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美容業界に関する情報・調査を集めた「Beauty総研」サイトに過去掲載されていたインタビュー記事をご紹介いたします。

2013.01.18

Facebookで数多くのファンを獲得し、ソーシャルメディア活用の先進例として注目を集めるファッションブランド「satisfaction guaranteed」を率いる佐藤俊介氏。 ヘアサロンからネイル、エステティック、ヘッドセラピーなどのほか、コスメ事業やカフェ事業までを手掛けるトータルビューティー・ブランド「uka」のバイスプレジデントである渡邉弘幸氏。
ブランドビジネスに精通したおふたりに、ブランドビジネスの可能性についてディスカッションしていただきました。

PROFILE

佐藤 俊介 × 渡邉 弘幸

佐藤 俊介(さとう しゅんすけ)
2001年日本大学理工学部建築学科卒業後、バリュークリックジャパン株式会社などを経て、2006年株式会社エスワンオー設立、代表取締役CEO就任。2007年にインターネットを活かしたアパレル事業を開始し、メイド・イン・ジャパンにこだわった「satisfaction guaranteed」をローンチ。2010年シンガポールにSATISFACTION GUARANTEED PTE LTDを設立し、Founder&CEO就任。2011年株式会社サティスファクションギャランティードジャパン設立、 代表取締役社長CEO及び、株式会社エスワンオーインタラクティブ代表取締役会長就任。「satisfaction guaranteed」は、現在世界20カ国以上、300万人以上のファンをFacebookで獲得し、ファッションブランドでは国内第1位、世界ランキングでも26位を獲得。ソーシャルメディア活用の先進例としてテレビや雑誌など数多くのメディアに取り上げられ、全国で講演も多数行っている。2012年4月にはシンガポールで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力)にて単独スピーチも務めた。

渡邉 弘幸氏(わたなべ ひろゆき)
明治大学政治学部政治学科卒。1988年株式会社博報堂に入社。営業局に配属。担当したコミュニケーションはJR東海新幹線、コスモ石油、ネスレ日本、キットカット、本田技研工業二輪車(グローバル)、本田技研工業ワールドワイドブランドイメージサーベイ、日本興業銀行・富士銀行・第一勧業銀行の統合(現みずほ銀行)、三菱電気冷蔵庫、三菱電機エアコン、三菱地所丸の内ブランディング、三菱地所丸ビル開業、三菱地所新丸ビル開業、三菱地所企業広告、三菱地所ホームなど。2006年同社営業部長に就任。2009年株式会社博報堂を円満退社後、同年株式会社向原に取締役副社長として入社。EXCeL(エクセル)からuka(ウカ)へブランドスイッチし、ukademy、R&D、ukaネイルオイル、ukafeを立ち上げる。株式会社向原商事代表取締役社長を兼任。

|第3章|「ITに強い日本」へのリブランディングで、美容業界も伸びる?

「ITに強い日本」へのリブランディングで、美容業界も伸びる?

野嶋:シンガポールにいらっしゃる佐藤さんからすると、日本の美容というのはどんなふうに見えるでしょうか。

佐藤:外国人からすると、日本のヘアサロンというだけでいいみたいですね。20〜30年前に、日本人がアメリカのハーレーダビッドソンがかっこいいと思ったり、イタリア製のスーツっていいなと思ったりしたのと同じ感覚ですね。実際にアメリカやイタリアに行ったことがなくても、イメージでそう思うんです。シンガポールは少し特殊ですが、インドネシアやフィリピン、マレーシア、インド、タイといったアジアの人たちは、日本に行ったことのある人はほとんどいない。それでも、日本には優れた技術のイメージが浸透しています。だから僕は、Made in Japanを掲げて、日本のイメージをうまく使っているわけです。

 僕らは日本のイメージを「ITに強い日本」にリブランディングしていきたいと思っています。先ほど渡邉さんから美容室の軒数の多さや若手美容師の減少のお話がありましたが、そういう美容業界にしても、ファストファッションが台頭しているファッション業界にしても、これからどうやって伸ばしていくか、非常に難しい部分がありますよね。それにはやはり、伸びている産業を利用するのが一つの手だと思います。そういう意味で、ITは必ず伸びる市場なので、ITに強い日本のイメージができれば、それに乗ることができる。現にゲームは、ITに乗って伸びていますし。

野嶋:束ねてオールジャパンで勝負するというところですね。渡邉さんはいかがですか?

渡邉:日本にいると、日本の技術や日本のエンターテインメントは、アジアの中で燦々としているものだと思う人が多いと思いますが、実際にはもうそうではないんですよね。1部でも佐藤さんが少し韓国の話をされていましたが、韓国のスピード感と勢いはものすごいですよね。ロッテの免税店では、メーンキャラクターと有名タレントが総出の派手なプロモーションビデオを作って流していて、そこで日本人や中国人がバンバン外貨を落としていたり、北京で行われた文化イベントでも、日本のアーティストよりも、韓国のアーティストのほうが圧倒的な人気だったり。韓国に住んでいる人とは「早く何か出ていかないとマズイのでは」という話をよくします。

 ただ、その出方が問題ですよね。佐藤さんのような勇気ある人と組むのも一つの手だろうし、こうしたセミナーの機会を作ってくれているリクルートさんと美容業界の有志と、大手広告代理店と組んで何かを仕掛けるというのもいいかもしれない。そういうことを視野に入れて動いていかないと、美容業界もどんどん地盤沈下してしまうんじゃないかと思っています。

佐藤:海外に住んで、いろいろな国にもいくと、日本人が一番、日本を活用できていないなと感じます。例えば、韓国のサムスンなんかは、非常に日本をうまく使っていると思います。先ほども少し話したSNSのLINEは、HNH Japanという会社が運営していますが、もともとは、インターネット業界で絶大なシェアと資本力を持つ韓国企業の100%子会社だったんですよね。つまり、LINEは韓国のサービスなのですが、アプリケーションにはHNH Japan Corporationと出ているので、世界の人たちは日本のサービスだと思っているんです。そこをうまく利用して、アジアのファンも増やしているわけです。本当は日本人こそ日本のイメージを活用しないといけないのに、うまくできていないという印象がすごくありますね。

野嶋:1部ではK-POPは黒字化していなくても、ほかで埋め合わせているというお話がありましたが、そのあたりをもう少しうかがえますか?

佐藤:K-POPは面白いくらいに日本で収益を上げていますよね。東南アジアではチケットも安いし、利益はぜんぜん上がらない。それでも韓国は総戦力、総収支なんですよね。例えば、サムスンはソーシャルメディアがなかった昔から、東南アジアの空港に看板広告を出していました。まったくプラスにはならない告知でも、ずっと投資をしてきているんですね。一方、海外で日本企業は、投資が少ないし、遅いと言われています。

 少し脱線しますが、日本企業では海外の駐在員が2〜3年で変わりますよね。それではやはり、視察の域を超えないような気がします。僕はアジア進出を考えた時に、それでは絶対に成功しない、CEO自らが現地を知ることが重要だと思って、移住を決意しました。実際のところは、今からサムスンに打ち勝とうというのは、99%無理でしょう。でも、残りの1%でも、それくらいの覚悟がなければと思ったんですね。メディアではよく「不退転の決意」と言っていただきますが、アジアに出て行くなら、こういうことも大事だと思います。

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