フルーツルーツ 榎戸 淳一/お客さまを“フルーツ漬け”に!?エステ店販率、驚異の40%超。
お客さまが“買いたくなる”接客術とは? サムネイル 正方形 2022年04月25日 83 フルーツルーツ 代表取締役社長 榎戸 淳一 42 お客さまを“フルーツ漬け”に!? エステ店販率、驚異の40%超。 2022y04m21d_144529188 コロナ禍になってから、収益の柱として「店販」に注目が集まっている。東京・学芸大学駅のほど近くにあるオーガニックエステサロン「フルーツルーツ」では、店販率が40%を超えるという。それを可能にした、自社オーガニック製品へのこだわり。そして、お客さまが買いたくなる、アプローチ方法とは? 榎戸 淳一(えのきど じゅんいち)さん/1979年、東京都生まれ。大学卒業後「株式会社船井総合研究所」に入社、社内でエステティック業界のコンサルティング事業を立ち上げる。2009年8月に同社退職後、「株式会社ES-ROOTS」を設立し、代表取締役に就任。2010年1月にエステサロン「フルーツルーツ」をオープン。また2011年「一般社団法人エステティックグランプリ」を立ち上げ、2代目理事長を務めた。現在はエステサロン経営、オーガニックコスメの企画・販売、講演・執筆活動など、活躍は多岐にわたる。 https://www.fruitsroots.com/ コンサル時代に気付いた、業界の課題 「店販が売れるサロンをつくれば、 エステ業界が変わるはず」 店舗入り口 エステサロン「フルーツルーツ」の入り口。中央の大きな泉の前で、化粧品を試すことができる。化粧品購入をきっかけに、サロン利用につながることもある はい。船井総研時代、エステ業界に課題を感じたことがきっかけで、社内でエステ業界向けコンサルティング事業を立ち上げました。 今から10数年前…新規集客が減ってきたり、高単価での契約がとれる時代ではなくなってきていました。かといって、店販は利益率が低いこともあって、当時はまったく注目されていなかったんです。サロン平均で、売上の10%にも届かなかったのでは? この業界は、スタッフの入れ替わりが激しく、長期で人材が安定しにくいですよね。だから「誰でも売上をつくることができる再現性」が大事。人の技術に左右されず、気に入れば継続購入してもらえる「店販が売れるサロン」をつくったら、業界が変わっていくんじゃないかと。そこで2010年、自分のサロンをオープンしました。 新しいサロンをつくるなら、独自性を出したい。またコンサル時代、いろんなサロンと関わる中で、エステティシャンの手荒れも気になっていました。毎日施術で化粧品を使うので、肌にやさしいものをつくらなければ、業界の発展もない、と。 そこで、アメリカのニューヨークに、スパ施設の視察に行きました。マンハッタンのソーホーでは、人々の生活にオーガニックが馴染んでいた。日本でも、きっと5年後、10年後に、オーガニック市場が広がっていくと予想しました。 製品の原料はすべて「日本産」にしたかったので、そこから日本全国の農場・農家さんをまわって。みなさん、理念やこだわりがあるから、とにかく話がおもしろい!でも、オーガニックって、苦労するわりには、そんなに儲からないという課題も…。こうやってがんばっている生産者さんに、きちんと還元できる製品をつくり、広めていこうと決意しました。 10年前のオーガニックって、すごく“地味”で(笑)。色や香りも少ないし、女性の心を上げる要素がなかった。でも、ニューヨークで見たものは、香りがあって、色とりどり…。そんな中からフルーツのインスピレーションが生まれ、「これでいこう!」と。 店舗での商品の並べ方も参考になりましたね。お客さまが気軽に試すことができる化粧品を入り口にして、エステサロンに興味を持ってもらう。これなら業界が抱える「新規集客・店販の拡大」、どちらも解決できると思ったんです。 農場 最初は“ビジネス”としてオーガニックに目をつけたが、全国の農場・農家さんの話を聞くうちに、榎戸さん自身、どんどんハマっていった。現在は「植物療法士」の資格を持つまでに オーガニックコスメ オーガニック製品は“精油”で香りをつけるが、そこには苦労したという。ラ・フランス、リンゴ、マスカット、桃などは精油がないが、独自の技術で生のフルーツから香りをつけることに成功 「化粧品、まだあります」お客さまにこう言われたら、どう切り返す? 店販率40%超は、なぜ可能? 「サロンのコンセプトは “お客さまをフルーツ漬けにする”」 concept_image01 日本全国から選りすぐった原料を使った自社オーガニック製品は、多種多様に うちは、「お客さまをフルーツ漬けにする」というのがコンセプト。スキンケアだけではなく、飲料・食品もあります。サロンでは、ウェルカムドリンクでオーガニックハーブティーを、施術前にはフルーツ酵母ドリンク、フルーツ化粧品で施術をして、終わったらフルーツビネガーやドライフルーツをお出しします。新規の方には、丁寧に製品説明をしながら…。「すごくおいしい!」と言ってくださる方が多く、複数品、購入してくださいます。 40%は、オープン当初から目標にしていました。最初はしばらく20%ほどでしたが、4~5年目くらいに達成できた。でも、特別なことをしているわけではないんです。要は「マメ」さ。ポイントは、3つあります。 1つ目は、スキンケアセットを購入いただいたら、きちんと正しい使い方・使う量を伝えること。それは、効果を最大限に感じてもらいたいからです。 エステって結果が出始めると、まわりの人に「きれいになったね」とほめられて、一気にモチベーションが上がります。そうすると、「家でのケアもがんばろう!」となる。サロンに来るのは月に1~2回。それ以外のホームケアも大事なので、結果を出すためには、最初の1~2カ月が勝負です。 2つ目は、「顧客様管理表」の活用。お客さまが購入した製品・日にちから、化粧品の残量がわかります。うちの化粧品はすべて、正しい量を毎日使っていれば、“2カ月”で終わる計算。今日、購入したお客さまであれば、2カ月後になくなるはず。そのタイミングで、営業フォローすることを徹底しています。 「そろそろ化粧品がなくなる頃ではないですか?」と、お客さまに聞いたとします。「まだあります」と返されたら、普通は「そうですか」で終わりますよね?でも、うちは「あとどのくらいありますか?」と聞き、「まだ半分あります」と返ってきたら、「使う量が少ないかもしれません。いつも使っている量を出してみてください」と。少なかったら「使う量が少ないので、今日からこの倍、使ってくださいね」と具体的にお伝えします。 大前提として、「スタッフとお客さまの間に、信頼関係ができている」ことに尽きます。信頼を築くには、最初の笑顔や気遣い、丁寧なカウンセリングが重要です。信頼が構築できていれば、自信を持って、お客さまの悩みに踏み込める。 成約率が高いスタッフと、低いスタッフとで一番違うのは、そこですね。時に、あえて空気を読まずに踏み込めるか。明確な悩みがあるお客さまなら、どんなエステティシャンでも成約しますが、上手なエステティシャンは悩みを引き出して、それを解決するための提案ができる。お客さまは、営業されること自体がイヤなのではなく、サロン都合の営業をされたくないだけです。 3つ目は、「お客さまから予約変更の連絡があったら、その時に店販フォローをする」。予約の変更は、どうしても発生してしまうもの。でも、化粧品がなくなる2カ月後にサロンに来れなかったら、他で購入する可能性が出てくるので、チャンスを逃すことに。なので、予約変更の連絡をもらった際、「そろそろ化粧品がなくなる頃ですね。お送りすることも可能です」とフォローします。 うちの一番の独自性は「アンケート」です。創業した2010年から今もずっと、すべてのお客さまに必ずお願いしています。何回来たとしても、毎回。「雰囲気・技術・接客・総合満足度」の4項目で、総合で「大変満足」をもらえなかった時は、その日の終礼で「なぜもらえなかったのか?次は、どうすればいいか?」という改善策を考えます。決して責めるのではなく、それぞれが“自分で考える”ことを大切にしています。その繰り返し。 逆に、最後のフリーコメントでうれしいご意見をもらったら、お店のInstagramに上げたり…。スタッフのモチベーションアップにも、つながっていますね。 セミナーでもよく話すのですが、アンケートは、どのサロンでもすぐにできて、効果が出る方法。でも、それを「継続」できるサロンは、残念ながら少ないです。 フェイシャル フルーツルーツでは、現在フェイシャル8:ボディ2の割合だが、オープン時は逆だった。『ボディのほうが集客しやすい一方で、うちの店販にはつながりにくい。また施術はオールハンドのため、120分のコースが続くと体力的に厳しくなることもあり、数年かけてフェイシャル比率を上げていった』という 店販なら、いくらでも客単価を上げることが可能!? エステサロンが生き残る道 「美容家電・美容医療の競合がある中、 エステサロンを選んでもらうには?」 トリートメントルーム サロンのオープンから2年経った2012年、フルーツルーツは「第2回エステティックグランプリ」にて“モデルサロン部門” “フェイシャル技術部門”で全国1位を受賞した エステサロンというのは、ベッド数と労働時間が決まっているので、がんばっても生産性に限界がありますよね。でも店販であれば、いくらでも客単価を上げることが可能です。 コロナ禍で、あらためて店販のありがたさを感じました。2020年4月にあった1回目の緊急事態宣言で、サロンを2カ月休業したんです。その時も、店販の売上に助けられました。 あとエステって、どうしてもお客さまが「卒業」してしまうことも。だけど、その後も化粧品だけ買いにサロンに来てくれるお客さまが、たくさんいます。 サロンの店舗を、増やす予定はありません。ただ、お客さまと直接関わることができるのは、やはりサロンの強み。ここで成功事例をつくって、他のサロン、スタッフのみなさんに還元していきたい。うちの製品を通して、たくさんのサロンと関わりが持てたら、うれしいですね。 それには、自社製品の認知度を上げる必要がある。今後は「リアル店舗」を持っているか、どうか、が重要になってくると思います。差別化のためには、勝負に出ないと…。2023年末から2024年にかけて、物販のみ販売する店舗をいくつか出店予定です。 まずは、「国産オーガニックコスメNo.1」が目標。そして、原料も工場も“オールジャパン”にこだわった製品を「世界」に広めたい。今までも海外での販売は行っていましたが、2022年末に東アジアに進出して、海外展開への足がかりにしたいと考えています。 エステ発のブランドで、一般の方が知っているくらい有名なものって、まだないのでは?なので、そういった存在になりたいですね。そこから、エステ業界全体の信用を上げることができたら、と思っています。 2011年に「エスグラ(一般社団法人エステティックグランプリ)」を立ち上げたのは、無理な契約などで、エステ業界全体の信用がなくなっていると感じたからです。いちサロンではなく、みんなで手を取り合っていかないと、業界全体がダメになると思いました。 「エスグラ」によって一番大きく変わったのは、経営者同士、横のつながりができたこと。それまでも、メーカーの勉強会などでサロンの方に会う機会はありましたが、“みんな敵”みたいな雰囲気もあった。それが、お互いに成功事例や悩みを共有できるようになりました。 また、エステティシャンたちが“目標とする場”ができた、という点も。売上だけではなく、コンテストという別の角度の目標ができると、目の前の仕事もがんばれると思います。 美容家電・美容医療・ヨガ・プライベートジムといった、たくさんの競合がある中、どうしたらエステサロンを選んでもらえるか? 市場を大きくするのは簡単ではあ
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