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第3章長く働ける場を、そして若手が夢を持てるサロンを

「社員たちが“長く活躍できる場”をつくりたい。
多店舗展開は、そのための手段になり得る。」

リビアスでは2015年、ニューヨークのトップヘアサロン「ウォーレン・トリコミ」の日本1号店を出店されました。大きな話題を呼びましたね。

これまでいろんな業態を扱ってきましたが、いわゆるおしゃれなブランドサロンはありませんでした。それで視察のため、ニューヨークのトップサロンをめぐったんですね。そのひとつがウォーレン・トリコミで、訪問時に偶然トリコミ本人がいたんです(注*トップスタイリストであるエドワード・トリコミ氏。ジョニー・デップ主演の映画「シザーハンズ」のモデルとなった人物としても有名)。それで各支店を見てまわったことを話したり、聞きたいこともたくさんあって質問攻めにしていました。そんな僕の情熱と思考スピードに共感したとのことで。なんと、会ったその日にトリコミの方から「日本出店のパートナーにならないか?」と提案がありました。そんなことは考えてもいなかったので、びっくりしました。でも、ニューヨークのサロンで働く美容師たちから「この職業に誇りと夢を持ち、高いレベルでのプロ意識がある」と感じたこと。そして日本で、「若手にとって夢となり目標となるサロンに、このウォーレン・トリコミがなれるかもしれない」という可能性を感じて決めました。

そうはいっても最初は半信半疑です。これまでも、パートナー契約を希望する有名企業が何社もあったということだったので。しばらくして、ぶ厚い契約書が届いたときに「本当だったんだ」と実感しましたね。

リビアス初のブランドサロンということで、環境の変化はありましたか?

まず、弊社が世間に知られるきっかけになりました。そして何より、若手スタッフに希望を与えられたことが大きいですね。ウォーレン・トリコミとライセンス契約を結んだことでニューヨークのサロンでの研修もありますし、「いつか自分も海外のトップサロンで働きたい」と言う意欲的なスタッフが増えました。

「ウォーレン・トリコミ」の日本展開は10年間で7店舗を計画していて、今年(2016年)の4月には大阪の梅田に2号店をオープンします。

ほかに、今後計画されていることは?

人口減にともなうお客さま減少、そして理美容師のなり手減少は美容業界が抱える課題です。そうした状況においても、多店舗展開は継続したい。人材の確保のため、休眠美容師の活用も考えています。ブランクがあってカットはできないけれど、免許は持っていて美容への興味もある。そうした人たちに、たとえばカットなしの「カラー専門店」であれば、働く場として提供することが可能です。

リビアスでは「大卒採用」も進めていますね。

大卒採用の場合は入社後2年間、平日9時~16時は弊社が経営する理美容師養成学校に通い、夕方からと土日はサロンで働きます。月曜は休日で、その2年の間も給料は満額支払います。そして免許取得後は、店長として各店へ配属するんです。

こうした取り組みをする理由は、大卒の入社希望者が会社と価値観を共有しやすいためです。彼らは理美容師を目指したというよりも、そもそもリビアスの理念や業務内容に共感してくれた人。また出世欲や向上心が高い傾向にある大卒社員の存在は、他のスタッフにも刺激をあたえてくれます。

多店舗展開を続けるとのお話がありましたが、「こんな店を出したい」など具体的な構想はありますか。

どんな業態・店舗にするかは時流に応じて判断していくので、限定はしていません。日本の美容業界でも、時代に合った出店ができれば伸びしろはまだまだあると思っています。ただ言えるのは、「社員たちが長期的に活躍できる場所をつくりたい」ということ。福利厚生にしても、出産・育児を経ても戻ってきやすい対策をずっと整えてきました。

社名のリビアスは「理美容の明日をつくる」という想いに由来しています。理容師も美容師も、貴重な有資格者。彼らにとって働きやすい環境を提供すること、そして働き続けられる仕組みをつくること。それが、「リビアスの使命である」と考えています。

  • 「ウォーレン・トリコミ」の日本2号店は、大阪駅前の商業施設「ハービスプラザエント」に2016年4月27日オープン

  • 産休・育休中のスタッフや子どもの写真&メッセージが社内に掲示されている。これは「休職中も仲間である証」であるという

 店舗数が220軒以上に増えた今も、毎月全国各地の店舗へ足を運び、一年の4分の3以上をスタッフとの飲み会に費やす。さらには年間150日以上、飛行機で移動しているという大西さん。「移動するだけでも疲れませんか?」との問いに、「その先に自分を待っていてくれる人がいると思うと、移動中もワクワクするんです」と、笑顔を見せてくれました。
 2015年は約20人の新卒社員がリビアスに入社しました。驚きなのは大西さんは毎年、その新入社員一人ひとりの実家に直接ご挨拶にうかがうということ。どんなに遠方に住んでいたとしても、です。それは親御さんに「どうか安心して、お子さんをリビアスにあずけてください」と伝えたい想いから。
 会社がどんなに大きくなろうとも、店舗の数が増えようとも、社員との距離は「近く」あり続ける姿勢。そこまで親身に考えてくれる社長の存在が、社員の志をひとつにして最大限の力を発揮する。リビアスの成長を支えた根底には、大西さんの並々ならぬ情熱と行動力がありました。

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