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女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.67グループ5店舗中、「ママだけ店舗」が生産性トップ!
働きやすさと生産性を叶える仕組みとは。

ex-fa hair origin

滋賀県草津市

滋賀県内に5店舗を展開する「ex-fa」は、トータルビューティーを提供するサロン。2014年にはママさん美容師サロン「ex-fa hair origin」がオープンし、全店トップの人時生産性を記録中です。グループ合計45人のスタッフのうち、6割が女性で、ママは8人。この数年で女性スタッフが増え、男女比は逆転したといいます。「スタッフの幸せをつくることが会社の使命」と語る代表取締役の福井さんに、女性スタッフたちを輝かせる会社の取り組みについて伺いました。

1取り組み

正社員の待遇を維持しながら、
勤務日や時間を自由に決められる準社員制度。

どんな取り組み?

3年前、就業規則や賃金規定を整備した際に、準社員の制度を導入。技術・店販などの各種手当と、指名売上や店舗の生産性による歩合給、社会保険など、正社員の待遇を維持したまま、勤務時間や休日を自由に決めることができるようにした。ただし公休は正社員より少ない設定で、それ以外の休みや早上がりは、基本給から引かれるシステムだ。アシスタントの場合は指名の歩合給や技術手当などがつかないので、パートで働く方が収入は多くなる。そのため、準社員制度の適用は、スタイリスト以上の役職に限られている。

背景とメリットは?

ママスタッフは当時4人いたが、それぞれ子どもの年齢も異なり、仕事へのスタンスもさまざま。「私はこう働きたい、というのがみんなバラバラでまとまらないんです。だったら自由度を上げた方がよいかな、と。『時間も休みも自分の希望で決めてください、その代わり休んだ分は引かれます』というのが、シンプルでわかりやすいと思ったんです」と福井さん。その後、結婚をきっかけに準社員になるスタッフなども現れ、現在7人がこの制度を利用している。シングルマザーのスタッフも増えてきているので、今後はシングルマザー向けに扶養家族手当と住宅手当を取り入れる予定だ。

「パートから準社員になって、社会保険に入れたことが嬉しかったです」と、ママスタイリストの山野さん

「パートから準社員になって、社会保険に入れたことが嬉しかったです」と、ママスタイリストの山野さん

2取り組み

子育て中のスタイリストを集めた
ママさん美容師サロンをオープン。

どんな取り組み?

サロン発祥の店舗を2014年にリニューアルし、ママさん美容師だけのサロンとしてオープンさせた。営業時間は9:00~17:00で、他店よりも1~2時間短め。保育園や学童クラブに預けた子どものお迎えにも、十分間に合う退社時間だ。スタッフは、子育て中のパパ店長と3人のママスタイリストの他、第2子の産休に入ったママスタイリストも1人在籍している。

背景とメリットは?

勢いのある若い世代のスタッフと、家庭を大事にしたいママスタッフとのギャップを懸念して考案。「バリバリ働く仲間たちの中では、ママさんが早上がりや休みの相談をしづらいのではないかと思って。それならば、ママさん美容師を集めたサロンをつくってみるのはどうだろうと。同じ境遇の仲間と働く方が、共感もできるし、気兼ねすることも減りますよね」と福井さん。実際に店舗ではスタッフ同士が協力し合って、子育てしながらも働きやすい環境を生みだしている。
その上、人時生産性はグループで一番を記録中。「ベテラン美容師が揃っているので、年間6~7回来店されるVIPのお客さまが多く、固定再来率は90%ほどです。他店より営業時間が短く、アシスタントをおかない分スタッフ数も少ない。そういったことがこの結果につながっているのだと思います」(福井さん)。

子どものための休みや早上がりを、みんなでカバーし合うのは当然のこと。育児の苦労を共感し合えるママスタッフ同士、よい協力態勢が築かれている

子どものための休みや早上がりを、みんなでカバーし合うのは当然のこと。育児の苦労を共感し合えるママスタッフ同士、よい協力態勢が築かれている

3取り組み

やりたいことを応援するキャリアサポート制度で
スタッフが長く働ける環境をつくる。

どんな取り組み?

福井さんや店長による毎月の面談で、スタッフ一人ひとりのやりたいことをヒアリング。スタイリストとして入社していても、本人が別の道を希望するなら、会社がその道を切り開く手助けをする。例えば、アシスタントの次のステップを、スタイリストとまつげエクステスタッフ、ネイリストから選べたり、スタイリストをしながらまつげエクステの勉強ができたり。技術習得のための講習費や教材費も、会社が補助をする。

背景とメリットは?

「ex-fa」では、「みんなが自己実現できる環境づくり」をビジョンの1つとして掲げている。その具体的な取り組みが、このキャリアサポート制度だ。スタッフが習得した新たな技術を店舗のメニューに加え、お客さまに喜んでいただければ、スタッフ本人はもちろんのこと、会社もお客さまもハッピーになる。この取り組みを始めてから、「やりたいことができない」という理由で退職する社員はひとりもいなくなった。
最近では、レセプション担当のママスタッフたちに、サプリメントアドバイザーの資格取得を促している。講師をサロンへ招き、スタッフに時給を支給しながら講習を受けてもらうという厚待遇だ。「ビューティーアドバイザーという肩書きで、お客さまへ知識をお伝えできるようになれば、レセプション業務だけの時よりモチベーションが上がるはず。商品が売れれば店販手当もつくので、スタッフたちの収入も増えます」と福井さん。この先も美容の分野であれば職種を限定せず、スタッフの希望に対して臨機応変に対応する姿勢だ。

スタッフの山野さんは、自己流だった着付けを会社のサポートにより本格的に学べることに。「SPC JAPAN全日本理美容選手権全国大会」の振袖ヘア&メイク&着付部門で全国3位に入賞した

スタッフの山野さんは、自己流だった着付けを会社のサポートにより本格的に学べることに。「SPC JAPAN全日本理美容選手権全国大会」の振袖ヘア&メイク&着付部門で全国3位に入賞した

代表取締役インタビュー

代表取締役の福井健記さん。京都理容美容専修学校卒業後、京都府と滋賀県のサロン勤務を経て、2004年に母の経営する美容室に参画。2014年より現職。営業時間の短縮や昼休みの確保など、従業員満足度を高める経営を実践している

Q. スタッフの希望職種を取り入れ、講習費も補助する。至れり尽くせりのキャリアサポート制度ですが、ここまでされる理由は?

A. 仲間の成長を応援したい。それが会社の成長につながると信じています。

会社の使命は、「仲間の幸せとお客さまの幸せをつくること」だと考えています。スタッフみんなに自己実現してほしい。男女関係なく、頑張っているスタッフであれば、応援して行きたいのです。もちろん何でもよいというわけではなく、美容と健康に関することで、お客さまに喜んでもらえることに限られますが。スタッフが新しい技術を習得して、それをサロンワークに生かせれば、会社の業態も広がります。つまり、スタッフの成長は会社の成長につながるのです。

Q. 今後、女性活躍のために取り組みたいことは?

A. 介護のための休暇をフォローする制度をつくりたいです。

ベテランのママ美容師さんたちはそろそろ育児も落ち着いて、今度は親の介護をする世代になってきています。そうなると病院の付添いや家事の手伝いなど、休みを取らなければいけないことも多くなるはずです。会社として、そこをフォローしてあげられる取り組みを考えていきたい。介護支援取組助成金など国からの助成を生かして、介護休暇に関しては、補助が出るような制度をつくれればと。みんなにできるだけ長く勤めてもらいたいと思っているので、辞めずに続けられる環境をこれからさらに整えていきたいです。

Salon Data

ex-fa hair origin【エクファ ヘア オリジン】

アクセス
JR南草津駅から車で5分
創業年
1997年
店舗数
5店舗
設備
5席 ※ex-fa hair origin
スタッフ数
4名 ※ex-fa hair origin
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000120567/
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