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2023/02/21

【前編】メンズマーケットに注目する3つの理由は?男性集客・顧客満足UPのポイントを解説

美容業界から注目される「メンズ」。昨今はメンズメイクが注目されていますが、美容サロンへの「隠されたニーズ」がまだまだありそうです。今回は前後編で「メンズマーケットに注目する理由」と「男性集客と顧客満足UPのポイント」について解説します。(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

※2023年2月8日の「ジェンダード・イノベーションEXPO-健康博覧会-」で講演した内容をもとに作成しています。

メンズマーケットに注目する理由は?

メンズマーケットに注目する理由は3つです。
①マーケットの余白が大きい
②男性の美容・健康意識の高まり
③上顧客化しやすい

順番にみていきましょう。

①マーケットの余白が大きい!男女でサロン利用を比較

出典:「美容センサス2022年上期」(2022年6月)、女性15~69歳、各サロン単一回答

出典:「美容センサス2022年上期」(2022年6月)、男性15~69歳、各サロン単一回答

男女それぞれの1年以内の美容サロン利用をみてみましょう。見比べると、男性のマーケットは女性以上に利用者がまだまだ少ないことが分かります。

女性以上に「手つかず」になっているマーケットなので、これから新規でサロンを利用するお客さまを集客できるチャンスが大きいのです。

②男性の美容・健康意識の高まり

出典:「美容センサス2022年下期<美容意識・購買行動>」(2022/12)、男性15~69歳、TOP5

男性が美容にお金や時間をかける理由を聞くと、「身だしなみを整えたい」が1位に。背景には、職場に女性が増え「身だしなみ」を気にする男性が増えたことが大きそうです。また女性とは異なるのは、「異性」のために美容投資する男性も多いということでしょう。

出典:「美容センサス2022年下期<美容意識・購買行動>」(2022/12)、男性15~69歳、TOP5

加えてコロナ禍で、美容意識や健康意識が上昇する人が増えています。コロナ禍の影響で感じる体調や美容の悩みについては、「体を動かす機会や運動量が減っている」が1位にランクインしました。

日中、同じ姿勢のまま過ごしている、という人も中にはいるようです。フィットネスや、リラクゼーションサロンなどのニーズも高まりそうですね。

③-1 上顧客化しやすい【リピート率が女性以上に高い】

※1年以内のリラクゼーションサロン利用者
出典:「美容センサス2022年上期<リラクゼーションサロン編>」(2022年6月)

ここからは「リラクゼーションサロン」のデータをもとに男性が「上顧客化」しやすい理由を解説します。

「使い続けているサロンがある」(リピートしているサロンがある)は、男性が女性を上回るスコアに。

男性はサロン以外でも、例えば飲食店でも「行きつけのお店」に通いたがる、という傾向が女性以上に高いともいわれています。

男性は、新しくいろいろなお店を体験するよりも、通い続けるサロンのほうが「安心できる/居心地がよい」と感じる人が多いのかもしれませんね。つまりいちど満足して通っていただけると、継続して通ってくださり、ロイヤルカスタマーになり得る可能性も高いということです。

③-2 上顧客化しやすい【店販の購入が女性以上に多い】

※1年以内のリラクゼーションサロン利用者
出典:「美容センサス2022年上期<リラクゼーションサロン編>」(2022年6月)

1年以内の店販購入率を男女で比較すると、メンズの店販購入の割合が、女性を大きく上回っています。

男性のお客さまは、先ほどご紹介した「リピート率(サロンへの定着性)」だけではなく、客単価アップにもつながる可能性が高いです。

美容の情報接点が女性ほど高くはないため、サロンが美容の情報接点になっているという男性も多いのです。このため、美容のプロであるサロンのスタッフに「おすすめ」されると、納得して購入されるという男性も少なくないでしょう。

しかし、男性の集客は「むずかしい」?

※ホットペッパービューティーアカデミー作成

注目されるメンズのマーケット。ご紹介したように、「マーケットの余白が大きい」「男性の美容・健康意識の高まり」「上顧客化しやすい」などメリットが大きそうです。

一方で、男性の集客・売上課題については、サロンから「単価が上がらない」「何をすればいいか分からない」などのお声もいただきます。次の記事は、「メンズの集客・売上アップのポイント」について解説します!

後編に続きます!

後編はこちら

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文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。

    調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。

    ◎寄稿・連載
    (2022年5月~2022年10月)「ビューティ・インサイト」(WWD)、以下連載中「数字で読む美容トレンド」(BEAUTOPIA)、「美容サロンの経営塾」(国際商業)、「美容トレンド最前線!」(ファッション販売)

    ◎共著
    『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)、『データで見るエステティックの今とこれから』(フレグランスジャーナル社)

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