年齢は「隠す」から「活かす」へ
白髪ぼかし&インナーカラー
作図:ホットペッパービューティーアカデミー(写真提供:nex表参道本店 スタイリスト 西川まゆさん)
40代・50代女性の美容トレンドは、「(マイナスを)隠す」から「年齢を活かす」へとシフトしています。例を見ていきましょう。
- 「白髪ぼかし」
白髪を活かしながら周辺の髪をハイトーンカラーで染める施術です。これにより、従来の白髪染めから解放され、より自由にヘアスタイルを楽しむことができます。 - 「インナーカラー」
表面ではなく、内側(インナー)にカラーリングを入れる施術です。コロナ渦で在宅勤務が増えたころから、遊び心のあるカラーリングが増加し、40代・50代にも利用者層が広がっています。白髪も目立ちにくくなります。
「白髪ぼかし」や「インナーカラー」は、白髪に対するネガティブなイメージを払拭し、「若さ」や「美しさ」を保ちながら、自己表現を行う手段として広がっています。
オトナ女性を活かす!まつげエクステ
作図:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期<アイビューティーサロン編>」(2023年12月)
「まつげエクステ」も、年齢を活かした美容の一つです。実は、利用者は20代よりも40代の方が多いというデータがあります。
まつげエクステと聞くと、10代や20代の若年層が利用しているイメージが強いですが、地まつげが豊かで長い若年層が施術すると、派手になりすぎることがあります。
一方で、まつげが少なかったり短かったりする悩みを持つ40代や50代の女性にとって、まつげエクステは自然でぱっちりとした目元を作り出すための効果的な方法です。
また、40代や50代の女性は、仕事や家庭、育児、介護などで忙しい日々を送っているため、時短美容が求められています。そのため、まつげエクステは、毎日のお手入れを簡単にしながら、美しい仕上がりを保つ手段として、多くの支持を集めています。
美容消費の新たなカギは、「加齢を逆手に取る美容」
最後に40代・50代女性が抱える自己実現への欲求や、美容を通した自己表現についてみていきましょう。
- 自己実現の欲
団塊ジュニア世代の女性は、これまで家族を優先し、自分を後回しにする傾向が強かったものの、自己実現への欲求が高まっています。これからの人生で自分自身を表現し、充実感を得たいという意識を持っている人も多いでしょう。 - 美容を通した自己実現
40代・50代の女性も、オシャレを楽しみたいと考えており、美容を通じて自己実現を果たしたいというニーズが高まっています。美容は40代、50代女性にとって、外見だけでなく、内面的な充実感を得るための手段でもあります。 - ありのままでを美しく
加齢を隠すのではなく、年齢を強みにする美容が重要視されています。40代・50代の女性は、自分らしさを保ちながら美しさを引き出す方法を求めており、自然な魅力を活かすアプローチが支持されています。
美容業界でも、40代・50代女性のこうしたニーズに応えることで新たな市場を開拓するチャンスが広がっていくでしょう。