ミス・パリ 下村 朱美/老舗に甘んじることなく挑み続ける。根底にあるのは、“教育こそすべて”。

111店舗展開!日本初、メンズエステティックサロンも絶好調 下村朱美 2023年07月31日 96 ミス・パリ・グループ 代表 下村 朱美 66 老舗に甘んじることなく挑み続ける。 根底にあるのは、“教育こそすべて”。 下村朱美 2022年で、創業40周年を迎えたミス・パリ・グループ。「エステティック ミス・パリ」をはじめとしたエステティックサロンのほか、スパ・美容室などを国内外に111店舗展開(2023年7月6日時点)。日本初となるメンズ専門エステティックサロン「男のエステ ダンディハウス」の業績も右肩上がり。さらには、2023年に開学した「ビューティ&ウェルネス専門職大学」も話題。そこには、下村さんの「教育」という強い信念があった。 下村 朱美さん/1957年、鹿児島県生まれ。池坊短期大学家政学科卒業。1982年に大阪・難波にエステティックサロン「シェイプアップハウス」(現:エステティック ミス・パリ)を立ち上げる。現在は「ミス・パリ・グループ」代表のほか、美容総合商社・エステティックサロンの経営指導などを行う「株式会社ミス・パリ」代表取締役、「学校法人ミスパリ学園」の理事長などを務める。2022年にはビジネス誌『財界』が選ぶ、日本経済を牽引した有力財界人を表彰する「経営者賞」を受賞。 ・HP(ミス・パリ・グループ) https://www.miss-paris-group.co.jp/   エステティックサロンで感じた課題 「“坪”の意味もわからなかった。 でも、理論に基づくサービスを提供できるサロンをつくる!」 2023y07m14d_134920461 「エステティック ミス・パリ」は、現在38店舗展開(写真は「新宿本店」) もう本当に、あっという間ですね。最初はチラシ配りから、できることは何でもしました。よく働いた40年だったなぁ(笑)。常に感謝するのは、いまもそばにいて、一緒にがんばってくれる社員たちですね。 短大卒業後、カリフォルニア大学に短期留学をして、帰国後は美容室向けの化粧品販売の仕事をしていました。あるエステティックサロンに行ったときのこと。セラピストたちは、気持ちのやさしい、一生懸命な子たちでした。でも、施術や商品について「なぜ、これが私にいいのか?」ということを理論的に説明できていなかった。それは、“教育”を受けていないから。「じゃあ、きちんと教育を受けたプロが働くサロンをつくってあげよう!」と。 まず、不動産屋に飛び込んで「エステティックサロンをやりたい」と言いました。「何坪くらいですか?」と聞かれて、「“坪”って何だろう?」って(笑)。なんとか物件は借りられましたが、600万円ほどあった預金はスッカラカンに。ラッキーだったのは、化粧品販売の会社をやっていましたので、銀行が手形を作ってくれていたこと。50万円の手形を25枚程切りました。 シャンデリアは、友だち何人かがお金を出し合ってプレゼントしてくれました。内装をお願いした大工さんは「化粧品ケースがないのはおかしいよ」と、ご厚意で揃えてくれて。家具屋さんで、イスやテーブルを見ながら「休憩室にこんなのも欲しいなぁ」と考えていたら、「持っていっていいよ!」と、無償でくださったんです。 本当に感謝の気持ちで、いっぱいです。その方たちとは、ずっとお付き合いが続きましたね。大阪にいる間は、お店をオープンする度に、その方々から購入したり、お仕事を依頼していました。 私は大学で経営学を勉強したこともありませんが、大事なことは、すべてお客さまが教えてくださいました。サロンの出店も、そうです。お客さまから「うちの近くにつくって」と言われる度に、それに応えていたら、気づけば増えていました。 AI時代に、大切なものとは? 日本初!メンズエステティックサロン&美と健康の専門職大学 「非常に繊細な、本当の意味での美しさ。 AIの時代は、それを理解できることが重要」 駅ボード_ダンディハウス 男性専用エステティックサロン「男のエステ ダンディハウス」も急成長。2021年10月から、ブランドキャラクターにEXILE AKIRAさんを起用している 「うちの主人も痩せさせて」とか、「息子のニキビを治して。毛深いのが嫌で体育をサボっている」と言う女性のお客さまの要望からできた「ダンディハウス」は、当社のグループでもいちばん店舗数が多いブランドに成長し、43店舗になりました。 「ダンディハウス」における、フェイシャルの新規予約数の推移が、非常に伸びていますね。2019年1月~12月の数値をイチとすると、2021年1月~12月は183%増、2022年1月~12月は237%増と、コロナ前後で約2倍、新規予約が増加しています。 私の起業は「理論に基づいたサービスを提供するサロンをつくりたい」というところから始まっているので、少しお金に余裕ができた1990年には「ミス・パリ インターナショナルスクール」を開校しました。 その後、2008年にそのスクールを「学校法人ミスパリ学園」とし、専門学校を開校。現在は4校に。ただ、15年ほど専門学校を運営するなか、課題も出てきました。 日本人が海外で働きたいと思っても、大卒でないと就労ビザがおりないことが多いんです。日本人が持つおもてなしの精神・丁寧さ、器用さは世界でもトップクラス。日本人の高品質なサービスは世界で勝てると私は思っています。日本の人口が減っていくなか、学生たちに「大志を抱け」なんて、とても言えない。世界で活躍できる人材を育てたい、日本の美容健康サービスや商品を世界に出したい、日本を美容大国にしたいという夢の実現のために専門職大学を設立しました。 また現代においては、従来の医療行為や防疫対策に加えて、基礎体力や免疫力・精神力などを高める統合医療の必要性が求められています。ビューティとウェルネスが人生の豊かさや幸福感、すなわち「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上」に、どのように関与できるのか。医学・美学・社会学・生活科学など、さまざまな分野から総合的に研究することによって、学問分野としての確立も目指しています。 第一期生なので先輩がいない環境ですが、「自分たちでこの大学の歴史をつくっていく」という心構えを感じます。サークルや学園祭の準備委員会を立ち上げたりと、積極的にチャレンジしていますね。 大学の教科には、英語Ⅰ~Ⅲや芸術鑑賞、著名な先生をお呼びして美学についてのお話もあります。非常に繊細な、本当の意味での「美しさ」。AIが発達したいま、それらを理解できることが、セラピストとして重要になってくると思います。 親子二代で!挑戦は続く セラピストの地位向上のために 「最終目標は、大学院の設立。 セラピストの地位を上げたい」 2023y07m14d_134956607 2023年4月、横浜に開学した「ビューティ&ウェルネス専門職大学」。下村さんは週に2~3日は大学に赴き、学生たちと直接対話することを大事にしている 教育機関でいうと、2027年を目標に、「大学院」の設立を考えています。「もっと深くマネジメントを学びたい」「さらに技術を深く研究したい」といったニーズにも応えていきたいからです。 また当社は、専門学校ができるまでは、セラピストの7割が大卒ですが、親や学校の先生に「セラピストになりたい」と言うと、反対されることもしばしば。業界で、何かトラブルが起きるたびに、内定者もお客さまもサーッと引いてしまう。 そんな中で、自分の人生をこの会社に預けてくれた人たちが20年、30年と働いてくれる。社員たちが選んだこの会社を、職業を素晴らしいものにしてあげたい。セラピストの社会的地位を上げたい。みんなが憧れる業界になれば、働く人が増え、競争が激しくなる。そのなかで磨かれた人材が生き残っていける、そのためにも大学院を設立しセラピストの博士号を出したいのです。何よりもお客さまが喜んでくださいます。 エステティックサロンに大切なこと。それは、サロンに一歩入ったときに、幸せな愛の風が吹いているか?お客さまを幸せにしたいのであれば、自分が幸せでないと、それは実現できません。 当社は、95%が女性です。社員は700名ほどですが、産休・育休を取っている社員は、常に1割くらい。3人、4人と、子どもを多く持つ社員が多いのも特徴です。子どもが生まれると大変なこともありますが、会社としてサポートしていきたいと思っています。 毎年12月のクリスマスには、社員の小学生までの子どもたちにプレゼントを送っています。将来、ミス・パリ・グループで働いてくれたらうれしいので、ゴマをすっております(笑)。 人を大事にできる子なので、社長にしました。家では、口答えしかしないんですけどね(笑)。でも、私のことも大事に思ってくれているのは伝わってきます。お手伝いさんや、まわりの方々からも「留弥以ちゃんは、とてもいい子で、私のことを大事にしてくれる」と言ってもらうことが多くて。 なので、私の大事な社員たちのことも、きっと大事にしてくれると。あ、あと経営学部を出ているので、私よりは数字が得意かな。留弥以も子どもが3人いるので、私も孫たちの面倒を見ているんですよ(笑)。 とにかく、お客さまに喜んでもらうことが好きなんです。「何をしてほしいだろう?」「どんなことをしたら、早くきれいにしてあげられるだろう?」…そんなことを、いつも考えてきました。 お客さまとの会話のなかで、「こういう試験があって合格しました」「こんな資格が取れました」とご報告すると、すごく喜んでくださるんですね。お客さまは、セラピストに学んでほしいんだな、と感じました。 私たちの生活は、お客さまが支払ってくださったお金で成り立っています。感謝しかありません。お客さまにお返しできることがあるとすれば、それは私たちが学び続けること、成長し続けることです。教育に関しては絶対に、施設も時間も惜しみません。 日本中にも、世界中にも、美しい人が増えたらうれしいです。これからも、そのための教育を、一生懸命やっていきたいと思います。 2023y07m14d_135013126 下村 朱美さんの次女・留弥以さん。立教大学国際経営学部卒業後、帝国ホテルでサービスの本質を学び、2015年にミス・パリ・グループ入社。セラピストとして、他スタッフ同様、850時間以上の実践的訓練を受け、理論と技術を習得。2021年9月より「株式会社シェイプアップハウス」「株式会社ミス・パリ・ジェイピーエヌ」代表取締役社長に就任 鹿児島県種子島で生まれ育った下村さん。小学生の頃のエピソードに、こんなものがある。 『やんちゃで、正義感が強い子だったと思います。泣いている女の子がいて「どうしたの?」と聞くと、◎◎くんにイジメられた、と。そうすると、私が出ていって、男の子と取っ組み合いのケンカに。自分の洋服がビリビリになって、いつも泣きながら帰るんですけど、でも行かなきゃって(笑)』 お客さまの要望に応え続けてきたのも、ひとえに正義感から。たくさんのセラピスト、そして美容の未来を担う学生たちも救っている。 下村さんの正義感が、エステティック業界をも大きく変えたであろうことは、間違いない。 2023y07m18d_175539427 幼少期の下村さん インタビュアー 千葉 智之(ホットペッパービューティーアカデミー・アカデミー長) 編集・文 柳澤 真実 フルーツルーツ 榎戸 淳一/お客さまを“フルーツ漬け”に!?エステ店販率、驚異の40%超。 【開業編】STEP2!資金調達~いざ融資!銀行?公庫?どこに行けばいいの?~ Salon de Libely/ハーブピーリングで肌が変わる!効果実感の高さでリピート率は95%! SALON de PLUS 品川店/口コミ高評価&リピーター9割!「お任せで」になる提案とは? Lond/吉田 牧人×CHARLES DESSIN /黒木 利光『圧倒的マネタイズの仕組み大公開!』 非公開: サロンボード活用~メッセージ・分析機能(リラク・エ