転職市場は拡大傾向。3割が転職する時代に
直近1年間の転職あり
現役の各美容サロン従事者が回答
直近1年で同業種に転職した割合は、全体で33.0%と高水準を記録し、転職市場は今も拡大を続けています。
もともと転職が多い業界ではありますが、ここ数年でその動きはさらに活発化しており、求職者は「より良い環境」や「成長できる職場」を求めて積極的に動いていることがわかります。
現役の各美容サロン従事者が回答
ジャンル別では、ネイリスト(40.3%)や美容師・理容師(37.8%・36.2%)が同業種内の転職率が高く、リラクゼーションセラピストは低めで、職種によりやや差が出る結果に。このような違いには、各職種での働き方やキャリアの描き方の違いが影響していると考えられます。
たとえば、リラクゼーションセラピストは、離職率(=業界を離れる人の比率)自体は、美容師や理容師と比べると高めです(リラクゼーションセラピスト:53.0%、美容師:45.7%、理容師:37.1%)。その代わり業界で長く働き続ける人は、同じ職場で長く勤める傾向にあるとも考えられます。
一方で、ネイリストや美容師・理容師は、技術力や指名顧客の有無に応じてキャリアの方向性が多様に広がる分、転職によって環境や待遇の改善を図る傾向が強いのかもしれません。
サロンでは、単に求人を出すだけでなく、求職者が応募したくなるようなサロンの仕組みづくりや、サロンの魅力の伝え方の磨きこみが一層求められているでしょう。
転職理由に見る、いまの働き方ニーズ
転職した理由(TOP5)
現役の各美容サロン従事者、複数回答
転職理由のTOP5は、「給与」「拘束時間」などに関する不満が引き続き上位ですが、近年増加傾向にあるのが「仕事とプライベートの両立が難しかった」という声です。
転職した理由(抜粋)
現役の各美容サロン従事者、単一回答
働く人々の価値観は、「収入」だけでなく「働き方」も重視する傾向がますます高まっています。
柔軟な働き方やライフスタイルとの両立支援が、サロン選びの新基準になっていることは明らかでしょう。
採用成功のカギは、リアルな働き方の見える化に
求人メディアで知りたい情報(TOP5)

現役の各美容サロン従事者、複数回答
最後に、求人メディアで求職者が知りたい情報を見てみましょう。2位には「スタッフの勤務状況」がランクインしています。単に給与や休日数だけでなく、「どれくらい休めているのか」「シフトは柔軟なのか」といったリアルな情報が重視されているのでしょう。
そのためサロンは、求人情報の中に働き方の実態をしっかり盛り込むことが重要といえます。たとえば「シフト例」「月平均休日数」「取得実績」などを掲載することも、応募のハードルを下げ、ミスマッチも減らすことにつながるかもしれませんね。これからの採用は、より具体的に働く姿を伝えることがますます大切になってきそうです。