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【ネイル】「サロン」と「セルフ」は共存する?

「Googleトレンド」のデータをもとに、ホットペッパービューティーアカデミー作図

2025年に注目しているのは「ネイルシール」です。「ネイルシール」自体は以前から存在していましたが、近年は「貼るだけ」「生ジェル」など魅力的なネーミングが目立ち、写真を見る限りジェルネイルとの違いがわからないほど完成度が高いため、SNSなどでも見かける機会が増えています。

「ネイルサロンに行くのは少しハードルが高い」「費用や時間、仕事の都合でなかなかできない」という方にとって、ネイルシールは“エントリーネイル”として利用しやすい存在といえるでしょう。

一方で、コロナ禍では一時的に利用者が大幅に減った「ネイルサロン」。その間に「セルフネイル」へ切り替えた人も少なくありません。実際、「ネイルサロン」と「ネイルシール」の検索トレンドを比較すると、2020年7月頃までは「ネイルシール」の検索が伸びていました。

しかし2020年7月以降は、「ネイルシール」の検索トレンドが横ばい(あるいはやや下降)気味であるのに対して、「ネイルサロン」の検索は上昇傾向を示しています。一時的にセルフネイルを利用した人がネイルサロンに戻ってきているということでしょう。

これは、ネイルサロンでの施術とセルフネイルが互いに競合するのではなく、共存することで市場全体が拡大している証拠といえるでしょう。サロンクオリティや、自分でやることの面倒さなど、ネイルサロンの良さを改めて感じた人も少なくないのです。

【アイ】目元美容のさらなる進化と多様化とは?

「Googleトレンド」のデータをもとに、ホットペッパービューティーアカデミー作図

最後にご紹介するのは「まつげ」トレンド。2025年は改めて「まつげ美容液」に注目しています。コロナ禍で一気に認知度と利用率が高まった「まつげ美容液」ですが、「まつげエクステ」や「まつげパーマ」といった施術を行う際に、“美しい地まつげ”が重要と考える人が増えたことが、その背景にあるといえるでしょう。サロン専売品の人気も相まって、1本あたり約1万円という高単価ながら、コロナ禍では爆発的に売上を伸ばしました。

2024年のトレンドを振り返ると、「まつげ美容液」という一般ワードでの検索はやや減少し、特定の商品名で検索する人が増えているようです。とはいえ、“まつげを育てる”まつげ美容液への需要は引き続き高く、マスク生活を経て“目元の印象”への関心が高まったことも、2025年においても人気が続く理由の一つと考えられます。

さらに、まつげのケアから派生し、眉毛の育毛やメンズ向けアイケア商品など、新たな分野へと広がっていく可能性も十分あるでしょう。2025年は、まつげ美容液をはじめとした“目元ケア”のさらなる進化と多様化が期待されます。

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EDITORIAL NOTE

美容の流行も、リバイバルする⁉

私が子どもの頃は「段カット」と呼んでいたレイヤースタイルは、「ステップカット」という言い方に変化しています。トレンドは巡り巡ってリバイバルされるもの。ブームが去っても、新たなエッセンスを加えて再燃するのが常です。

焼き直しではなく、最新技術や価値観と融合して進化することで、新たなムーブメントが生み出されます。過去と未来を橋渡しする“リバイバル”。これからの美容トレンドがどう変わるか、目が離せません。

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文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    美容に関する消費者行動を調査・研究
    これまでに発表した美容関連の調査は200本以上


    ■Deloitte Tohmatsu Consulting(デロイトトーマツコンサルティング)を経て、リクルート入社。ホットペッパービューティーの事業企画から2012年より現職。

    ■調査研究員として、美容センサスなどの消費者調査や研究員コラムなどでの解説を担当。美容センサスデータブック数字で見る美容などデータのビジュアライゼーションに定評がある。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。

    ■プライベートでは小学生2児の母、2024年から子供の小学校のPTA会長と学校運営評議委員を務める。

    ※メディア取材はコチラよりお問い合わせください。


    ◎寄稿・連載
    「数字で読む美容トレンド」(Beautopia)
    「ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』」(アイビューティージャーナル)
    「一橋ビジネスレビュー : 日本企業の人的資本経営 2023年 SUM.(71巻1号)」(共著/東洋経済)
    「美容トレンド最前線!」(ファッション販売/~2023年)
    「美容サロンの経営塾」(国際商業/全100回)、「ビューティ・インサイト」(WWD/全6回)

    ◎書籍(共著)
    「美容師が知っておきたい50の数字」(女性モード社)
    「美容師が知っておきたい54の真実」(女性モード社)
    「データで見るエステティックの今とこれから」(フレグランスジャーナル社)

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