イノベーターが
見ている未来
vol.121
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
メンズ縮毛矯正「EXCIA」/株式会社VANQUISH
代表取締役 中川俊樹さん (age.27)
2021年の創業からわずか4年半で、約50店舗を展開するVANQUISH(バンキッシュ)グループ。代表は27歳、主力メンズサロンのスタッフ平均年齢は24歳と、Z世代が中心の新進気鋭集団だ。急成長を支える「3カ月デビュー」と、年間休日最大126日などの厚待遇は、なぜ可能なのか?
・「EXCIA」公式サイト
第1章メンズ縮毛矯正を武器にスピード展開
「メンズ縮毛矯正に特化したのは
“スタッフファースト”がきっかけ」
自然な毛流れを叶える「曲がる縮毛矯正」が人気のメンズサロン「EXCIA」。カット+縮毛矯正+髪質改善トリートメントの施術時間は約90分で、カウンセリングに時間をかける新規客の場合でも約2時間
中川さんは通信制の美容学校で学んで免許を取得したそうですね。
はい。高校卒業後は通信で学びながら大阪市内の美容室で働き始めました。美容師免許を取るまでに3年、その後も2年間勤めて、高校卒業から5年後に独立しました。僕は結婚が早くて18歳のときに子どもができたんですけど、当時は美容室のアシスタントで月給が14万円くらい。生活のこともあり、一日でも早くスタイリストになろう、早く独立しよう、という感じでした。
2021年、大阪に1号店の「HAIR SALON EXCIA」をオープン。最初から順調でしたか?
全然、順調ではなかったです。当時はコロナ禍で、予定通りに銀行の融資が下りなくて。開店当初は超、自転車操業。どうやったら今日をしのげるか頭をフル回転して、なんとか乗り切りました。
それでも1年半後には4店舗にまで直営店が増えている。すごい追い上げです。
1号店オープンから1年後に、売上が月500万円くらいになりました。スタッフへの還元率も上げて、どんどん採用もしていこうと、新店を出すことに。
その後も出店を続けています。現在の店舗数は?
メンズとレディースの直営・FCを合わせて約50店舗、協業のブランドも含めると60店舗ほどですね。店舗数が増やせるのはFCというのもありますし、スタッフへの「のれん分け」、社内独立の形で子会社化して店舗が増えるパターンもあります。あとは「間借り戦略」によるところが大きいですね。
間借りでの出店というのは、既存の美容室内の席を借りる形でしょうか。
そうです。表参道店も最初は間借りから始めました。初期費用を抑えながら、この地域でやっていけるかテストマーケティングができるので、リスクが少ない。それで月150万とか200万円の売上が立ち、スタッフも2人目・3人目が決まったタイミングで、そのエリアにVANQUISHとして本出店します。
複数ブランドある店舗のなかでも、メンズ縮毛矯正に特化した「EXCIA」がメインです。このジャンルを狙った理由は?
1号店は僕と美容学生時代の後輩の2人で始めて、当初はレディース向けの髪質改善をウリにしていました。でもその後輩から、「メンズをやりたい」という希望があって。どうしたらいいかと考えていたとき、髪質改善をうたった自社のLP(ランディングページ)を分析すると、10%くらいメンズのお客さまが来ていることがわかった。「この10%にフォーカスしたら、もっとメンズのお客さまが増えるのでは?」と考えメンズ専用のLPを作ったら、初月から30人以上の新規が来たので「これはイケる!」と。
それは自分でサイト運用までしていたから、気が付けたこと。何よりスタッフファーストで考えたことが、結果的に「メンズ縮毛矯正特化」という強みになって、よかったです。
レディースサロン「esu(エス)」は、デザインカラーや韓国風スタイル、髪質改善トリートメントを得意としている






















3カ月デビュー&年間休日126日!
27歳経営者が挑む成長の方程式。