女性が活躍するサロン100

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを、100サロン紹介していきます。

vol.34ママスタイリストでも売上150万円を稼げる
「にこ・キビ・ハキ美容業」とは?

pikA icHi

熊本市中央区

誰でも必ず150万スタイリストに育てる美容室として名をあげる「pikA icHi」。「働きたいサロンNo.1」を目指した経営手法は、美容業界でも話題となっています。現在、48名のスタッフ中、ママ美容師は5名。「生産性がいいから働きやすい」という職場を叶える経営方針についてうかがいました。

1取り組み

すき間時間を有効活用し、「時間生産性」を上げる。

どんな取り組み?

 「pikA icHi」では美容師のロマンと生産性とのバランス感覚にこだわった働き方を実践している。営業中のすき間時間に、通常は営業終了後に行うようなカルテや在庫の管理、アシスタントのレッスンも行うように全員で心掛けているという。また、「にこにこ・キビキビ・ハキハキ(にこ・キビ・ハキ)」を会社のモットーとして、業務中のスタッフの動きも気持ちよいほど無駄がない。

背景とメリットは?

 仕事を続けたい女性スタッフが結婚後に続けられない理由には、「ご家族の理解」や「収入」などがあると代表の内田さんは語る。「子どもや夫をおいて、長時間で低収入の仕事では理解を得られないのは当然。スタッフが働きやすくするには、時間を凝縮して無駄な残業はさせず、収入を上げることです。技術も含め、『必ず売れる美容師に育てる』ことが経営者の責任です」。時間生産性アップの習慣が身につくことで、時短勤務中のママスタッフも生産効率が下がらずに済むという。

「pikA icHi」の取り組みは業界セミナーでも実践体験型レッスンとして取り上げられている(写真はセミナーの際の社員たち)

「pikA icHi」の取り組みは業界セミナーでも実践体験型レッスンとして取り上げられている(写真はセミナーの際の社員たち)

2取り組み

「終わる時間宣言」と「完全撤収デー」で全員が早く帰る。

どんな取り組み?

 店長が毎日、その日の終業時間を宣言。レッスンで残るのは自由だが、業務については宣言時間がデッドラインだ。それを守るために、スタッフ全員が毎朝「To Doリスト」を書いて自分の1日をデザインする。宣言した時間と実際にスタッフが帰った時間を記録して「見える化」したことで、取り組み初年度は1日平均30分も勤務時間が縮まった。
 また、毎週木曜日を「完全撤収デー」としている。この日は個人の自主レッスンも禁止し、自分たちで決めた時間に撤収して帰るようにしているそうだ。

メリットは?

 「時間のおしりを決めることが大事」と内田さん。デッドラインを確実に守っていくという習慣をつけることで仕事の密度が上がる。早く帰れることで、スタッフが自分の時間を有意義に過ごせる。「サロンはお客さまにとってのライフスタイルパートナーであるべき。それにはお客さまの気持ちを理解する必要があります。できるだけみんなで協力して終了時間を早めて、美容師さんもお客さまと同じような美容や社会の経験などを多くできるようにしていくことは大事だと思っています」(内田さん)。

大学時代をほとんどアルバイトに費やしたという内田さんは、もともと美容に限らず経営そのものに関心が高かったそう

大学時代をほとんどアルバイトに費やしたという内田さんは、もともと美容に限らず経営そのものに関心が高かったそう

3取り組み

出産後の時短勤務中も正社員として雇用。

どんな取り組み?

 「pikA icHi」は社会保障完備で産休・育休制度もある。育休後に復帰した際は、保育園の送迎で時短勤務になる女性スタッフがほとんどだが、その期間中も全員正社員のまま雇用している。

背景とメリットは?

 本人が希望する場合以外で、正社員として活躍していた女性スタッフがパートにならざるを得ない場合、気持ち的なダメージが大きいと内田さんは考えている。「美容業界以外の一般企業では当然のことではないでしょうか。女性のお客さまが中心の美容業界では、女性スタッフの共感力や対応力は欠かせないため、絶対に辞めてほしくないのです」(内田さん)。未来ある女性スタッフが正社員であり続けることは「pikA icHi」にとっては普通のことだと語る。

ママスタイリストの本村さん(左)は、「後輩たちに子どもができてもますます美容師を楽しく続けるロールモデルになりたい」と思っている

ママスタイリストの本村さん(左)は、「後輩たちに子どもができてもますます美容師を楽しく続けるロールモデルになりたい」と思っている

代表インタビュー

代表の内田善久さん。大学卒業後に美容の専門学校を出て、東京都内数店の勤務を経て出身地である熊本に。実家の美容室を引き継ぎ「pikA icHi 」を開業

Q. 習慣改善に着目する理由は?

A. スタッフ全員の物心両面での幸福を実現したいからです。

 店名の「pikA icHi」は「スタッフにとってピカイチでありたい」と願ってつけました。大切にすべきはお客さまですが、働くスタッフのハッピーなくしてお客さまにハッピーを提供しつづけることはできません。
 そのために私たちは、お客さまからみた魅力やウリを高める必要がある。そんな魅力やウリをもった美容師さんをよ〜く観察してみると、笑顔を絶やさずお客さまに寄り添って接しながらも、キビキビと仕事に熱中している。そんな良い習慣をもっていることに気づきます。
 それらを「楽しみながら学ぶ」といったことも含めて、我々は「にこにこ・キビキビ・ハキハキ」をモットーに習慣改善に取り組んでいます。

Q. 女性ならではの能力を非常に高く評価していますね?

A. 時間の密度濃く働く能力は、女性の方が長けています。

 お客さまの中心が女性ですから、お客さまが何を求めているか理解できるのも女性です。それだけでなく、女性は決められた枠の中で、マルチタスクをこなす能力に非常に長けています。男性は「長時間も致し方なし」とパワーで押し切るところがありますが(笑)、女性は時間の使い方がうまい。子どもができるとさらにそれがパワーアップしますから、育休復帰した女性は必ず成長して戻ってきます。その能力は宝物だと思っています。

Salon Data

pikA icHi 上通り店【ピカイチ カミトオリテン】

アクセス
通町筋電停より徒歩2分
創業年
1998年
店舗数
6店舗
設備
26席 (pikA icHi 上通り店)
スタッフ数
48名(全店舗)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000132134/

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