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イノベーターが
見ている未来

vol.48

確固たる世界観を持ち、新しい取り組みをしている「次世代リーダー」へのインタビュー。
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。

IJK OMOTESANDO

代表取締役
芝原 俊輔さん
(age.29)

美容師を健康的に楽しめるか?
これが究極のスタッフファースト。

若干25歳で美容室激戦地・表参道にサロンをオープンし、くせ毛も思うままに操る確かな技術力で人気サロンへと育て上げた「IJK OMOTESANDO」代表・芝原さん。「週休2日」「朝練なしの12時開店」などスタッフにやさしい、ホワイト経営でも注目を集めています。スタッフファーストはなぜ生まれたのか?その真意に迫ります。

1990年、大阪府生まれ。高津理容美容専門学校を卒業後、東京・表参道の有名ヘアサロンに入社。入社1年目にスタイリストデビューをし、社内最短でトップスタイリストに昇格。ロンドン・ヴィダルサスーンアカデミー留学やヘアショー、ファッションショーも経験。25歳で独立して2016年、表参道に自身のヘアサロン「IJK OMOTESANDO」をオープン。縮毛矯正の技術力が評判を呼び、2019年5月に拡張移転。
http://ijk-hair.com/

第1章人一倍に努力し1年目でデビュー

「応援してくれた親のために、
1年目デビューを成し遂げた。」

サロン名の「IJK」は、「I=愛。そして自分」「J=japanese」「K=綺麗、可愛い、かっこいい」からなる

これまではあまりインタビュー取材を受けていなかったそうですが、今年から露出をするようにしたとか。心境が変化した理由は?

断っていたのは自分が表に出るのが苦手だから、っていうのが理由で。だから今日も写真を撮られたりするのがヤダな~って。自分の顔も声も嫌いだから(笑)。だけどお店やスタッフのためには露出することも大事だと思って、今年からがんばっています。

お話を聞く機会をいただけて嬉しいです。まずは美容師を目指したきっかけから教えてください。

高校の3年間は部活のバスケばかりの日々で、将来のことは全然考えていませんでした。勉強はそこそこできたので周りからは進学しろとすすめられたものの、自分が大学に進むイメージも湧かなくて。やりたいことがないのに大学に行くのもなぁ…と。それなら、自分が好きなこと、人に喜んでもらえることをしたほうがいいだろうと考えました。それで、僕自身がくせ毛で中学時代から縮毛矯正をしていて髪に興味があって。

縮毛矯正は安くはないですし、中学生のころからしていたというのは珍しいですよね。

くせ毛って、それにちなんだあだ名をつけられたりしてマイナス要因になることもあります。僕は男なんでそこまで気にすることもなかったけど、コンプレックスには感じていて。そういう僕の気持ちを理解して、親も縮毛矯正の費用を出してくれました。ヘアスタイルが人に与える影響を実感して、美容師になろうと思ったんです。でも美容学校に行きたいと話したら、親には猛反対されましたけどね。

親御さんが反対したのはなぜでしょう。

僕はすごい不器用なんですよ、それで「あなたには向かないんじゃない?」と心配していました。だけど自分の気持ちを伝えて説得して、美容学校に進むことに。心配しつつも、学費を出してくれた親にはすごく感謝しています。

不器用というお話ですが、入社した有名サロンでは史上最年少でスタイリスト、そしてトップスタイリストへと昇格したんですよね。

入社1年目の3月にスタイリストデビューをしたんですが、「1年目でデビューしよう」っていうのは入社時から決めていて。だから「何月までにはここまでクリアしておこう」とゴールから逆算して時期を区切って目標を立てて、それを実行しました。たとえば昼の12時から夜の12時までモデルハントし続けてお客さんを増やしていったり。入社3年目に入ってすぐくらいの時期には、月の指名売上が100万円を突破していました。

何がモチベーションに?

僕は本当に親が好きなんです。反対しても結局は美容学校に通わせてくれて、就職のために地元の大阪から東京へ出るときも泣きながら送り出してくれた。そういう親のことがずっと心にあって。その恩に報いるために、「東京じゃなきゃできないこと」を成し遂げる必要があると思ったんです。それで1年目にデビューしようと決意しました。

スタイリストデビューするまでにクリアしなきゃならない課題はいろいろあると思いますが、みんなその道のりを果てしないものだと考えすぎてるんじゃないかな。たとえばウィッグ100体をカットする課題があったとして、「100体もやるのかぁ」と考えるか、「1日10体やれば10日で終わるな」と考えるか。不器用な部分を補おうと思ったらみんなと同じじゃダメで、人の思考が追い付かないところまでやればいいと考えて行動してきました。

他人以上に努力を重ねた結果が異例の早期デビューにつながったんですね。それだけ練習すると休みもなさそうです。

1年目の出勤日は終電まで練習して、営業中も手が空いたらビラ配りをしつつ声をかけて、その場で予約を取り付けてました。休日は街に出てモデルハントしていたので、休みはなかったですね。

よく行っていたのは成城学園前駅。表参道からは少し離れますが、あそこはお嬢様学校があって、そこの学生さんの家庭は所得が高い。勤め先だったサロンの価格帯とマッチしているんです。そして子どものころからお母さんと同じ、なじみの美容室に通っている。だけどキラキラ女子に憧れもある…っていう子も多いんですよね。「表参道の美容師さんがなぜここに!?」と興味を持ってくれたり、毎日立っていたから差し入れしてくれる方も出てきました。

そこまで分析してモデルハントの街を選んでいる人は珍しいでしょうね!しかも出身は大阪で、東京の土地勘もあまりなかったのでは?

成城学園前を狙ったのは、アシスタントとしてサロンでお客さんと話したことがきっかけです。そのあたりに住んでいるお客さんがけっこう多いな、と思って調べて…。駅前で声をかけるときは時間帯にも注意して、人通りが多くて立ち止まって話を聞いてくれる、授業前と授業後を狙うように。人が途切れたら近くのマックで休憩しつつ、ゲットした連絡先に予約リマインドの電話やメールをしていました。その繰り返し。

こういう方法は当時の同期の一人にも教えたんですよ。でも少し試しただけで、続けてはやらなかったみたいですね。アイデアを出すことも才能だけど、継続できるかどうかも才能なんですよね。

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