「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

gentleman Barber(新潟県新潟市)

“かっこいい生き方”がキーワード。
新潟の男性を魅了するバーバーとは?

ファッションや流行への感度が高く、ヘアスタイルにもしっかりとこだわりたい。「gentleman Barber」は、そんな新潟の男性から絶大な支持を集めています。ほとんどの人がオーダーするのは、男らしさを強調できるフェードスタイル。アメリカで人気の髪形を主軸に据えつつ、店内には日本製のヴィンテージチェアが。地元のお客さまを魅了するコンセプトや哲学について、代表の東城友秋さんに話を伺いました。

男らしさに特化して、潜在的な需要を掘り起こす。

注目のヘアスタイルが共感を生む。

新潟駅から徒歩圏内のビルに囲まれた閑静な一角。街の喧騒とは無縁の場所に、髪形をファッションの一部として捉え、男らしいかっこよさを提案するバーバーがある。それが「gentleman Barber」。地元育ちの東城友秋さんが昨年2月にオープンした店だ。東城さんが得意とするのは、バリカンを巧みに操り、サイドとバックをグラデーションで刈り上げていくフェードスタイル。この髪形はアメリカではショートヘアの主流であり、近年バーバーカルチャーが盛り上がりを見せる日本でも注目を集めている。「お客さまのほとんどがフェードスタイルをオーダーします。新潟には男目線でかっこよさを追求する店があまりない。だから、潜在的な需要があると思っていました」と東城さん。実際、開業して半年で当初目標にしていた年間来客数をクリア。現在はアシスタントと2人で月間150万円を売り上げている。

根底にあるのは、先人へのリスペクト。

東城さんはコンテストでの入賞歴があり、ヘアカットの講師を依頼されるほどの技術の持ち主。だが、お客さまを魅了するのはテクニックだけではない。店内にはヴィンテージのバーバーチェアが置かれ、壁を見ればレトロなバリカンが飾られている。それらはどれも、かつて日本の理容室で使われていたもの。スケートボードやバイクが好きで、アメリカのバーバー技術に影響を受けてきた東城さんだが、「アメリカにあるような店にするつもりはなかった」という。「アメリカから輸入した椅子でアメリカ風のカットをしたら、ただのコピーになってしまう。自分が好きなのは、日本人のフィルターを通したアメリカ。もともと日本には技術も道具も素晴らしいものがある。だから日本人的なものも大切にしたいんです」。先人をリスペクトし、あえて従来の理容室の雰囲気を残した空間が、居心地のよさを生み出している。

  • 白と黒のチェック柄の床が印象的な店内。壁を自ら塗るなど内装の多くは仲間とともに作り上げた

  • 入口のドアノブにはスケートボードのウィールが。東城さんの趣味をさりげなく散りばめている

  • カットクロスに選んだのは中村商店の製品。品質がよければ日本製を積極的に採用する

  • フェードスタイルに欠かせないのがウォール社のバリカン。巧みに使い分けてきれいなグラデーションに刈り上げる

“イケメンとは生き方がかっこいいこと”という哲学。

新しい髪形がお客さまの自信につながる。

ヘアスタイルの提案も独創的だ。通常はカウンセリングで話を聞き、悩みがあれば解消するためのカットを選ぶ。ところが東城さんは、お客さまの意に反するアイデアも出すという。例えば、顔が大きいので小さく見せたいと相談された場合。「じゃあ、隠すのではなく思いっきり顔を出そう。もっと自分に自信持とうよ、といってみるんです」。また、おしゃれというよりは強そうなイメージにしてほしいといわれた時。「本人の強い意志を感じたら、もっと似合う髪形があると思っても、イメージ通りに仕上げます。多少顔に合っていなくても、気持ちに合えば自信につながっていきますから。ベースにあるのは、いわゆるイケメンじゃなくても、生き方がかっこよければイケメンだよね、という考え方です」。そのスタンスで対応して以来、東城さんのファンが増えていったという。

女性も受け入れるしなやかな感性。

開業時に想定したターゲットは30~40代の男性で、かっこよさや強さを求める人々。だが最近、そのイメージが変わりつつあるという。きっかけは、女性アシスタントのウッチーさんを迎え入れたこと。「最初は男臭い店に女性は合わないかな、と思ってました。でも、世界的にはバーバーで女性が活躍していますし、自分とは違うやわらかなカットができたりする。新たな可能性を感じますね」と東城さん。先日はウッチーさんとともにアメリカを訪れ、バーバーガールの働きぶりを視察してきたのだとか。「gentleman Barber」は男性客限定ではなく、興味があれば女性客でもOK。つまり、今は“かっこよくなりたい人”がターゲットに。そんなしなやかな感性は、さらなる飛躍を予感させてくれる。

  • アメリカのヴィンテージチェアがもてはやされる中、東城さんが選んだのは日本製。シャンプー台もクラシカルだ

  • 店ではフェードスタイルにマッチするポマードを販売。ルーゾーなどの輸入品のほか国産ポマードも扱う

  • 東城さんは10月に開催された理容コンテスト「LAYRITE BARBER BATTLE」東北予選に出場。チャンピオンに輝いた

  • カット終了後、カウンターや屋外の喫煙コーナーでドリンク片手にくつろぐ客同士が交流の輪を広げている

代表インタビュー

代表・東城友秋さん。神奈川県生まれ、新潟育ち。高校卒業後、理容業界へ。20代に修業していた理容室でアメリカのカット技術に出合い、習得。その後、別の理容室で日本的な技術や経営を学び、2016年2月に「gentleman Barber」をオープン

Q.メニューはどのような特徴がありますか?

A.手頃なメンテナンスコースがあることでしょうか。

スタンダードコースは約60分で4,500円。カットとシャンプー、シェービングがセットで、従来の理容室的な要素を取り入れています。シャンプーは椅子に座ったままゴシゴシ泡立てるスタンドシャンプーを選べるのもそのひとつ。日本的ですがとても気持ちよいと好評。いいものは積極的に受け継いでいきたいと考えてます。一方、メンテナンスコースは約30分で3,000円。カットして25日以内のお客さま限定です。フェードスタイルは短いスパンで髪型を整えたい人が多い。お客さまにとってはリーズナブルですし、店としても営業的な効率がいい。双方にメリットがあるシステムだと思います。

Q.開業後、予想外の出来事はありましたか?

A.店でお客さま同士がつながるようになったことです。

店内にはカウンターがあり、カットを終えたお客さまがドリンクを飲んだりするのですが、「その髪形かっこいいね」というひと言をきっかけにお客さま同士で会話が弾んだりするんです。ソーシャルメディアではなく、直接目を見ながら絆が生まれていく。それが化学反応を起こし、仕事に結びつくこともある。このバーバーをベースにして何かが構築されていくことに幸せを感じています。

Salon Data

gentleman Barber 【ジェントルマン バーバー】

アクセス
上越新幹線新潟駅より徒歩5分
創業年
2016年
店舗数
1店舗
設備
セット面3席
スタッフ数
2名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000351691/

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