学ぶ。つながる。発信する。美容の未来を創る場所。
vol.37
GO TODAY SHAiRE SALON
取締役副社長
美容室に勤める以外にも、独立して店舗を構える、サロンの一角を借り「面貸し」で働くなど、美容師の働き方にはいくつかある。なかでも最近、注目されているのがフリーランス美容師として「シェアサロン」で働くという選択肢。「GO TODAY SHAiRE SALON(ゴウトゥデイシェアサロン)」は2017年のオープン以来、右肩上がりの成長を続けているシェアサロンの急先鋒。今回は同サロン創業メンバー、オオイケモトキさんに、シェアサロン立ち上げに込めた想いをうかがいます。
第1章大学を中退して一転、美容師へ
フリーランスの美容師に場所を提供するシェアサロン「GO TODAY SHAiRE SALON」。美容師は24時間いつでも利用できる「月額契約」と、30分単位で場所を借りる「スポット契約」から選べる
世代的に美容師に勢いがある時代だったので興味はありましたが、自分がなるとは思っていませんでしたね。とはいえ他に目指していたものも特になく、とりあえず理系の大学に入学したという…ダメな学生で。周りは優秀な子も多くて、目標もなかった自分は1年で中退してしまいました。
当時付き合っていた彼女が美容専門学校に通っていて、話を聞いているうちに「おもしろそうだな」と。何かを創作したりモノを作るのが好きだったので、興味を持って。それで、彼女が通う学校に後輩として入学したんです。彼女には恥ずかしいって嫌がられましたけど(笑)。
表参道や自由が丘に店舗がある美容室に、9年間勤めました。2年半でデビューしたのは早い方でしたが、その後は全然ダメでしたね。ヒラのスタイリストで、売上も100万円いかないくらい。当時を振り返ると、アートとかヘアをデザインすることにばかり重点を置いていて、お客さまの気持ちに寄り添えていなかった。今でこそ、こんな風に気付きましたけど、当時は何がダメなのかもわかっていませんでした。
そう、「何とかしなくちゃ」って気持ちでした。そんな時に美容師であり、美容師向けのカルテ管理アプリ「LiME」を立ち上げた古木数馬さんの存在を知って。話してみたい、と思って会いに行ったんですね。それで自分のやりたいスタイルとかを話して助言をもらううちに、フリーランスが自分のスタンスに合っているのかなと思うように。初めてお会いしたのが2016年の8月で、その年の年末にそれまでいた美容室を退社しました。
スタッフを含めていいサロンでしたし、感謝している面もいっぱいありますよ。でも時間の使い方に対しては、もどかしさがありました。当時から僕はブログやメルマガで情報発信をしていたんですけど、PCを触っていると仕事とはみなされずに「さぼっている」って思われてしまう。「フロアに立っていること」だけが「仕事している」という考え方になじめなかった。
教育に関しても、朝から夜まで働いているのに、さらに時間外に練習をするでしょう。教わる側はもちろん、教える側も早く帰りたいだろうと思うと、なんか不毛というか合理的だと思えなくて。そういう面が自分には合わないなと。
「シェアサロンをやろう」とまでは思いついていませんでした。「フリーランスとして自分という商品をプロデュースしていこう」って気持ちですね。まずは元いたサロンの先輩が独立して構えていた店舗の一角を間借りして、お客さんを受けていました。他にもいわゆる「面貸しサロン」も体験してみたんですが、なんだか「自分が、自分が」という雰囲気で殺伐としていて…。そういう空気感ってお客さまにも伝わると思うんですよ。だから嫌だなと思って、先輩のサロンをお借りすることにしました。
先輩のサロンを間借りしていた当時のオオイケさん。自宅でも再現性が高く、女性らしいフォルムのショートヘアや、まとまりのいいくせ毛カットを得意としている
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「面貸し」「業務委託」と何が違う?
“シェアサロン”の新たな可能性。