動画で学ぶ 美容サロン経営 知らない間にダメ店長!? ダメ店長を変えた5つの心得とは!?動画で学ぶ 美容サロン経営 知らない間にダメ店長!? ダメ店長を変えた5つの心得とは!?
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Special Interview

美容業界が描く「女性活躍」のカタチ

スリムビューティハウス

代表取締役 西坂才子さん

顧客より、まずは社員満足。
制度と風土づくりの両輪で
多くの女性の活躍を実現。

東洋医学に由来する独自の美容法「オリエンタルエステ」を提供し、30年以上の実績を築き上げてきたエスティックサロン「スリムビューティハウス」。創業者の西坂才子さんは、エステティック業界のパイオニアのひとりとして、長きにわたり業界をけん引してきました。その歴史と共にあるのが、4人のお子さんの育児経験と介護の経験です。「女性の人生を輝かせるためには、仕事も家庭も必要」と語る西坂さん。両立できる環境づくりを進めてきた結果、産休・育休取得率は100%となり、ママスタッフは93名に。全社554名の社員のうち97%が女性という、まさに女性活躍の鑑と呼べる会社に成長しました。取り組みを進めながら、どんな未来を目指しているのか。これまでの努力や背景にある想いを伺いました。

Profile

青山学院大学卒業後、鍼灸学校に入学。鍼灸師の資格を取得し、武蔵野鍼灸院を開設。1987年に東洋医学の理論を取り入れた独自の健康美容法を開発し、「株式会社スリムビューティハウス」を設立。現在、国内・海外・アカデミー含め、全国68店舗を展開している。プライベートでは4人のお子さんの母親で、お孫さんもひとり。

女性活躍支援の取り組み

  • 産前産後・育児休業
  • 正社員、パートから選べる時短勤務
  • 時短勤務でも管理職に任命
  • 在籍時の評価を引き継げる再雇用制度
  • パートスタッフ用インセンティブ制度
  • 適性に応じた多様なキャリアプラン
  • お互いをサポートしあえる風土づくり

PICK UP!

上記の中から、一部を抜粋してご紹介します

  • 在籍時の評価を引き継げる再雇用制度

    一度退職したスタッフが復帰する際に利用できる制度。在籍時の評価をそのまま引き継いで復帰できるため、以前の活躍を無駄にせずにキャリアを積み上げられる。産休・育休後に子どもの預け先が見つからず、退職せざるを得なかったスタッフが多く利用している。

  • お互いをサポートしあえる風土づくり

    時短勤務や子どもの病気などによる急な欠勤も、「お互いさま」の精神でフォローしあえる風土は、社長の長年の働きかけによるもの。まず社長自身が周囲のママスタッフを心から気遣い、人生には家庭重視で働く時期も必要であることを、社員が集まる場で語り続けた。その積み重ねにより、徐々に風土が醸成された。

  • パートスタッフ用インセンティブ制度

    施術手当や営業手当、報奨金など多数の手当金を用意。パート勤務であっても、業績のよいスタッフにはミニボーナスが支給される。

Q

全国で多くのママスタッフが活躍されています。女性活躍の取り組みを始めた背景は?

A

私自身の経験から、育児と仕事の両立には、周囲の理解とサポートが重要だと感じたからです。

独立して2年で出産。当時は子ども同伴で出勤していました。

 私は28歳の時に、「スリムビューティハウス」の前身である「早稲田美容研究所」を開設しました。最初の子どもを出産したのは、その2年後です。店の運営で忙しい時期でしたが、現場を任せられるスタッフがいたので、妊娠中もそれほど苦労はなかったですね。入院日ぎりぎりまで働いて、復帰したのは出産3カ月後です。子どもを連れて出勤していたので、私が施術している間、泣き出した子どもをお客さまがあやしてくださることもありました。すごく家庭的でしょう。スタッフにもお客さまにも支えられながら、アットホームな雰囲気でスタートした会社なんです。

「仕事は生きがい。子どもも生きがい」。長期的視野を持って仕事を続けてほしい。

 働きながら4人の子どもを育ててきた経験から、スタッフたちには「人生を長い目で見て、仕事と家庭のバランスをとっていくように」と伝えています。今、寿命は100年と言われる時代。その中で結婚、出産、育児、介護といったライフスタイルの変化を経験するわけですが、その変化に対応しきれずに、仕事を辞めてしまうのはもったいない。せっかく磨いたスキルですし、仕事は自分自身の支えにもなりますから。育児は大変ですが、子どもに手がかかるのはほんの一時。そういった節目の時期だけ、仕事に充てる時間を減らして、バランスをとればいいのです。そのため育児中のスタッフには、「仕事よりも、子どものことを優先しなさい」と常日頃から伝えています。

スタッフが将来を思い描けるように「多様なキャリアプラン」を用意。

 スタッフが人生を長期スパンで考えられるように、キャリアプランの整備も進めてきました。新卒が入社した場合は、研修期間は3カ月~半年間ほど。エステティシャンになった後、技術や接客、営業の評価ラインをクリアするとチーフに。その先は、営業が向いているならディレクター、マネジメントが得意であれば店長、エリアマネージャーという管理職のキャリアなど、各人の適性に合わせたステップアッププランを用意しています。エリアマネージャーなど、ある程度のポジションを得てから出産するスタッフは結構多いんですよ。その先のキャリアを描ける環境だからこそ、辞めずに戻って来てくれるのではないでしょうか。

「悲しい出来事があった時、仕事に心を支えられることもある。家庭が忙しい時期もあると思うけれど、仕事を続けることをあきらめないでほしい」と西坂さん

Q

女性に嬉しい制度が充実していますが、中でも成果を上げている取り組みを教えてください。

A

育児中の時短勤務は当然のこと。時短であっても管理職として活躍してもらっています。

状況に応じて延長も可能な「産休・育休」制度。

 当社の「産前産後・育児休業」の取得率は100%で、産後復帰して活躍するママスタッフは数多くいます。休業期間は法定通りですが、預け先が見つからなかったり、保育園がもう少しで決まりそうだったりと、復帰の期限に間に合わないケースも。その際は個別で対応し、休業期間を延長するようにしています。本人に仕事をしたいという意欲があるならば、できる限りスタッフの状況に寄り添っていきたいと思うので。また、預け先がどうしても見つからずに退職した場合でも、その後に働く環境が整えば、「再雇用制度」を使っての復帰が可能です。産休前の評価を引き継げるため、それまでの頑張りを無駄にせず、キャリアを積んでいくことができます。

本人のライフスタイルに合わせた、柔軟な雇用・シフト体系。

 復帰後の働き方は、フルタイムの正社員、時短の正社員、パートといった3つのパターンから選択できます。パートの場合は勤務時間に定型はなく、時短の正社員であってもフルタイム勤務より30分の時短、2時間の時短など、復帰前の面談で相談しながら決定しています。ライフスタイルに合わせて働く時間を調整するのは、当社では当然のこと。本人ができる範囲で働いてくれたらいいですし、パートに転向した方でも、また環境が整ったら正社員に戻ってくれたらいいんです。社内では普段から、育児・介護・体調不良は誰にでも起こり得ることとして、「お互いさま」の精神を呼びかけています。そのため時短スタッフの働き方に対して、他の社員から不満の声が挙がることはないですね。

時短勤務でも責任者や管理職として活躍できる。

 時短正社員でもパートでも、経験と適性があれば役職手当を支給して、責任者として活躍してもらっています。現在、時短勤務をしながらエリアマネージャーを務めるスタッフは3名、店長は1名います。ほとんどが出産前にその役職に就いて、復帰後も継続しているケースです。時短で責任者というと難しいイメージがあるようですが、部下との信頼関係ができていれば問題ないと私は思います。退社時間を過ぎたら、あとのことは部下に任せる。本人が気持ちを上手に切り変えられれば大丈夫。時短勤務になったからと言って、スタッフが努力して得た役職を取り上げてしまう方が、モチベーションの低下につながります。さらに育児の経験は、人材育成の場でも大いに役立つものです。子どもの教育にもスタッフ教育にも、愛情は不可欠ですから。母になって身につけた人間力を、マネジメントスキルとして存分に生かしていってほしいですね。

エリアマネージャーであれば、事情によっては在宅勤務も可能。

 保育園が見つからず、出勤が難しいスタッフには、在宅勤務で復帰してもらうケースもあります。これはエリアマネージャー限定の働き方になりますが、現在は1名。複数店舗のマネジメントを兼任していて、本部や店舗とは電話で連絡を取り合っています。店の売上報告を受けたり、アドバイスを送ったりするのが主な業務なので、場所を選ばずに働いてもらえるのです。店長・マネージャーまで務めたスタッフは、みんな優秀で本当にしっかりしているので、在宅勤務でもまったく不安はありません。本部や店舗スタッフとの人間関係も構築されていますから、業務に支障はありませんし、不満の声も聞きませんね。あとは本人が現場にいないことの負い目を感じないように、「お互いさま」の風土をさらに浸透させていきたいです。

研修のために、各地から本部へ集まった店長たち。研修後には西坂さんも同席して、食事会が開催される

Q

取り組みを進めていった先に、目指すところは?

A

健全経営に尽力し、エステ業界の信頼回復を目指したいです。

「WITH」の標語でスタッフの孤独をフォローしたい。

 今、社内で「WITH」というスローガンをはやらせています。エステティシャンって、サロンの1室でひとりきりで頑張っているというところがあって、孤独を感じやすいんです。そこで、「ひとりじゃないよ、困ったらいつでも応援に行くよ」という思いを込めて「WITH」。エステティシャンも本部スタッフもお客さまも三位一体で、未来へと歩んでいける企業風土を作っていきたいと考えています。ですから当社では、売上重視の経営はしていません。数字だけを追いかけるとスタッフの心が荒みますし、お客さまからの評判も悪くなります。いくら売上が上がっても、それは健全な経営とは言えないと思うので、「数字だけ追いかけるのはダメ」とスタッフにも徹底しています。

企業努力を“見える化”し、エステ業界の信頼回復に努めたい。

 社長としての私のモットーは、「社員満足の後に、顧客満足」です。スタッフが幸せでなければ、お客さまにも満足のいくサービスは提供できないと思うので。そのために、「食事会や旅行会の資金補助」「インセンティブ制度」など、社員満足のための環境づくりを進めてきました。それらの取り組みが評価され、「今後、女性活躍が期待できるグロース企業」として、2016年に株式会社三井住友銀行による「SMBCなでしこ融資」に認定。また2017年には「働き方改革のグロース企業」として、同社の「SMBC働き方改革融資」にも認定されました。このように成果を“見える化”しながら、百年企業を目指して努力を続けています。エステ業界はここ数年、悪いニュースが続いてしまい、人材確保が難しくなっているのが現実です。しかしながら実際には、当社のようにきちんと労働環境を整えて、健全経営している会社も多いのです。その事実を、こういった“見える化”で世間にアピールしていきたい。エステ業界がかつての輝きを取り戻せるように、さらなる努力を続けていきたいと思っています。

「縁があって入社してくれたスタッフたちですから、親御さんが大事に育ててきたことを受け継いで、愛情をかけて教育していきたいですね」と西坂さん

会社を育て、4人のお子さんを育てあげた西坂さんの、懐の深さを実感するインタビューでした。スタッフ一人ひとりの声を聞き、サポートして行こうという姿勢。「大変な時はお互いさま」という、思いやりの気持ちが浸透している風土。社員数500名を超える大企業とは思えないような、あたたかく家庭的な社風に、取材スタッフはひたすら感嘆のため息。女性活躍の実現に必要な「環境」と「風土」、両方が備わった理想の職場の、次の一手が楽しみです。
インタビュアー
服部美奈子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
編集・取材・文
加藤愛
撮影
森若匡

※掲載されている情報は2018年02月14日現在のものです

Company Data

株式会社スリムビューティハウス

創業年
1980年
店舗数
68店舗
会社URL
http://slim.jp/
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