリーさんは、1920~30年代のアメリカを意識した内装へのこだわりがとても強い。そのため、代官山で店づくりする際はブルックリン本店の雰囲気をできるだけ再現した。アンティークのバーバーチェアはもちろん、天井の板や床の大理石タイルなどの資材もニューヨークから取り寄せたもの。さらにキャビネットに飾るヴィンテージ小物に至るまで本店と同じものを揃えるほど徹底した。代官山店でサービスを提供するのは、馬場雄一さんと篠田晃一さん。ふたりともブルックリン本店で約1カ月半の研修を経てマンリーさんからマイスターに認定された。わざわざ現地での研修期間を設けるのは、空間だけでなく技術や接客も本店と同じレベルのものを日本に持ち込むためだ。

  • 鏡にもまだら模様を入れて、年代を感じさせる工夫が。細やかなヴィンテージ加工で古き良き時代の雰囲気を再現する

  • クラシカルな床のタイルは大理石製。本店と同じデザインで、材料もニューヨークから取り寄せた

  • キャビネットに飾られたバーバー関連の小物。本物のヴィンテージ品に限るのもラッセル・マンリーさんのこだわり

  • 待合いのアンティークチェアも印象的。かつてアメリカの映画館で使われていたという

「バーバープラスα」でビジネスチャンスを広げる。

カフェやアパレルという本店にはない新たな取り組み。

ブルックリン本店の再現にこだわりを見せる「LUDLOW BLUNT代官山」だが、日本独自の取り組みもある。そのひとつがカフェを併設したこと。来店したお客さまにまずはコーヒーやビールを勧め、ドリンクを楽しんでもらいながらカットを進めていくのがブルックリン本店のスタイル。だが、日本ではそのような習慣がなく、髪を切られながら何かを飲むことに抵抗を感じる人も多い。カフェを隣に作り、無料ドリンクチケットをお渡しすることで、お客さまにカットの後もくつろいだ時間を過ごしてもらうことができる。カフェの内装はバーバー同様、レトロな雰囲気だ。また白いスタッフユニフォームも代官山店を開くにあたりオリジナルで作製したもの。1930年代の作業服をベースにデザインしたユニフォームはお客さま向けに販売もしており、本店にも逆輸入される予定だという。

バーバーを軸に未来への可能性を探る。

代官山店を皮切りに、マイスターを育てながらさらなる出店を目指すという「LUDLOW BLUNT」。その狙いについて、「バーバーを核にした新たなビジネスモデルを作りたい」とたかぎさんは言う。「コアになるのは、ニューヨークでは“行くことがステイタス”であるLUDLOW BLUNTというブランド。古き良き時代に特化しており、その魅力はノスタルジック・バリューであると捉えています。そこから派生したものとしてユニフォームなどのアパレルがあり、カフェがあり、さらにオリジナルのコスメも開発中です。カフェではイベントを開催し、感度の高い人達が集うコミュニティづくりを進めています。ほかにも本店の良さを発展させた、さまざまな新業態の可能性があると考えています」。日本への進出で目指すのは、ただバーバーとしてチェーン展開をするのではなく、ブランド力を活かした新業態でビジネスチャンスを広げること。付加価値を生むバーバー。そんな夢のある「LUDLOW BLUNT」のこれからに注目したい。

  • 個室を用意したのも代官山店での新しい試み。好きな音楽をかけながらサービスを受けることができる

  • ブルックリン本店で修業をし、マイスターに認定されたスタッフだけが、代官山店でカットを担当できる

  • カットしたお客さまに渡すドリンクチケット。隣接するカフェで好きな飲物をオーダーできる

  • カフェは自家焙煎コーヒーやクラフトビールのほか、オリジナルレシピのハンバーガーなどフードも充実

マイスターインタビュー

マイスター・馬場雄一さん(右)、篠田晃一さん(左)。馬場さんは大阪で、篠田さんは東京で専門学校を卒業後、理容室勤務を経て「PAPA’S & MAMA’S」に入社。いずれも店長として店の運営を任されていたが「LUDLOW BLUNT代官山」オープンに伴いマイスターに就任。300人以上のスタイリストから選ばれた

Q.どのようなターゲット設定をしていますか?

A.基本的にはオールターゲットです。

ブルックリン本店は「どんなお客さまでもウェルカム」というのが基本スタイル。代官山店でも特にターゲットは意識していません。今のところ年齢は20~40代で、ファッション業界など感度が高めのお客さまが多い印象です。わざわざ遠くから来てくれるのも特徴で、国内では関西や四国、海外はアメリカや中国に住んでいる人が旅行中に立ち寄ってくれたことも。ブルックリンのように行くことがステイタスになる店でありたいと思います。(馬場さん)

Q.サービスで意識していることは?

A.丁寧にシャンプーすることでしょうか。

メニューの基本となるカット&シャンプーは7,000円です。カットで満足してもらうだけでなく、どれだけリラックスした時間を過ごしていただけるかも大切だと思っています。だからシャンプーは15~20分かけて、マッサージのようにじっくり丁寧に。金額的には一般的な理容室より高い設定ですが、店の雰囲気やサービスの内容などトータルでお客さまに満足していただいています。(篠田さん)

Salon Data

LUDLOW BLUNT代官山 【ルドロー・ブラントだいかんやま】

アクセス
東急東横線代官山駅より徒歩3分
創業年
2017年
店舗数
1店舗
設備
セット面5席
スタッフ数
4名
URL
http://ludlow.co.jp/

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