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先輩女性インタビュー
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.57
仙台市郊外の高級住宅街に建つ、ラグジュアリーなトータルビューティーサロン「dowku(ドゥーク)」。2階の個室でエステティシャンを務める佐藤裕子さんは、27歳にして美容師から転身した経歴の持ち主です。前の店で店長を務めながらママとなり、仕事を続けることに悩んだ時期もありましたが「すべてに100%を求めない」と決めてから肩の力が抜けたそう。そんな佐藤さんの、これまでの歩みを取材しました。
Staff Data
佐藤裕子さん 34歳
エステティシャン、まつげエクステスタッフ。
dowku勤務(仙台市泉区)。
エステティシャン歴11年。既婚。2歳の女の子のママ。
現在9:00〜18:00、土曜日は9:00〜17:00の時短勤務。サロン定休日の月曜日と火曜日、隔週日曜日が休み。
★…ターニングポイント
横浜美容専門学校を卒業し、東京・調布のトータルビューティーサロンに美容師として就職。仕事をしながら、エステティシャンになるための勉強も始めた。
エステティシャンとしてキャリアをスタート。サロンでスタイリストをしながら、フェイシャルケアなどの施術も行うようになる。
実家の事情で東京のサロンを退職。仙台に戻り地元のサロンに再就職。
スタイリストとエステティシャンを掛け持ちしていたが、「エステティシャン1本に絞ろう」と転向を決心。ネイルサロンとエステティックサロンを展開する、東北大手の会社に転職する。
スタッフ4名のエステティックサロンで、店長に昇格。
結婚。約1年後に妊娠が分かり、エステティシャンとしては会社で初めての例となる産休を取った。
★女の子を出産。店長という立場もあり、2カ月の育休で子どもを保育園に預けて職場復帰。
10:00〜18:00の時短勤務となるが、子どもの病気による予約キャンセルがたび重なり、「このまま仕事を続けていいのか」と大いに悩む。それでもマネージャーの助言やスタッフのサポートで、最初の1年を乗り切ることができた。
お客さまから「dowku」を紹介され、ママとして働くのに最適な環境だったので、店を移ることを即決した。現在は時短勤務の正社員としてエステティシャン、まつげエクステスタッフとして活躍。
学校を出て、サロンデビューしたばかりの頃。働きながら、まつげエクステやフェイシャルケアなどの技術も身に付けた。
「生まれてみると子どもは想像以上にかわいかった」と佐藤さん。一緒にいると、仕事の疲れも忘れてしまうそう
まつげエクステの施術中。「磨いた技術を発揮することで、お客さまに喜んでもらえるのがうれしい」(佐藤さん)
現在の職場であるdowkuでは「イベントにも子連れで気兼ねなく参加できるのがいいですね」(佐藤さん)
「一人ひとりのお客さまとじっくりおつきあいできるのも、エステティックの魅力」と佐藤さん
A. 細かな手仕事が好き。学びたい気持ちを強く感じていたので方向転換できました。
最初に美容師として就職したのがトータルビューティーサロンだったことから、仕事の幅を広げるためにエステティックの技術を学び、資格を取りました。そこで実際に現場に入ってみて、自分に合っていることが分かったんです。まつげエクステは細かい作業ですが、お客さまに合わせてデザイン性を発揮することができて楽しい。フェイシャルやボディのケアも自分が受けることが大好きなので、お客さまにより癒しを感じてもらえるよう工夫しました。徐々にヘアよりも「エステティックで技術を磨きたい」という意欲が強くなっていたんだと思います。26歳までスタイリストの仕事も続けていたので、転向するときは少し悩みましたが、「人の髪を触るのはプライベートだけにしよう」と割り切りました。
A. 子どもの病気で「やめようか」と悩みましたが、スタッフの本音を聞けたことで乗り越えられました。
店長をしていた前のサロンで産休・育休を取り、復帰してからの1年間です。生後3カ月から子どもを預け、17:00までの時短勤務でしたが、子どもの病気のたびに欠勤・早退。予約があっても、保育園から呼び出しがあれば帰宅しないといけません。そのうち、ほかのスタッフが不満を抱いていることも耳に入り「お客さまやスタッフに迷惑をかけ、子どもに辛い思いをさせてまで、仕事を続けていいのかな」と、ひとり葛藤する日々でした。
思いあまってマネージャーに相談すると「みんなの声を直接聞いてみたら?」とアドバイスされ、緊急ミーティングを開いてスタッフの本音を聞きました。すると不満の大部分は、私の代理でお客さまへ予約変更の連絡をさせられることだったんです。お客さまから叱責を受けることもあるので、それも当然ですよね。逆に、欠勤や早退は「育児中だから」と理解してもらえました。スタッフの不満は、私が気に病んでいたこととは違ったんです。
それからはサロン内の連携もスムーズになり、欠勤や早退の罪悪感も少し軽くなりました。私は仕事に関して「自分で全部やらなくては」と思う方でした。でも力みすぎると、かえってまわりが見えなくなるもの。仲間と話し合い、信頼して、ゆだねるところはゆだねるべきだと学びました。
サロンのスタッフと美容イベント「ビューティワールド」を視察。「dowku」では勉強の機会も多く、刺激になっている。
A. 肩の力が抜けて、月100名以上のお客さまで順調。子どもの愛しさもひとしおです。
最初はどちらも思い通りにならないことが多く、理想と現実のギャップを痛感しましたが、次第に「妥協することも大事」と考えられるようになりました。子どもとの関係については良かった面もあります。24時間365日ずっと一緒だと、きっとイライラしたり優しくなれないときもあるはず。でも今は、日中離れているからこそ愛おしく、一緒の時間を大切にするようになりました。子どもも保育園で友達ができて、成長しているのが分かってうれしいです。
昨年秋に移ってきた「dowku」は、週休2日+アルファでお休みが多く、常に子育てをサポートしてくれる働きやすい環境。前のサロンから継続するお客さまに加えて、地域で配ったチラシへの反響も良く、毎日5〜6人・月100人以上のお客さまにおいでいただいています。意欲と体力が続く限り、エステティックの仕事は続けていきたいですね。
美容の仕事をしていると、キャリアについて悩む時期は誰にでもあります。壁にぶつかったときに少しでも「続けたい」気持ちがあるなら、簡単に諦めるのはもったいない。ほかのスタッフやオーナーさんに働きかけて、互いに少しでも働きやすいよう、環境づくりをしてみてはどうでしょうか。美容の世界は進歩が速いので、上手だった人でも一度ブランクを経験すると「本当に戻れるかな?」と不安になってしまうそう。ですから育児で大変なときは、パートでもアルバイトでもいいので仕事と関わり続ける方が、後々のキャリアの充実に繋がると私は思います。がんばってください!
Salon Data
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