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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.36スタッフ6名中2名がママ!
1店舗×少人数でも叶う、ママが輝く仕組みとは?

eterno/ヘアサロン

愛知県名古屋市

名古屋市内の閑静な住宅街にある隠れ家的サロン「eterno」。丁寧な施術とほっこりくつろげる空間が、多くの女性客を虜にしています。「臨機応変に対応しながら、ママをサポートしていきたい」とオーナーの西田さん。スタッフ6名中2名がママ。なのに、ママは希望の働き方ができ、周囲のスタッフも負担を感じることなく働ける理由は?少人数サロンが実践する取り組みや工夫について、お話を伺いました。

1取り組み

ママとサロンが歩み寄った働き方で、
「全員が支えあう風土」を生み出す。

どんな取り組み?

 産休・育休後は、時短勤務が可能な「eterno」。ママが希望する出勤時間や働く時間帯などに最大限配慮する分、土日のどちらかに少しでも出勤してもらうようにしている。これは、「土日などの忙しい時間を皆で共有することで、お互いの理解が深まり、支えあう風土を生み出すことができる」との考え方から。「復帰前に、ママの意向を丁寧にヒアリング。サロンとしてできること・できないことをきちんと伝え、納得してもらったうえで復帰してもらいました」とオーナーの西田さん。

メリットは?他のスタッフの反応は?

 忙しい土曜日または日曜日に一緒に働くことで、ママと他のスタッフとの協力関係がより強固に。ママとサロン側それぞれが歩み寄った働き方により、支えあう風土を作り出せている。これにより、他のスタッフはママの働き方を受け入れ、積極的にサポート。全員が気持ちよく働くことができ、ママの離職を防ぐこともできている。

この取り組みは、サロン初のママスタッフが誕生した4年前から実施。ママ第一号である廣部さんは、現在、定休日&日曜日の週休2~3日・9:15~18:00の時短にて勤務中

この取り組みは、サロン初のママスタッフが誕生した4年前から実施。ママ第一号である廣部さんは、現在、定休日&日曜日の週休2~3日・9:15~18:00の時短にて勤務中

2取り組み

産休中のママのカバーは、
他のスタッフの生産性UPで叶える。

どんな取り組み?

 ママスタッフが休みの間、本人の指名客は全員でフォロー。そうなると当然、残されたスタッフは仕事量が増えるため、疲れを見せる者も出てきた。そこで、「カットは○時間以内に行う」など、スタッフとともに技術にかける時間を見直したうえで、予約人数を調整。全員の作業時間が過度に増えたり、ひとりに片寄ったりすることのないよう配慮しながら、生産性を高める取り組みを実施した。

メリットは?

 スタッフのオーバーワークを回避することで、質の高い接客を継続でき、産休中による失客を最小限に抑えることができた。また、皆が時間をより意識するようになり、作業効率がアップ。ママの育休中や時短勤務中である今も、売上は前年対比を上回り続けている。

「作業効率のアップは顧客満足度につながり、リピート率も向上しました」とオーナーの西田さん

「作業効率のアップは顧客満足度につながり、リピート率も向上しました」とオーナーの西田さん

3取り組み

子ども連れで参加OKのイベントや
オーナーの意思表示を通して、スタッフとお客さま両方に理解を促進。

どんな取り組み?

 自身も9歳と7歳の娘さんふたりのパパであるオーナー。仕事と子育ての両立において、お客さまのご理解とスタッフの協力は不可欠と考えている。お客さまへは、ママの産休前に印刷物を作成して配布。「お客さまのお力も借りながら、サロン全体でママスタッフの子育てを応援したい」という想いを綴り、予約調整などにご理解いただくようお願いしている。
 スタッフへは、ミーティング時など、さまざまな場面で「みんなで子育てする意識をもってほしい」と語りかけ、ママの働き方を理解してもらえるよう努めている。また、家族ぐるみの付き合いを通して、他のスタッフのママへの理解がより深まるよう、子ども連れOKのイベントを定期的に実施している。

メリットは?ママへの理解をより高めるための工夫は?

 温かな言葉を掛けてくれるお客さまたちは、仕事と子育ての両立で大変なママの大きな励みになっている様子。また、「子どもが急病などの際は、ママの心理的負担を減らすため、サロン側からすぐに帰るよう指示しているのですが、お客さまへのご説明など、みんな積極的にフォローしてくれています」と、オーナーの西田さん。「今、ママを支えることで、自分がママになったときに周囲から支えてもらえる」とオーナーの言葉で伝え続けることで、他のスタッフのママへの理解を促進。イベントも子育ての大変さなど、ママへの理解が深まる場となっており、皆、進んでママをサポートしてくれている。

食事会やスタッフの誕生日会など、サロン主催のイベントは、すべて子ども連れの参加OK。写真はスタッフ旅行時のもの

食事会やスタッフの誕生日会など、サロン主催のイベントは、すべて子ども連れの参加OK。写真はスタッフ旅行時のもの

オーナーインタビュー

オーナーの西田真也さん
20代のOLから40代の主婦まで、幅広い年齢層のお客さまに愛されている「eterno」を経営。人気スタイリストとして、サロンワークもこなしている。「女性も経済的な自立は大切。取り組みを通して、将来も安心して働ける環境、腕を磨き続けられる環境を、スタッフに提供したいと考えています」

Q. 「女性活躍」に力を入れる理由は?

A. 女性にとって出産や子育ては、人生の一部。
長く活躍してもらうために、取り組むのは当然。

 「将来の安心がない職場」では仕事に集中できず、スペシャリストとして活躍してもらうことも、高い技術をお客さまに提供することもできません。そのような状況は、スタッフにとってもサロンにとっても不幸ですよね。うちはスタッフ全員が女性ですが、女性にとって出産や子育ては人生の一部。不安なく活躍し続けてもらうために、出産などに関する取り組みを進めることは当然のことだと考えています。
 それに、美容師のなり手が減っている中、妊娠・出産を機に退職するママをなくしたいという想いもあります。「個人の家庭環境」と保育園など「国の環境」、そして「サロンの環境」のバランスが整っていないと、ママが仕事と子育てを両立させることは困難。これからの美容業界のためにも、サロンがママへの理解を高めること、ママに関する取り組みを行うことは大切だと思います。

Q. 取り組みを進めて良かった点は?

A. ママスタッフの存在は、若手が将来を描く際の良きお手本に。
より良い職場づくりにも貢献してくれています。

 1年に一度、全員に3年後・5年後の「人生プラン」を書いて提出してもらっているのですが、キャリアのあるママスタッフがいることで、若手もどう働きたいか明確に描けるようになってきているように思います。スタッフが描く将来をより具体的に把握できることで、サロンが取り組むべき課題が見え、サロンの成長プランに落とし込むこともできる。ママスタッフは、サロンの技術力やお客さまの満足度を高めるだけでなく、将来への安心が得られる職場づくりにも大きく貢献してくれています。

Q. 今後取り組みたいことは?

A. 少人数サロンの強みを生かしながら、
「将来の安心」を形にしていきたい。

 スタッフの有給休暇の日数を少しずつ増やしてきましたが、さらに増やせるよう努力したいですね。また、退職金制度の導入も検討しています。少人数のサロンに特別なことはできませんが、少人数だからこそ、密に話し合いを重ねることができるし、その都度、臨機応変に対応することもできる。これからもスタッフの要望を丁寧にくみ取りながら、女性活躍など、「将来の安心」につながる取り組みを積極的に進めていきたいと考えています。

Salon Data

eterno【エテルノ】

アクセス
地下鉄名城線黒川駅4番出口から徒歩7分
創業年
2005年
店舗数
1店舗
設備
5席
スタッフ数
6名(うちスタイリスト5名、アシスタント1名)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000036250/
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