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先輩女性インタビュー

サロンで働く先輩女性たち

長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!

vol.34

自分のことしか見えなかった20代。
出産・育児を経て見えた新たな役割とは?

「スタッフが辞めず、失客が少ない」サロンとして評判の「COPAIN」。複数のママスタイリストのなかで、自分ならではの働き方を見つけた河部さん。「シャンプー台に届くの?」と言われたほど小柄でキュートな外見とは裏腹に、「誰よりも早くスタイリストになりたかった」という野心的な一面も。寝る間も惜しんで働いた20代から、人の立場でものを考えられるようになった今への、気持ちの変遷を語ってもらいました。

Staff Data

河部奈々美さん 33歳

スタイリスト。
HAIR COPAIN勤務(熊本市中央区)
スタイリスト歴11年。既婚。10カ月の女の子のママ。
現在、月に10日間、10:00〜15:00のパート勤務中。

河部さんのLife History

★…ターニングポイント

  • 18

    高校卒業後、通信制の美容専門学校に入学。
    同時に、美容室をしていた実家の父の紹介で「HAIR COPAIN」に入社。
    勉強しながらアシスタント修業を始める。
    人より早くスタイリストになりたくて、全く遊ばずに、寝るときもカットのイメージトレーニングをするほど仕事に没頭。

  • 22

    ★スタイリストデビュー。
    先輩を追い越したくて、誰よりも早く来て遅く帰るほど練習していた努力が実った。
    スタイリストになってほどなく応募したコンテストで西日本で2位に。
    それまでは評価が売上でしかはかれなかったが、自分が考えていた方向性が間違っていなかったと自信がついた。

  • 27

    チーフを任され店長の補佐業務を行う。
    みんなをまとめる業務も楽しくなる。

  • 28

    店長に就任。心からうれしかった。
    細かいこともすべて決めなければいけない責任を感じつつ、「みんなでお店を盛り上げていこう!」とやる気に満ちていた。

  • 31

    ご主人と結婚。店長のまま仕事を続けて忙しい日々。

  • 32

    長女を妊娠。
    産後復帰するかどうか悩んだが、戻れるなら早く戻りたくて、「生後3カ月くらいで復帰したい」とオーナーに相談。「急がなくていいよ」と言われて微妙な気持ちになるが、育児の大変さを思っての言葉と知り感謝に変わる。

  • 33歳~

    長女が8カ月のときにパートとして復帰。
    保育園が待機状態のため、月に10日、10:00〜15:00で勤務中。
    スタイリストとしてだけでなく、レセプションとしてお客さまフォロー中心の業務に当たっている。

  • 寝る間も惜しんで練習した成果で、スタイリストデビューした頃(写真中央)

  • 「複数のコンテストの受賞によって自信をつけられた」という20代の頃

  • 「育児は予想以上に思い通りにいかないことが多いけれど、子どものかわいさで乗り越えられる」という

河部さんへのインタビュー

20代は前のめりに仕事をして、振り返る余裕がなかったと語る河部さん

Q. 妊娠がわかったとき、仕事を続けたいのに迷われたのはなぜですか?

A. 「引き継いだ後輩やお店に迷惑をかける」と思い込んでいたのです。

 出産で休む際はお客さまを後輩に引き継ぎますが、私が戻ることでお客さまを奪い返すことになったり、店の生産性が分散して、みんなにも店にも迷惑をかける気がしていたのです。だから復帰するなら早く戻りたくて、「3カ月で戻りたい」とオーナーに相談したら「そんなに急がなくていいよ」と。その時は、必要とされていない気持ちになりました。
 でもそれは、「みんなでお客さまを守るから安心して休んでこい」という意味だったのです。「COPAIN」の特長は「スタッフみんなで接客すること」。「私のお客さま」ではなく「みんなのお客さま」なんです。そう気づいたら気持ちがラクになって、ガツガツと自分のことしか考えてなかったことが恥ずかしくなりました。実際に出産してみたら育児は予想以上に大変で保育園も待機中。オーナーの申し出は本当にありがたかったです。

常にサロンを見渡せる場所に立ち、お客さまが何を求めているかを瞬時に察知している

Q. 現在、レセプションやマネジメントが主な業務になった経緯は?

A. スタイリスト以外でお店に貢献する方法を、オーナーと一緒に考えました。

 ママスタイリストの先輩たちは、育児に実家の協力を得られて時間的な融通がきく方が多いです。うちは私も主人も実家が遠く育児の協力者がおらず、先輩たちのような働き方はできない。スタイリストとして戻るなら時間と売上を確保できなければならないと思っていたので、私がお店に貢献できる方法はほかにないか考えました。
 店長をしていた経験から、「接客に力を入れてお客さまのニーズを引き出す店づくりをしたい」というオーナーの考え方を理解していました。だから、オーナーと相談して、「レセプションとして、他のスタッフのマネジメント業務をしよう」ということになったのです。
 私はほとんどのお客さまを知っています。だからお客さまが入って来た瞬間に、その日のコンディションを察して、それを加味した接客をするよう担当スタッフに指示を出しています。また、店内をいつも見渡して、施術中や待機中のお客さまが何か感じていらっしゃる気配を察知したときは担当に伝え、お客さまに少しでも心地よく過ごしていただける接客を提案しています。

答えのない育児という経験も、人の気持ちを考えるうえで仕事に役立っているそう

Q. 「COPAIN」でスタイリストをしていてよかったと思うことは?

A. 人の立場になってものごとを考えられる余裕を持たせてくれたことです。

 私はもともとカッとなりやすいタイプ。ほかのスタッフがイライラしていても、自分に余裕がなく、気持ちを理解できないことが多かったのです。でも、オーナーが「みんなでお店をつくっていく」という人で、スタッフの立場に立ってものごとを考える大切さを知りました。店長になったときも、ついスタッフたちを怒ってしまうことがあったのですが、怒ってる自分に気づいて「これは違う」と反省。「自分だけがガツガツ焦らなくても大丈夫なんだ。みんなに頼って、みんなでがんばればいいんだ」という考え方ができるようになりました。
 それは、お客さまのことを知る接客にも結びつきますし、今は子どもが泣いていても「なんで泣いているのかな?」と考えてあげられるので、育児にも役立っています。

若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!

 子どもがほしくて出産と仕事の両立を迷っているなら、私は産んで続けることをすすめます。でもそれには、戻るための居場所を築いておかなければいけないと思います。ただがむしゃらに売上のことだけ考えて働いていたら、産休や育休を取ることに不安しか感じません。子どもができて時間的に制限されたときに、「自分は何でお店に評価してもらえるのか」「何で貢献できるのか」ということを、今からイメージしながらキャリアを積んでいくとよいと思います。

Salon Data

HAIR COPAIN【ヘアーコパイン】

アクセス
通町筋電停から上通りを並木坂方面に徒歩3分
創業年
1999年
店舗数
3店舗
設備
13席&ヘッドスパ、エステ空間 (HAIR COPAIN)
スタッフ数
16名(HAIR COPAIN)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000141757/
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