女性が活躍するサロン100

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを、100サロン紹介していきます。

vol.64スタッフの大半が主婦パート!
人手不足を解消する「ワークシェア」とは?

PRECIOUS HAIR 春日井店

愛知県春日井市

愛知県内に3店舗を展開する「PRECIOUS HAIR」。カウンセリング専門の「ビューティ・コーディネーター」を置き、ヘア、ネイル、アイラッシュまでトータルで提供しています。もうひとつの特徴は、多くの主婦が活躍するサロンであること。特に春日井店はスタッフ40名のうち約半数が主婦であり、そのほとんどがママスタッフなのです。一店舗でこれだけ多くのママが、「したい仕事」と「理想の子育て」を実現できている理由は何でしょうか?取締役の平川瑞夕希さんにお話をうかがいました。

1取り組み

サロン内キッズルームには託児スタッフが常駐。
ママスタッフが安心して働ける環境を作る。

どんな取り組み?

「PRECIOUS HAIR」では、創業から3店舗すべてにキッズルームを完備。春日井店では毎日10:00〜17:00まで専門の託児スタッフが2名常駐し、ママスタッフが仕事をしている間に子どもを預かっている。子どもたちの年齢は乳児から小学校低学年まで幅広く、季節や時期によってもさまざま。多い日は10名以上預かることも。

きっかけとメリットは?

オーナーが働いていたサロンに当時はまだ珍しかったキッズルームがあり、「それに影響を受けて造りました」と平川さん。スタッフの子どもを預かることができれば「出産しても退職せずに働き続けてくれるだろう」と考えてのことだった。
ここでは保育園に入園するまでの0歳児や、日曜日の幼稚園・保育園児、夏休み中の小学生など、年齢や状況に応じて子どもを預けることができる。ママスタッフがそれぞれのスタイルで安心して働けるのが最大のメリットだ。外部の講習会へ参加するときも利用できるので、スキルアップにも挑戦しやすい。キッズルームの評判は口コミで広がり、7年前に春日井店がオープンすると、パートのママスタッフが一気に増加。人材難にもかかわらず、たくさんの意欲的な技術者が戦力になってくれたという。
全社で子どもの数は約100人。安心して出産できる環境のため、二人目や三人目を産むスタッフも多い。今年は特にベビーブームで、全社で12人もの赤ちゃんが誕生する予定だ。

2取り組み

パートを中心とした組織編成で仕事をシェアし
出勤日や時間をママの希望に合わせて柔軟に対応。

どんな取り組み?

雇用体系は正社員(週休2日)に加えて、時短社員とパートがあり、すべてシフト制。9割がママであるパートスタッフに対しては、それぞれの家庭事情に合わせて出勤日や勤務時間を決めている。キッズルームの稼働時間に合わせて10:00〜17:00で働く人もいれば、小さな子どもの負担にならないよう15:00に上がる人まで、子育ての事情やライフスタイルによってさまざまだ。一方で、パートスタッフのワークシェアのため、繁忙期以外は若干出勤日を抑えてもらうこともある。

背景とメリットは?

「PRECIOUS HAIR」では全スタッフ90名中、半数を超える50名近くがパートの主婦スタッフ。そのほとんどが子育て中のママで、夫の扶養控除範囲で働くため週に3〜4日の勤務を希望する人が多い。また、子どもを家族が見るのか、保育園に預けるのか、幼稚園に通わせたいのかなど、理想の育児スタイルもそれぞれ違う。
大人数のパートで短時間ずつ仕事をシェアする組織編成なら、それぞれの希望に柔軟に対応するシフトも組みやすい。ゆえに、時間的な制約があるママスタッフも、ライフスタイルに合わせた働き方が可能だ。子どもの病気などによる急なお休みがあっても勤務時間が短い人が多いため、代わりのスタッフでフォローがしやすい。

「普段からママの家庭環境を優先して対応しているので、仕事がなくなったら自主的にパッと退勤してくれるパートさんもいたりします。信頼関係ができていると感じますね」(平川さん)

「普段からママの家庭環境を優先して対応しているので、仕事がなくなったら自主的にパッと退勤してくれるパートさんもいたりします。信頼関係ができていると感じますね」(平川さん)

3取り組み

ママスタッフのために昼間に勉強会を実施。
会社イベントへの子連れ参加も積極的にサポート。

どんな取り組み?

夜の練習会に参加できないママスタッフのために、昼間の営業時間を使って月に3回、勉強会を開催。また、外部で開催される美容に関する講習会も正社員と同じように受講させている。その際は、国が行っている助成制度を利用して、ママに金銭的な負担をかけないようにしている。
また、4月の指針発表会や忘年会などの会社イベントには、主婦もできるだけ参加できるよう子連れOKに。必要に応じて、託児スタッフに来てもらうこともある。

狙いは?

ママスタッフが半分以上を占めるサロンでは、彼女たちの動きひとつで生産性が変わってくるため、限られた時間の中でも技術レベルやモチベーションを上げていくことが大切だ。「主婦は若い正社員よりモチベーションの上下が少なく安定しています。自信が持てればとても頑張る人たちですから、負担なくスキルアップできるよう、できるだけ昼間に勉強会を組み込んでいます」(平川さん)。
またイベントへの子連れ参加を進めることは、組織の一体感を強め、若手の社員への刺激にもなるという。「短時間で100%の力を発揮し、子育てを思い切り楽しむママたちの姿を見て、自分の将来像を描いてほしいと願っています」(平川さん)。

「おかげさまで結婚前の若手の社員たちも、子どもの相手がとても上手に。ママやファミリー層のお客さまが多い当サロンでしっかり戦力になっています」(平川さん)

「おかげさまで結婚前の若手の社員たちも、子どもの相手がとても上手に。ママやファミリー層のお客さまが多い当サロンでしっかり戦力になっています」(平川さん)

取締役インタビュー

ビューティ・コーディネーターのリーダーとしてスタッフを束ねながら、シフト調整やスタッフの管理、さらに外部講師を務めるなど多忙な日々を送る平川さん。オーナーの妻として、3人の子どものママとしても奮闘中です。

Q. ここまでママを応援する理由は何ですか?

A. ママがひとりの女性として描く夢を、全部実現させてほしいからです。

正直、最初はキッズルームという形から入っただけでした。当時私は子どもがいなかったので、ママスタッフの辛さが理解できず、きつくあたることもあったんです。でもその後、自分が出産して初めて子育てしながら働くことの大変さを知りました。さらに他のスタッフも出産していく中で「働くママを応援するためにサロンの環境を整えよう」という気持ちが徐々に強くなっていきました。ここには、出産のために一度退職した子や、前のお店で辛い思いをした子が再就職してくるケースも多い。ですから、何かしら力になりたいと思うのです。
主婦だから・ママだからといって、女性としての夢を我慢する必要は全くないと思います。「仕事」「家庭」「子ども」「キャリアアップ」まで、取りたいものは全部取っていい。「取れる方法を考えよう!」というのがこのサロンのスタンスです。

Q. 今後、このサロンで取り組んでいきたいことは何ですか?

A. ブライダル部門の立ち上げ、売り上げUPで福利厚生の充実を。

当初はキッズルームの運営費などで苦労しましたが、徐々に軌道に乗り、「主婦が輝けるサロン」をつくることができました。次は生産性を上げて「主婦が利益を上げられるサロン」を目指さなくてはなりません。ちょうどブライダル事業を立ち上げ、ブライダルスタイリストを養成し、サロンワーク以外でも利益を出そうとしています。ほかの全部署でも、スキルアップと売り上げ向上が課題です。
将来的には、仮にシングルになってもここの収入で生活していけるような条件を用意したい。パートスタッフが週5日働けるようになれば時短社員に昇格し、社会保険や年金にも加入できるような制度を整えられればいいと思っています。女性がもっと手厚い条件で多様な働き方を選べるサロンが夢ですね。

Salon Data

PRECIOUS HAIR 春日井店【プレシャスヘア 春日井店】

アクセス
JR春日井駅から車で10分
創業年
2004年
店舗数
3店舗
設備
セット面14席、ネイル4席、スパサロン、エステサロンほか ※PRECIOUS HAIR 春日井店
スタッフ数
40名(スタイリスト10 名、アシスタント13 名、ネイリスト5名、ビューティ・コーディネーター5名ほか)※PRECIOUS HAIR 春日井店
URL
https://work.salonboard.com/slnH000298237/?vos=nbsbkdisot171020001

全ての記事の一覧へ