サロンオーナー必見!

人を雇ったら知っておきたい
労務のキホン

スタッフを雇ってサロンを経営していく上で必要な、労務関連の制度や法律の基本知識について解説していきます。

vol.3

〜「マイナンバー」はどう管理する!?編〜

スタッフのマイナンバー管理は要注意!

前号のVol.2で、「マイナンバー制度が導入されたら、オーナーはスタッフからマイナンバーを集める必要があること」をお伝えしました。ではその集めたスタッフの個人情報であるマイナンバーはどう管理すればよいのでしょう?

連載ショートストーリー

「サロンRの日常」3
  • 須多井 リスオ

    須多井 リスオ(スタイ リスオ)

    アシスタントを2年経験し、スタイリストデビューをしたばかりの23歳。「サロンR」勤務。デビューして意気揚々。オーナーも店も基本大好きで、サロンとともに成長したいとはりきっている。
  • 小尾奈 サロヒコ

    小尾奈 サロヒコ(オオナ サロヒコ)

    「サロンR」オーナー。スタイリストとして7年間別のサロンに勤務した後独立。「サロンR」を開業して3年目の33歳。スタッフを大事にしてサロンを成長させたいが、経営の知識はない。
  • 赤出 ミーコ

    赤出 ミーコ(アカデ ミーコ)

    「サロンR」に勤務するスタイリスト歴5年の須多井リスオの先輩。27歳。指名が多く、新婚で公私ともに絶好調。同僚からの信頼も厚いが、結婚を機に子どもがほしいと考え始めている。
  • 秋田センセイ

    秋田センセイ

    社会保険労務士。多数のサロンの労務管理相談を受けている、この企画の監修を担当。美容業界を他業界に負けないくらい、オーナー、スタッフともに働きやすい環境にしたいと考えている。
  • ビューティー

    ビューティー

    秋田センセイの名アシスタントの猫。先生の言いたいことを伝言するために、ここそこに現れるこの企画の陰のキーマン。サロンオーナーたちがいい経営者になることを心から願っている。
オーナーはマイナンバーをどう管理したらよいのでしょう?
POINT1

マイナンバーは大切な個人情報であることを認識しよう

個人情報は徹底管理!

 オーナーはお給料を支払う立場として、スタッフのマイナンバーを集める必要性があることは前回お伝えしました。言うまでもありませんがマイナンバーは大切な個人情報。自分のマイナンバーを必要以上に知られることがイヤなのはスタッフも同じです。提出が必要な行政機関以外の不特定の他者に知られてしまった場合、さまざまな形で悪用されるリスクがあります。だからきっちりと管理して保管することが必須なのです。

きちんと管理せず、個人情報を漏えいしてしまったらどうなる?

 意図的・故意に他人の個人情報を他人にもらした場合は、厳しい罰則があります(※詳細は「内閣官房:マイナンバー制度「個人情報の保護に関する質問(Q5-10 番号法にはどのような罰則がありますか?)」で確認してください)。また、従業員が罰則規定にある行為をした場合、サロンにも罰金刑が科される可能性があります。それだけでなく、その事実が世の中に知られれば、サロンやオーナーの信頼がなくなって失客につながる可能性が非常に高いと言えます。

POINT2

オーナーがやるべき6つのポイントがあります

ポイントをおさえて!

 マイナンバー導入にあたって、オーナーがやるべきポイントは次の6つです。まずはここから徹底しましょう。

1)マイナンバーを扱う担当者を決めましょう。
担当者以外がマイナンバーを取り扱うことがないように、取扱責任者や事務取扱担当者など担当者を明確にしましょう(人数の少ないサロンの場合はオーナーと委託契約先の税理士または社会保険労務士だけが扱うなど)。

2)マイナンバーをスタッフから取得する際は、利用目的を伝え、番号の確認と本人の確認をしましょう(前回参照)。

3)マイナンバーが記載された書類は、盗難されないように管理を厳重にしましょう。
保管方法の一例として、紙の書類でマイナンバーが書かれたものを保管する場合は、カギのかかる場所に!

4)ウィルス対策ソフトを最新版にするなど、セキュリティ対策を行いましょう。
パソコンにデータとして保管する場合は、外部からの不正アクセスをされないような対策を。また、そのデータにアクセスできる人を限定して決めておきましょう。

5)退職や契約終了でスタッフのマイナンバーが必要なくなったら、確実に廃棄しましょう。
※「下にあるPOINT3」参照。

6)スタッフにマイナンバー制度周知のための研修や勉強会を行いましょう。
スタッフにもマイナンバー制度や個人情報の取り扱いの大切さについて知ってもらうことが重要です。

対策をたてないとどうなる?

 マイナンバーに限らず、お客さまのカルテなど個人情報の管理の重要性はすでに理解されているかと思います。しかし、マイナンバーの取り扱いは、個人情報保護法よりも厳格な保護措置が設けられているので、しっかりと把握しておきましょう。
※詳しく知りたい方はこちら

POINT3

必要がなくなったら廃棄しなければなりません

廃棄の方法も重要だよ!

 スタッフから取得したマイナンバーは、税分野や社会保障分野などの用途以外では使ってはいけないと前回お伝えしましたが、保管についても同様。スタッフが退職するなどして、その人の事務処理をサロンでする必要がなくなった場合、その人のマイナンバー情報は廃棄または削除しなければなりません。
 ただし、退職後にも関連書類が必要となることがあり、手続きの内容によって保存期間が決められています。退職したその日に廃棄するわけではないので、正確に知っておく必要があります。

廃棄や削除ってどうすればいい?

 マイナンバーが記載されている紙の書類は、シュレッダーなどで内容がわからなくなるように廃棄しなければなりません。また、パソコンに保管したデータは、単に「ゴミ箱に捨てる」や「ゴミ箱を空にする」ではデータが復元されてしまう可能性があるため、専用のデータ消去ソフトなどを使って完全に削除する必要があります。

今回のポイント

簡単にいえば「うちはちゃんとやっている」と自信を持って言える状態であることが重要です。しかし、法律に沿って個人情報を管理するのはとても大変なので、知識を持ち専門の体制を整えている社会保険労務士や税理士に任せる方が安心でラクな道かもしれません。

次号からは、マイナンバーにも関連する社会保険について解説していきます。

秋田繁樹さん

監修

特定社会保険労務士

秋田繁樹さん

プロフィール:

秋田社会保険労務士事務所代表。東京都社会保険労務士会所属。国内大手生命保険会社、大手企業のシステムインテグレーターなどを経て、独立開業。人事労務のスペシャリストとして、多店舗展開の美容室の労務管理や就業規則・社内規定などにも詳しく、多数の美容室の指導相談に当たっている。http://www.akita-sr.com/

編集・取材・文
長島佳子
イラスト
木村𠮷見

※掲載されている情報は2015年12月21日現在のものです

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