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美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

「店販を買う人ほど、客単価が高い」ホントの理由

※女性15~69歳・各美容サロン1年以内利用者

ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期」

さらに店販購入者の1回あたりの利用金額が高いという点です。たとえば、美容室の女性の利用者では「店販購入あり」は9,960円、「店販購入なし」は7,097円で、購入者と非購入者との間には1回あたりの利用金額に2,863円もの差分が生まれています。

この差は、エステやネイル、リラク、アイサロンなど、他ジャンルでも見られます。

※男性15~69歳・各美容サロン1年以内利用者

ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期」

男性利用者でも同様に、店販購入者の美容室での1回あたりの利用金額は1,400円以上高くなっていました。

この違いは単に「物を買っているから(=店販購入分が上乗せされた)」という理由だけではなさそうです。

これまでのデータから見えてきたのは、店販購入者は年間の利用回数やリピート率が高く、その背景には「このサロンが提案するなら信頼できる」という気持ちがあること。サロン側の丁寧な説明やフォローが、お客さまの安心感や納得感につながっていると考えられます。

結果として、おうちでもサロンでも美容意識が高まり、+αのトリートメントや高単価メニューの利用率も高くなる傾向があると推察できます。

つまり、店販は単なる“物販”ではなく、「このサロンに任せたい」という信頼の表れであり、その気持ちが利用単価や継続率にも自然に反映されていると考えます。

店販はもっと伸ばせる?他業種に学ぶ好事例

※女性15~69歳・各美容サロン1年以内利用者

ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期」

女性の各美容サロンの店販購入率はジャンルによってばらつきはあるものの、美容室で13.5%、エステサロン(フェイシャル)、ネイルサロン、アイサロンで2割を超えています。

男性15~69歳・各美容サロン1年以内利用者

ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期」

男性の店販購入率はいずれのジャンルも女性よりもやや高めですが、男女ともまだまだ伸ばす余地があることは確かです。

ホットペッパービューティーアカデミーでは、店販休止者や購入意向者のデータをもとに潜在市場は5割~6割程度まで広がると見立てています。(ホットペッパービューティーアカデミー試算:こちら

では、他業種ではどのように店販を、成果につなげているのでしょうか?スポーツジムとカフェチェーンの事例を見てみましょう。

🏋️‍♀️  スポーツジム

スポーツジムでは「運動効果を高めたい」「ボディメイクに力を入れたい」と考えている会員が多く、プロテインやサプリメント購入との親和性が高いです。こうした商品を日常的に取り入れることで習慣化を後押しし、成果の実感やモチベーションの維持につながることで、ジムの継続率アップにもつながっています。

🥤カフェ・飲食業界

オリジナルグッズや季節限定商品を豊富に展開しているカフェブランドでは、「店内の体験」を「自宅の体験」へと広げる工夫が多く見られます。たとえば、コーヒー豆やタンブラー、スイーツなどをECサイトや店頭で販売することで、「家でもお気に入りの味や雰囲気を楽しめる」体験が広がり、結果として「また店舗で本物を味わいたい」というリピート動機へとつながっています。

このように、日常的に使える商品と、専門性の高いサービスが結びつくことで、お客さまの体験価値が深まり、結果として継続利用にもつながっているのが他業種の共通点です。美容サロンも同じく、お客さまの「美と健康」に直結するサービス。適切な商品を提案できれば、「この仕上がりをキープしたい」「次回も同じケアを受けたい」という気持ちを自然と高めてくれます。

店販を「販売目的のオプション」ではなく、“美容体験の一部”として提案していくことが、これからのサロン価値を高めるカギになっていきそうです。

店販を提案する3つのポイント+α

店販の重要性は理解していても、「どうすすめればよいかわからない」「押し売りに思われないか不安」という声は少なくありません。
お客さまに自然に受け入れてもらい、信頼関係を築きながら店販を活用していただくためには、いくつかのコツがあります。

✅ お客さまの”本音”を引き出すヒアリング

  • 店販提案の第一歩は、お客さまの悩みや目的をしっかり聞き取ること。仕上がりの理想やライフスタイルに合わせて、納得感のある商品選びにつなげましょう。

✅ 商品の魅力は”使い方”とセットで伝える

  • 効果や使い方を具体的に伝えることで、自宅でもしっかりと使用してもらえます。満足度が上がれば、サロンへの信頼にもつながります。

✅ 押し売りではなく、”選択肢の一つ”として提案

  • 無理にすすめるのではなく、お客さまの課題を解決する一つの選択肢として紹介する姿勢が大切です。自然な提案がリピートにもつながります。

こうした店販提案を自然に取り入れる手段として、ホットペッパービューティーのクーポンを活用するサロンも増えています。たとえば

  • 「カット+炭酸シャンプー+ホームケア用ミニボトル付き」
  • 「フェイシャル+乾燥肌対策クリーム付きトライアルセット」
  • 「まつげパーマ+まつげ美容液ミニサイズ付き」

このような施術+店販のセットメニューは、初来店時から商品に触れてもらうきっかけづくりとして効果的でしょう。「まずは試してみよう」という心理的ハードルを下げると同時に、気に入っていただけた際には「次回も同じ商品で続けたい」という継続意欲を高める導線となります。

EDITORIAL NOTE

「サロンでの体験」と「おうちでのケア」は、対立するものではありません。むしろ、お互いを高め合う存在として、お客さまの美容体験には欠かせない関係になりつつあります。

店販は、お客さまの悩みに寄り添い、施術の効果を持続させるためのパートナー。
そして、その積み重ねが「また来たい」という気持ちを育て、リピート率の向上につながっていきます。

数字としては、まだまだ伸ばせる余地がある領域。
ジャンルに応じたアプローチと、サロンの特長を生かした提案で、「おうち×サロン」のつながりを育てていきましょう。

今後のサロン経営において、店販は「プラスα」ではなく、「軸の一つ」になる時代が来ています。

お客さまの毎日を、もっと美しく。そんな想いが込もった店販提案が、これからの信頼とファンづくりにつながっていくはずです。

ご紹介した調査はこちら

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文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    美容に関する消費者行動を調査・研究
    これまでに発表した美容関連の調査は200本以上


    ■Deloitte Tohmatsu Consulting(デロイトトーマツコンサルティング)を経て、リクルート入社。ホットペッパービューティーの事業企画から2012年より現職。

    ■調査研究員として、美容センサスなどの消費者調査や研究員コラムなどでの解説を担当。美容センサスデータブック数字で見る美容などデータのビジュアライゼーションに定評がある。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。

    ■プライベートでは小学生2児の母、2024年から子供の小学校のPTA会長と学校運営評議委員を務める。

    ※メディア取材はコチラよりお問い合わせください。


    ◎寄稿・連載
    「数字で読む美容トレンド」(Beautopia)
    「ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』」(アイビューティージャーナル)
    「一橋ビジネスレビュー : 日本企業の人的資本経営 2023年 SUM.(71巻1号)」(共著/東洋経済)
    「美容トレンド最前線!」(ファッション販売/~2023年)
    「美容サロンの経営塾」(国際商業/全100回)、「ビューティ・インサイト」(WWD/全6回)

    ◎書籍(共著)
    「美容師が知っておきたい50の数字」(女性モード社)
    「美容師が知っておきたい54の真実」(女性モード社)
    「データで見るエステティックの今とこれから」(フレグランスジャーナル社)

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