「また行きたい!」VS「もう行かない…」男女で異なるリピート・離脱の分かれ目は?

サロンを利用した後、お客さまが「また行きたい!」と思うか、「もう行かない…」と感じるかは、何によって決まるのでしょうか?

今回は、ホットペッパービューティーアカデミーが実施した「顧客満足調査(MOT)2023」をもとに、美容室、ネイル、エステ(フェイシャル/痩身/脱毛)、リラクゼーション、アイビューティーといった各ジャンルの“リピートのポイント”と“離脱のポイント”がそれぞれどう変わるのかを男女別に比較しています。

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

リピート/離脱のポイントとは?(MOTサイクル)

ホットペッパービューティーアカデミー作図(協力:「顧客ロイヤルティ協会」)

お客さまはサロンの「リピート」や「離脱(サロン離れ)」をいつ決めているのでしょうか?

ホットペッパービューティーアカデミーでは、お客さまが「リピート」や「離脱」を決める瞬間に着目したマーケティング手法「MOT(Moment of Truth)」を活用し、「美容サロンのMOTサイクル」を作成。サロン利用時の17〜18の接点を分析し、どの段階で継続利用または離脱を判断しているのかを調査しています。

この記事では、こちらのポイントをランキングし、リピート/離脱の詳しくはこちらをご覧ください。

女性は「施術」「仕上がり確認」「カウンセリング」を重視

※各ジャンルでトップ3に入った項目を表示

※ネイルは、「カラーリング・デザイン」を「施術」と読み替え(以下同じ)/女性15~59歳(リピート意向者)
出典:ホットペッパービューティーアカデミー「顧客満足調査美容2023」

それぞれのジャンル別に「サロンリピートのポイント」のトップ3に入った項目を一覧でみると、「施術」・「仕上がり確認」・「カウンセリング」が、どのサロンでも女性リピートのカギとなっていることがわかります。

※各ジャンルでトップ3に入った項目を表示

女性15~59歳(離脱意向者)
出典:ホットペッパービューティーアカデミー「顧客満足調査美容2023」

一方、「サロン離脱のポイント」のトップ3に入った項目を見ると、サロンリピート時と同じく「施術」「仕上がり確認」「カウンセリング」が大きな割合を占めています。

このことから、お客さまが事前に思い描いていたイメージと、実際に提供された施術・仕上がりの間に大きなギャップが生じると離脱につながってしまうということが分かります。

例えば「思っていたのと違う」「期待していたレベルに達していない」と感じてしまった場合、不満や失望感が強まります。とりわけ女性は「仕上がり」への期待が高いため、このズレが顕在化すると再来店を控える、いわゆる“離脱”へ一気に傾く可能性が高まるのです。

カウンセリングの段階でお客さまの要望・イメージをしっかりヒアリングし、具体的な提案や説明で期待値を正しく共有することが、離脱を防ぐ重要なカギになるでしょう。

男性は「サロンを知る」「口コミ」「予約のしやすさ」を優先

※各ジャンルでトップ3に入った項目を表示

男性15~59歳(リピート意向者)
出典:ホットペッパービューティーアカデミー「顧客満足調査美容2023」

男性の「リピート要因」では、1位が「サロンを知る」になるジャンルと「施術」になるジャンルとに分かれる結果となりました。

「サロンを知る」が1位にランクインしたのはネイル、エステ(フェイシャル)、エステ(ボディ/痩身)、アイと、男性の利用経験が比較的少ないジャンルが中心です。

一方で、「施術」が1位となったのは美容室、エステ(脱毛)、リラクと、男性の利用率が比較的高いジャンルに多く見られます。

この結果から、男性はまだ利用経験の少ないサロンでは「まずは情報を集めたい」と考え、ある程度利用経験のあるサロンでは「施術の効果実感」を重視する傾向があると考えられます。

※各ジャンルでトップ3に入った項目を表示

男性15~59歳(リピート意向者)(”ー”はトップ5圏外)
出典:ホットペッパービューティーアカデミー「顧客満足調査美容2023」

男性の離脱要因を見ると、「サロンを知る」がほぼ全てのジャンルで1位となっています。続いて「口コミ」や「電話/サイトで予約」が2位、3位にランクインするケースが多いのが特徴です。

これは、男性は「情報不足」「口コミから感じる信頼性の欠如」や「予約のしづらさ」を感じた時点で、来店前から「もうリピートしない」と判断する傾向が強いことを示しています。特に、サロン利用の経験が少ない初心者ほど、この傾向が顕著だと考えられます。

施術や仕上がりの満足度ももちろん重要ですが、それ以前に 「わからない」「安心できない」「手続きが面倒」 と感じると、サロンに足を運ぶ前に離脱してしまう可能性が高いといえるでしょう。