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「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

Antico(京都府京都市)

西海岸テイストの癒し系バーバー。
若者男子を強く惹きつける理由とは?

スタイリストがスーツで身を固めていたり、アンティークの重厚な家具が置かれていたり。そんな男心をくすぐるバーバーが注目を集める一方、ボーダーレスなバーバーも生まれています。京都の「Antico」はスタッフの服装がカジュアルで、アトリエといわれても納得できそうなインテリア。その狙いについて代表の吉田武俊さんに話を伺うと、「若者」というキーワードが浮かび上がってきました。

バーバーらしさを敢えて意識せず、自由な発想で店舗デザイン。

イメージはアメリカ西海岸のアトリエ。

店の外観が印象的だ。白木で縁取られたガラス窓と、鮮やかなターコイズブルーのドア。木は年を経て風化したように、エイジング加工が施されている。ガラス窓から中を覗くと、目に入るのが3台の椅子。レトロなミッドセンチュリー風で、形も色も異なっている。代表の吉田武俊さんが「アメリカ西海岸のアトリエをイメージした」という空間デザインは、ボーダーレスな雰囲気。もし初めて店の前を通りかかり、レトロな椅子で誰かがカットされている様子を目にすれば、ほとんどの人が「おしゃれな美容室?」と思うだろう。でも、お客さまは男性限定。よく見れば店頭で小さなサインポールが回る、メンズオンリーのバーバーなのだ。

「バーバーはこうあらねば」という視点から自由に。

古き良き日本の理容室風でもなく、欧米のクラシカルなバーバー風でもない。強いていえば、美容室にありそうな独創的なデザイン。そんな店になったのは、吉田さんの経歴にも関係する。理容師を目指したのは、20代後半になってから。それは「ハサミ1本で生活できるような技術を身につけたい」という純粋な動機ゆえ。だから「自分にはバーバーはこうあらねば、という固定観念がないんです。おしゃれに目覚めたら美容室に行くのが普通という世代でもありますし」と吉田さんは笑う。

  • 二条城北側の大通りに面した立地。通常は19時まで、金曜日は21時まで営業する

  • ドアや壁の木はエイジング加工を施し、落ち着いた印象に。手をかけたナチュラルな風合いがバーバーらしからぬ印象に

  • レトロでモダンなバーバーチェア。インテリアショップにありそうだが、背もたれが倒れる理美容専用の椅子だ

学生客を狙った戦略が成功し、好循環が生まれた。

大学が集まる京都ならではの出店戦略。

自由な発想でデザインした店とはいえ、もちろん計算した部分もある。吉田さんは大阪出身。修業時代を京都で過ごしたものの、そのまま同じ町で独立したのには訳があるという。「京都には大学が集まっていて学生が多い。そこに魅力を感じたんです」。夜や週末はそれなりの集客を見込めるが、問題は平日の昼間をどうするか。そこで、インテリアは自分たちの好みを反映させつつ、若い人が店に入りたくなるような明るくカジュアルな雰囲気を意識した。その狙いが当たり、日中は学生が中心、夜は社会人で席が埋まる流れができたという。「特に様子見のお客さまが多かったオープン当初、若い人がカットしているのを見て、社会人が店に入ってきてくれた。そんな好循環もありました」と吉田さん。

お客さまの細やかなニーズを捉え、メンズオンリーに。

若者の感覚にマッチした、明るくセンスある空間。女性客も見込めそうなのに、なぜ敢えてメンズオンリーなのか。吉田さんはいう。「若い男性は美容室に行くこと自体に抵抗はありません。ただ、おしゃれになりたいと思っても、相手が女性だったり周りに女性がいたりすると、本音を言えないことも多い。美容室感覚で入れる男性専門サロン。そんな店があればいいな、と思ったんです」。スタッフの制服はなく、個々のセンスにまかせたカジュアルな装い。「その方がお客さまもリラックスできるから」と、あくまでもお客さま目線で考える吉田さん。「先のことはわからない。時代とともに、柔軟に変化していきたいですね」。従来のバーバーという枠には収まらない、軽やかなスタンスで業界に新風を吹き込んでいる。

  • ロゴマークは蹄鉄。逆さまにしてあるのは、ヨーロッパで「幸せがこぼれない」という意味があるから

  • カラーよりパーマの利用者が多く、メンズフェイシャルだけのために来るお客さまも1割くらいいるそう

  • スタイリング時のアドバイスにも力を入れているため、店販を利用するお客さまは3割程度と率が高い

代表インタビュー

代表・吉田武俊さん。大阪府出身。大学卒業後、一般企業への就職を経て、大阪の理容専門学校へ。京都「VOICE BARBER」で5年間勤務し、実務を学ぶ。2014年7月に、専門学校時代の同期と「Antico」をオープン

Q.メニューにはどのような特徴がありますか?

A.眉カット単品のオプションを用意しています。

基本のカットはシャンプーとトリートメント、ブロー込み。シェービングはオプションになっています。そこに眉カットも含まれているのですが、シェービングとは別に眉カットだけ選ぶこともできるようにしました。今の若い人にとって、眉のお手入れは気になるところ。基本のカットに眉カットを付けるセットは好評です。

Q.接客で意識していることは?

A.雰囲気を読みながら対応するようにしています。

大切にしているのは、最初のカウンセリング。時間をかけて、丁寧に話を聞くよう心がけています。こちらからグイグイいくのではなく、話しやすい雰囲気を作るのがポイントでしょうか。ただ、髪の悩みや気になっている点はストレートにお聞きします。的確なアドバイスを続けることで信頼関係を作るのが理想ですね。今後は子どもから年配の方まで、もっと客層を広げたいと思っています。

Salon Data

Antico 【アンティコ】

アクセス
バス停千本丸太町から徒歩1分
創業年
2014年
店舗数
1店舗
設備
セット面3席
スタッフ数
3名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000257923/

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