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美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

2023/02/21

【後編】メンズマーケットに注目する3つの理由は?男性集客・顧客満足UPのポイントを解説

前編に続き、男性美容マーケットの解説です。後半では、男性の集客・顧客満足アップのポイントについて解説します。(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

顧客満足アップのカギとなる「MOT」とは?

MOT(モメント オブ トゥルース)とは、「お客さまサービス(サロン)の印象を決める決定的瞬間」のことを指します。男性のお客さまがサロンに対して、「満足」や「不満」を感じるポイントを、「MOTサイクル」というフレームを使って解説していきます。

男性のお客さまが、サロンのリピートや離脱(そのサロンに通わなくなること)はどんな時なのでしょう?上の図は、サロンのMOT(リピートや離脱を決める決定的瞬間)を示したものです。

実は、お客さまの満足・不満のポイントはサロンのあらゆるシーン(サロンのスタッフがお客さまと接するタイミング)で発生しているのです。「来店前」にもMOTがあることはぜひ覚えておいてください。

「サロンを知る」、「口コミ確認」入店前に、顧客満足が決まる!

※リラクゼーションサロンで「いやな思い」をして、「お店を変えた」もしくは「変えようと思った」男性
出典:「顧客満足(MOT)調査<リラクゼーションサロン編>」(2021年8月)、男性20~59歳

こちらは、男性が通っているサロンを「やめたい」と思ったタイミングの上位5位です。1位、2位は「技術」ですが、3位「サロンを知る(サロンの情報をネット等で検索する)」、4位「事前で口コミで確認」がトップ5にランクインしています。

サロンの情報収集や口コミチェックは、施術を受ける前、ましてやサロンに入る前です。つまり最初の集客段階で顧客満足が決まってしまっているのです。

※ホットペッパービューティーアカデミー/男性のサロン利用者に対するインタビュー

男性のお客さまのインタビューからも、集客サイトや口コミなどを入念にチェックしている様子がうかがえました。男性は女性以上にサロンは「普段行きなれない場所」「初めていく場所」という人が多いのでしょう。

サロンで浮かないのかなど、「自分がそのサロンに行ってもよいのか」を非常に気にしていることが分かります。

男女で異なるサロンニーズ。男性ならではの集客ポイントとは?

※ホットペッパービューティーアカデミー作成

男女の美容意識やサロン探しのニーズを比較すると、男性は美容を身だしなみ(マイナスからゼロ)にするためととらえている人が多くいます。

また美容との情報接点やサロンの利用経験が、女性ほどあるわけではない。このため美容のプロであるサロンスタッフのアドバイスや提案を受けられることにメリットを感じるのではないでしょうか。

男性集客のポイントは「発信」にあり!

※ホットペッパービューティーアカデミー作成

最後に男性集客のポイントをまとめました。

男性は女性以上にサロンに行くことに対して、「自分が行って大丈夫なのか?」と気にする方が多いため、ホームページ、集客サイト、SNSなどでしっかりと「男性が心地よくご利用できるサロンである」ことをまずは伝えることがポイントです。

男性のお客さまはさまざまな情報を確認されます。「男性OK」という表示だけではなく、店内写真で雰囲気を伝えたり、施術写真などで「自分がどんな風になれるのか」を伝えることが大事です。

あるサロンでは、入店されてからどんな風に施術するのかを、店内の様子とともに写真つきで順番に紹介していました。またブログでお客さまの施術の様子をお伝えしているサロンもみかけます。

これらは一例ですが、男性が「顧客対象」であることをしっかりと事前に伝えることが大切です。集客だけではなく、ロイヤルカスタマーの獲得につながっていくのです。

EDITORIAL NOTE

男性は女性以上にサロンの定着性が高いという調査結果が出ましたが、ヘアサロンでも「美容師さんの異動や独立にあわせて、一緒に動く」男性のお客さまは多いようです。

私の夫も担当スタイリストさんの移転や独立のたびに、サロンを変更しています。オーナーとなった店長さんと、経営についてお互い意見交換することもあるとか。

男性のお客さまは、仕事や趣味といった会話をきっかけに共感し、スタッフ/サロンへのロイヤルティを高めるケースも多そうです。

男性の顧客満足UP、こちらもチェック!


文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。

    調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。

    ◎寄稿・連載
    (2022年5月~2022年10月)「ビューティ・インサイト」(WWD)、以下連載中「数字で読む美容トレンド」(BEAUTOPIA)、「美容サロンの経営塾」(国際商業)、「美容トレンド最前線!」(ファッション販売)

    ◎共著
    『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)、『データで見るエステティックの今とこれから』(フレグランスジャーナル社)

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