オトナ女性の心をつかむ接客の極意 オトナ女性の心をつかむ接客の極意
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女性が活躍するサロン100

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを、100サロン紹介していきます。

vol.117出産離職ほぼゼロ。ママも独身者もみんなの活躍を促す工夫とは?

ネイルクイック

東京都渋谷区

「株式会社ノンストレス」の運営で、都内38店舗をはじめ、全国とニューヨークに全67店舗を展開するネイルサロン「ネイルクイック」。創業時から勤続25年を数えるネイリストを筆頭に、10年、20年と長く勤めるスタッフが多いサロンです。現在346名在籍する社員のうち、育児中のスタッフは65名。産休・育休中のスタッフは24名も!代表取締役社長の坂野尚子さんは、「ママスタッフはもちろん、子どものいないスタッフにも、みんなに幸せになってもらえる仕組みをつくっていきたい」と語ります。その思いから生まれた環境づくりの工夫と成果を取材しました。

1取り組み

年齢を重ねても活躍できる
多様なキャリアパスを用意。

どんな取り組み?

ネイリストとして店舗経営のプロを目指すなら店長やエリアマネージャー、技術を追求するのであれば講師やエデュケーター、アートを極めるならアートディレクターなど、「ネイルクイック」には多彩なキャリアステップが用意されている。ニューヨークにも店舗があるため、適性があれば海外勤務という選択肢も可能。さらには自社で手がけるジェルネイルの商品開発、本社での採用業務や商品管理業務など、スタッフの活躍の場は多岐にわたり、各々の状況に応じて次のステージを選択することができる。

背景とメリットは?

「ネイリストは意外に身体的にハードな仕事なので、施術を続けていけるかどうか不安を感じる時期が人それぞれに訪れます。その時、社内に新たなキャリアの選択肢があれば、働き続けてもらえるのではないかと思っています」と坂野さん。年に1回、キャリアに関する希望を聞くアンケートを実施し、新ポジション募集の際の参考にしている。この他、スタッフの能力や適性を見て、会社側から声をかけることもあるという。

渋谷の研修センターに勤務する山下さんも、もとはネイリスト。1年前に体調を崩したことをきっかけに、講師の道へ進んだ

渋谷の研修センターに勤務する山下さんも、もとはネイリスト。1年前に体調を崩したことをきっかけに、講師の道へ進んだ

2取り組み

ママスタッフは子どもが小学校を卒業するまで、時短勤務OK。

どんな取り組み?

育児中のスタッフの働き方は、週30~35時間勤務が条件の短時間正社員と、1日5時間以上かつ週2日以上の勤務が条件のパートタイマーの2種類がある。正社員の育児による短時間勤務の対象は、法定では3歳までとなっているところを、「ノンストレス」では小学校卒業まで延長。現在は約40名が短時間正社員、約15名がパートタイマーを選択している。

背景とメリットは?

子どもが小学校に入学し、放課後の長い時間に留守番をさせることがネックになる「小1の壁」。さらには学童クラブに行かなくなった子どもの放課後の過ごし方が課題になる「小4の壁」など、子どもが小学生になった後も時短勤務のニーズは高い。そこでママスタッフからの声に応えて、12年前に対象年齢の引き上げを行った。その結果、多くの時短スタッフが満期まで制度を利用するようになり、育児を理由に退職するスタッフはほとんどいなくなった。
「短時間勤務については、他にも介護と不妊治療を対象にした制度があります。ママスタッフももちろんそうですが、独身スタッフや子どものいない既婚スタッフなど、弊社で働くみんなに幸せになっていただきたい。これからは独身の方たちにも、さらに長く働き続けていただけるような仕組みを考えていきたいと思います」と坂野さん。

仕事復帰の一番のハードルは保育園が決まらないこと。「早くに復帰してもらえるとありがたいので、待機児童にならないように、先輩ママ社員からの保活アドバイスも行っています」と坂野さん

仕事復帰の一番のハードルは保育園が決まらないこと。「早くに復帰してもらえるとありがたいので、待機児童にならないように、先輩ママ社員からの保活アドバイスも行っています」と坂野さん

3取り組み

フルタイムスタッフの負担軽減にもつながる
充実の育児補助制度。

どんな取り組み?

産休・育休から復帰したスタッフには、さまざまな育児補助制度が用意されている。1つは、小学3年生までを対象にした保育園・学童の延長保育料の補助。さらに、未就学児を対象にした保育園・ベビーシッターなどを併用する二重保育・休日保育料の補助や病児保育料の補助、認可外保育園差額補助なども。子どもが1歳になる前までに復帰した場合は、早期復帰手当も支給している。

背景とメリットは?

延長保育料の補助を始めたのは約2年前。ママスタッフは子どものお迎えのために17時に退勤するが、そこからがネイルサロンのビジータイムとなるため、フルタイムで働くスタッフに負担がかかりがちだった。「保育園は基本的には18時に終わることが多いですが、延長保育料を払えば19時~20時頃まで預かってくれる施設もあります。会社がその分を補助するので、ママスタッフたちにもう1時間長く働いてもらえないだろうかと相談し、取り入れた制度です」。そう語るのは人事総務マネージャーの平川さん。延長保育料の補助に伴い、その他の育児補助も同様に導入を進めたという。「これによって、ママスタッフと一緒に働くフルタイムのスタッフたちの負担が少しは軽くなったかなと思います」(平川さん)。

写真左が人事総務マネージャーの平川景子さん。ご自身も2児のママで、短時間勤務制度を利用したという

写真左が人事総務マネージャーの平川景子さん。ご自身も2児のママで、短時間勤務制度を利用したという

4取り組み

2つの研修センターで、レベルに合わせた研修がいつでも受けられる。

どんな取り組み?

渋谷と目白の2カ所に、「ネイルトレーニングセンター」を設置。新人研修から復帰研修、エリアマネージャー研修まで、ランクに応じた多彩な研修を実施し、技術だけでなく接客や商品知識などさまざまな角度からスタッフのレベルアップをサポートしている。技術研修はほぼ毎日開催しているので、次のランクを目指したいスタッフは、休日や出勤前などを利用して自分のペースで技術習得に励むことができる。

メリットは?

目的さまざまな技術研修が連日のように行われているため、やる気があればどんどんレベルアップしていくことが可能。昇格と昇給は対になっており、頑張るほどに収入も増えることがモチベーションアップにつながる。ママスタッフにとっては、子どもが保育園にいる日中に、集中して練習できる場があるということがメリットに。
産休・育休明けのスタッフに向けて行われる復帰研修も好評で、毎回多くの参加者が集まるという。「先日の復帰研修では会場に全員が収まり切らず、2回に分けて実施したほどです」と坂野さん。

「ネイルトレーニングセンター」で他のネイリストと一緒に練習できることが、スタッフたちの励みになっている

「ネイルトレーニングセンター」で他のネイリストと一緒に練習できることが、スタッフたちの励みになっている

代表取締役社長インタビュー

坂野尚子さん。フジテレビアナウンサー、NY特派員を経て、コロンビア大学MBA修得。外資系コンサルティング会社勤務後、1994年に起業し、1996年に「株式会社ザ・クイック」(2005年より「ノンストレス」に社名変更)を設立。ネイルサロン経営の他、「ネイルパフェジェル」のジェルメーカーとしても事業展開中

Q. 「性別や年齢にとらわれない採用」を掲げられているのはなぜですか?

A. スタッフみんなが働きやすい、多様性のある組織を目指しているからです。

弊社には男性ネイリストが3名おりまして、最近、初の男性店長も誕生しました。年齢に関しても幅広く、40代や、いい方であれば50代の方も採用しています。LGBTの方はもちろん、ビザの問題がなければ外国人の方にも入社していただいて、多様性のある組織にしていきたいと思っています。というのも、1つの店舗に女性数名だけで働いていると、人間関係のひずみが出てしまうことがあるためです。いろいろな価値観のもとで運営していきたいという思いがありますし、お客さまに信頼していただくためには、人間的に幅のあるスタッフを採用していくことが必要です。単に女性でステレオタイプな方より、年齢も性別も多様、かつ社会経験が豊かで、接客技術のある方に働いていただきたいと考えています。

Q. 最近、新たに始められた取り組みはありますか?

A. ハローワークの職業訓練校に講座を開設しました。

10月から求職者支援訓練校として、ネイリスト養成科をスタートしました。ハローワークを窓口にした、求職者の方が無料で受けられる講座です。受講終了後にご縁があれば弊社で働いていただくこともあると思いますが、採用が目的ではなく、いろいろな方にネイリストの門戸を開ければと思いまして。経済的なところで困っている方に、社会復帰のためのお手伝いをしたいと考えております。まだ一期生を迎えたばかりですが、訓練校にはこれからさらに力を入れていく予定です。

Salon Data

ネイルクイック

創業年
1996年
店舗数
67店舗
スタッフ数
346名
URL
https://www.nailquick.co.jp
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