本音を引き出す「聴く」技術本音を引き出す「聴く」技術
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「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

Mr.BARBER(広島県安芸郡)

理容と美容、レトロと現代をミックス。
気鋭のバーバーが広島で話題!

「何事もひとつに決めつけてしまいたくない」広島の住宅街に佇む「Mr.BARBER」の代表・河野真也さんはそう語ります。
理容師と美容師の資格を取り広い視野で追求するカット技術、アメリカンヴィンテージを基調にしつつ独自の感性が光る店づくり、オリジナルシャツまでデザインする多角的なブランディング。その言葉通り、さまざまな要素を兼ね備える河野さんのサロン経営。その真意と狙いについてお話をうかがいました。

理容師で8年、美容師で8年。身につけた幅広い技術。

理容師として働きながら美容師免許も取得。

代表・河野真也さんは現在35歳。祖父母、両親が理容師で、高校卒業後は迷うことなく理容業界へ進んだという。その後、広島市内の理容室で8年間勤務。しかしやがて「理容だけの枠にとらわれず、ヘア全般の仕事がしたい」という思いが募り、美容師免許を取得し美容院で働き始めた。そして8年間を美容師として過ごし、2017年5月、独立して「Mr.BARBER」を開店した。業態は男性客がターゲットのバーバー。これは店の個性を確立して長く続く店にできるという理由がひとつ。さらに時代的に、バーバーに追い風が吹いていたこともきっかけとなったという。

  • 店舗があるのは、大型商業施設のほど近く。車の通りも多いことから、目を引く店づくりを心がけた

  • 男性向けサロンとひと目でわかるように、ヒゲをモチーフにしたロゴに。ヒゲデザインを希望するお客さまも多い

当初の想定とは違った幅広い客層。

当初想定していたターゲットは30~50代。身だしなみに気を配り、現在は美容室に通っている男性を狙った。理容と美容の両方を、十分な期間にわたり経験したことで、美容室に通うお客さまにも十分に対応できると考えたのだ。ところが実際にオープンしてみると、20~30代を中心に上は70代まで実に幅広い客層が訪れた。「サラリーマンのお客さまも多い。おしゃれへの意欲はあるけれど、やり方に迷っている方が多い印象です」と河野さん。そのため、提案を織り交ぜながら、お客さまの潜在的な希望を汲み取ることを強く意識しているのだという。

  • 主にお客さまのタイプに応じた接客を美容師時代に磨いたという河野さん。穏やかな話し方が相手をリラックスさせる

  • 幅広い世代のお客さまがくつろげるよう、BGMは会話の邪魔をせず、雰囲気の良いブルースが中心

技術とインテリアで、くつろぎの時間を演出する。

レトロのなかに現代が潜む独自のインテリア。

インテリアコンセプトは、レトロアメリカン。しかし“決めつけ”を嫌う河野さんだけに、ここにも独自の感性が光る。たとえば洗練された都会らしさも感じさせるダークトーンの壁紙は、お客さまがゆったりくつろげる効果を狙ったもの。アンティークの掛け時計やアメリカンな小物もあるが、全体としてはレトロ、ヴィンテージよりもこざっぱりとした清潔感が印象に残る。このバランス感は「街を歩きながら、かっこいいものを探し続けた」という河野さんの努力とセンスの賜物だろう。

  • 時計が3つあるのは、お客さまから目線を外さずに時間を確認するため。細やかな心配りが随所に潜む

  • ブルーグレーの壁紙と、派手になりすぎないインテリア。レトロさと清潔感が溶け合い、不思議な印象を醸し出す

お客さまへ思いを伝える、細やかな技術。

幅広い経験に裏付けられた技術がこのサロンの持ち味。対話の中から希望を聞き出す接客もそんな技術のひとつだろう。しかしそんな接客やカットがうまいのは当たり前。河野さんの技術は、さらに深い部分にある。「たとえばシェービングの際の手のタッチでも、こちらの気持ちはお客さまに伝わります。だからリラックスしていただきたい思いが、しっかりと手から伝わるように心がけています」この目に見えにくい技術により、お客さまが「なんとなく落ち着く」と思える空間を生み出しているのだ。

  • ミストを当てながら、優しいタッチで行うシェービング。河野さんがもっともこだわる技術のひとつ

  • キャラクターや好みはもちろん、季節感やお客さまの気分や体調まで考慮して要望を聞き出す

最新機器やオリジナルグッズをブランディングに活かす。

最先端の機器がお客さまのリラックスにつながる。

店内はシンプルだが、見回してみると先進的な機器が導入されていることに気づく。フルフラットになるカットチェア、可動式のシャンプー台、シェービング用のスチームミスト。「ただ髪を切りに来るだけでなく、心地よい時間を過ごして欲しい」という思いが、これらに表れているのだ。強く勧めることはないが、フェイシャルエステのお客さまも2割ほど。エステ専用の個室があり、上質な時間を過ごすことができる。

  • 可動式のシャンプー台は、お客さまが移動せずにそのままカットからシャンプーへ移行できる

  • フェイシャル用の個室はラグジュアリーな空間。周囲の目を気にすることなく、ゆったりとくつろげる

ブランディングの一環としてグッズ開発も。

店舗の一角に陳列されるアパレルグッズは、河野さんデザインのオリジナル。これはバーバーの世界観、ストーリーを伝えるブランディングのためでもあるという。また、オリジナルシャンプーやスタイリング剤の開発も。ワックスは発売間近で、後はパッケージを決めるのみという状態だとか。「ポマードは良いものが増えていますが、男性用ワックスはまだ少ない。シャンプーで落ちやすく、艶があり、価格も手頃。長く使い続けられる商品です」

  • Tシャツやパーカーなどを展開するアパレルグッズは「ナチュラルで、ちょっとかわいいもの」がデザインコンセプト

  • シャンプーやワックスなど、お客さまの使い勝手を意識して開発するオリジナルアイテムも今後増えていく予定

代表インタビュー

河野真也さん。広島県で理容師の両親のもとに生まれ、高校卒業後は理容専門学校へ。卒業後理容室で働きながら美容師免許も取得し、理容・美容両方で修業を積む。2017年に独立して「Mr.BARBER」を開店

Q.これからの理容業界に期待することを教えてください。

A.理容と美容の垣根が、なくなるように願っています。

個人的な意見ですが、理容師は職人、美容師は表現者というイメージ。理容師は技術だけに偏るのではなく、表現者としての感性も必要になってくると思います。そういう意味で、理容と美容の垣根がなくなり、さまざまなことに対応できるスタッフが増えて欲しい。自分がやっていることが、若い方々の目標になってくれるとうれしいです。

Q.この先、さらなる挑戦としてどんなことをお考えですか?

A.ひとりの男性を総合的にかっこよくする場所にしたいです。

現在も服やスタイリング剤をつくっていますが、たとえばスーツのオーダーやタイピンなどの小物の販売なども含めて、さらに多角的に男性をプロデュースする店にしたいです。そうすることで感度の高い男性が集い、ここをハブとして何かが始まるような店にしていきたいです。

Salon Data

Mr.BARBER

アクセス
JR山陽本線天神川駅より徒歩15分
創業年
2017年
設備
セット面3席
スタッフ数
2名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000396834/

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