ORIGAMI 大川 亮平/徹底したDXで驚異の生産性!離職減も叶える、仕組みとは?

生産性はエリア平均の約4倍!DXで店販売上も絶好調 軽_85D3119-A 2022年01月24日 80 ORIGAMI 代表取締役 大川 亮平 44 徹底したDXで驚異の生産性! 離職減も叶える、仕組みとは? 軽_85D3119-A さまざまな業界で、DXの重要性が叫ばれて久しい。「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、進化したデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念。美容業界において、その先端をいくサロンが徳島県にある。美容室を3店舗展開する「ORIGAMI(オリガミ)」だ。生産性157万円を可能にした、そのDXの手法とは? 大川 亮平さん/「株式会社オリガミ・キャリアデザイン」代表取締役社長。1977年、徳島県生まれ。人材営業会社を経て、美容・医療福祉、情報システムなどがある専門学校「穴吹カレッジグループ」に入社。2015年に「株式会社オリガミ・キャリアデザイン」を創業。現在は、美容室経営にとどまらず、人材紹介事業、映像制作など幅広く展開。 ・ORIGAMI(Instagram) @origami_mainichi 美容室×ブライダル事業 「売上を2~3倍にしようと思ったら、 このモデルを拡大していくしかない」 2022y01m15d_152322342 コロナ禍で環境が変化するなか、生産性をあげるために取り組んだ9項目(実際に取り組んだ数は、15項目にも及ぶ) 最初は、人材派遣業界の最大手で人材活用を提案する営業をしていました。当時、約300名いる社内で営業成績がトップになったこともあり、その実績をもって、26歳で専門学校の「穴吹カレッジグループ」に入りました。企業と学校をつなぐキャリアコンサルタントとして11年勤めた後、37歳のときに今の会社を起業しました。 現在、「株式会社オリガミ・キャリアデザイン」は人材・映像・DX・WEB事業。「株式会社オリガミ・トイロ」は美容室の運営で、そのなかにブライダル事業「ORIGAMI Bridal」(B to Bの法人契約。結婚式当日のヘアメイク、前撮り撮影)と、フォトウェディング事業「CANAEL」(B to Cの個人契約。CANAELの運営・オペレーション、フォトウェディングのヘアメイク)があります。 美容師である妻がブライダルをやりたいと希望したのと、通常のサロンワークだけで大きく収益を伸ばすのは難しいと思ったからです。うちは7~8割がママさん美容師で、完全週休2日制。生産性をあげるには、収益の柱を増やし美容室とブライダルの二刀流でやらないと無理だと思いました。 結婚式は土日が多いので、美容室の稼働を平日に寄せる必要があります。そこで、需要と供給のバランスを見ながら料金を変動させる「ダイナミックプライシング」を導入しました。ただし、平日の料金は下げたとしても、10分・1000円を割らないように。割ってしまうと、ただの安売りになってしまうので。カラー・トリートメントの時間にうまいこと一人カットに入るとか、メニューとの構成比を考えながら試行錯誤しました。現在は、平日・朝・時季・曜日・時間帯で分けた5つのプライシングがあります。 ブライダルは2パターンあります。まずひとつは、提携している徳島の人気結婚式場「パークウエストン」を通じてお客さまから発注いただき、うちで結婚式場の前撮りや当日のヘアメイクを担当する形。もうひとつのフォトウェディングは、自社で受注しプロデュースまでワンストップでサービスが叶います。 フォトウェディングというと、今までは写真館が受注する形でしたよね?このモデルは、逆。美容室が受注して、写真館や衣装屋さんに専門性の高い部分をサポートしていただく。美容室が受注先であれば、顧客の層も広がり集客力があがります。また美容師は、お客さまの好みもよくわかっているので、共感力高く対応できるのがポイントです。 店舗を増やさずに売上を2~3倍にしようと思ったら、このモデルを拡大していくしかありません。家族や親友以外で、お客さまに一番近い存在って「美容師」だと思うんです。なので、フォトウェディングは、美容師が「営業」の役割を担っている。 またフォトウェディングは、ヒアリングや問合せ対応を、アナログでやると大変です。そこもDX。サイトに問合せが入った場合は、自動返信でWEBアンケートを実施。それをもとに見積りや資料を送付し、オンラインでお互いの認識差を埋めていきます。来店時にはWEB上で、過去のヘアメイク作品や動画を活用しながら最終意思決定を支援します。これで成約率がグッとあがります。 動画制作会社と技術連携をし、2020年9月からは自社でも本格的に動画事業を始めました。スタッフの旦那さんが沖縄に転勤になったので、そこでも仕事ができるようにと、2021年8月には沖縄でも業務ができる体制を整えました。 動画には、大きな可能性を感じていたんです。口で説明するよりも、テキストベースよりも、動画だと短時間で何倍も伝わる。 たとえば、ブライダルフェアで他社が口頭で説明しているなか、僕らはiPadとイヤホンをお客さまに渡して、動画を観てもらう。観終わるとすぐ、契約してくださることが少なくありません。他社だと4~5人いるスタッフも、1~2人で済みます。 2022y01m17d_092337616 「TOIRO created by ORIGAMI」内にある、「ラウンジルーム」は多目的に使える共有スペース。ORIGAMIではさまざまな場所で多くの話し合いがされている。その他、ヘアデザイン、ブライダルアレンジ、着付け、プライベートルーム(個室)、ミーティングルーム、スタッフルーム(休憩室)など9つものスペースが!内装デザインの企画を大川さんが行うことで、コストを最小限に抑えている  C_85N0699-960×640 フォトウェディングでの仕事の一コマ。ブライダルは利益率が非常に高いだけでなく、ヘアメイクに興味のある美容学生・美容師にとって、大きな魅力となっている 生産性は、エリア平均の約4倍!? 生産性をあげるには? 「時短のママさん美容師が多いなか 生産性は一人あたり月157万円」 ミーティング4-min スタイリスト&業務上必要であるスタッフには、Macを支給。ミーティングにパソコンを持ち込むことも「当たり前化」しており、議事録もオンライン上で全員に即共有 店販を入れたら、もっといきますね。目標は、月平均一人あたりの月間労働生産性180万円。ちなみに、(2021年)11月、12月は200万円を超えていると思います。一説では、比較的大きいマーケットがある都市部では生産性60~70万円、徳島だと40~50万円が平均とも言われています。 美容業って、どうしても個人プレーになりがちですが、サロン全体で生産性をあげるには、チームプレーが大事。なので、給与は歩合制ではなく、固定です。歩合にすると、「あの高単価のお客さまにつくと得」という考えになってしまうので…。年2回の賞与に加えて特別賞与があり、みんなで利益を分配する「チーム達成型」です。 美容室の席ごとにある鏡を使った「スマートミラー」も、売上アップに大きく貢献していますね。美容室で扱っている店販商品やスタイル提案はもちろん、フォトウェディングなどの自社広告、美容と関連性のある他社のPR広告を流せます。 まず店販だと、商品説明レベルの統一が図れます。たとえば、スタッフが「私のオススメはこれです!」と話しているシャンプーの動画広告が流れて、実際にそのあとシャンプーをして良さを実感してもらうと、購入につながりやすくなる。また「忙しくて、お客さまに店販をすすめることができなかった」ということが、なくなりました。お客さまも、動画を観て商品が気になったらスタッフに声をかければいいので、お互いにとってストレスがない。 スマートミラーだけでなく、それによって「店販を確実に案内する」などオペレーションが確立できたこともありますが、スマートミラー導入前と比べて1.8倍、店販売上が伸びました。シャンプーも、予約だけで年末は1カ月1,000万円近く売れました。 スタッフは、パソコン業務が必須です。企画書、請求書などもパソコンで作成・出力できるように。手書きでの提出は認めていません。自発的にフォトショップ、イラストレーター、動画編集ソフトを仕事に活用しているスタッフも…。また、Apple Watchは基本的にスタイリスト全員に支給しています。撮影やブライダルなど店舗から離れて業務をしている時などに着用し、通知があれば腕でブルブル震えるので、サロンからの連絡事項や急な対応がきたとしても迅速に対応できる。業務の進捗、勤怠管理、店販育成シートなどは、スプレッドシート(オンライン上で作成・共同編集が可能)で随時共有しています。 一般企業であれば、これらは当たり前のこと。でも、やる環境がなければ、できるようにはなりませんよね。もしできないとしたら、それは企業側の責任です。 2022y01m21d_112758437 美容室にあるスマートミラー。鏡にクオリティの高い動画が流れ、見入ってしまうお客さまが多いのだとか dns-3-min スマートミラー上に動画が流れる店内。さらに個室の場合は、お客さま一人ひとりに合わせた動画を。たとえば高単価のお客さまには、それに合わせた店販商品。お子さまであればYouTubeを鏡に映すとカットがスムーズに進み、親御さんにも喜ばれているという あえて、「DX化しない」部分とは なぜ離職しないのか? 「人間教育は、DX化しない。 だから離職がほとんどない」 北佐古店_スタッフのみなさん-min 2016年6月にオープンした、1店舗目の美容室「ORIGAMI Hair&Beauty 北佐古」(前列・一番右が、大川さんの奥さまであり、美容部門の代表を務める大川 ひとみさん) うちは、スタッフの働きたい時間・曜日に来てもらうフレックス制。極論を言えば日曜・祝日も休んだっていい、今はみんな気を遣って出てきてくれますが…。偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが、「お客さまがサロンの営業日に合わせていただけるくらい、自分たちの力をつけよう」と話しています。 また、給与は歩合制ではなく、固定です。賞与があり、みんなで利益を分配する形。単純に、売上が高い人が、給料が高くなるわけではありません。歩合だと、「高単価のお客さまを担当すれば得する」など、優先順位をつけてしまうことも…。なので、チーム達成型にしています。 正社員でいうと、ここ5年は稼業継承と旦那さんの転勤があった2名を除いて、辞めていません。うちにはキャリアコンサルタントがいる人材チームがあり、定期的にスタッフと面談しています。スタッフ一人ひとりに合わせたキャリアデザインを描いてあげることで、モチベーションアップに繋がっていますね。過去に「自信がない」「向いていない」と悩みを持った子も若干名いましたが、「ORIGAMIにはいたい」という気持ちがあれば、「メインの担当業務を変えよう」「働き方を変えよう」と対策ができる。 また最近では、頼りになる先輩スタイリストも育ち、キャリアが浅い美容師に対して、積極的に面談しアドバイスをしてくれています。 離職って、「人間関係」がうまくいかなかったり、「将来が不安なとき」に起きるもの。現在スタッフは17名いますが、人間関係は良好だと思います。僕も、スタッフに厳しく接する時もありますが引きずらないし、仲はいいですね。 また、「DX化しない」部分も大切にしています。何か問題が起きたら、直接会ってしっかり話す。また社内の至るところにホワイトボードがあるので、図解しながら「ああでもない、こうでもない」と話し合うことも。ヘアアレンジなどの技術教育は動画化していますが、考え方・方針・我々が目指しているものといった「人間教育」はDX化しません。 「リーダー研修」でも、講師を複数名たてて、「大切にしたい事」「活躍できる人材」といったスタ