店販を「買う」と決めるタイミングはいつ?どんな時?
サロン内で取り扱っている美容アイテムやスキンケア商品を購入する「店販」。サロンスタッフのアドバイスをもとに自分に合った商品を選べるなど、お客さまにとって便利で嬉しい体験である一方、サロンにとっても単価アップにつながるなど、双方にメリットがあります。
今回はその「店販」について、お客さまの購入意思決定タイミングなどを調査しました。
(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 江頭茉里)
全体的な購入意向は微減傾向に
店販購入の意向はどう変化している?
出典:美容センサス2024年上期<美容室編>(ホットペッパービューティーアカデミー)
美容センサスの調査によると、美容室における女性の店販での購入意向はコロナ禍にピークを迎え、状況が落ち着きつつある最近では若干の減少傾向(56.8%)にあります。
コロナ禍での意向増の背景には、頻繁な外出が難しく「おうちケア」の注目度が高まっていたことが考えられます。逆に最近では、特に制限なくサロンでの施術を受けられるようになったことから、ケア商品などの購入意向には若干のかげりがあるようです。
とはいえ、依然として半数以上の人が何らかの商品に対する購入意向を持っているのは、サロンにとって大きなチャンスです。お客さまの気持ちをうまく汲み取って、実際の購入につなげられるといいですね。
購入の意向・経験ともに高い20〜30代に注目
購入意向を年代別に見ると?
出典:美容センサス2024年上期<美容室編>(ホットペッパービューティーアカデミー)
美容室における女性の店販購入意向について、2024年度のデータを年代別で見てみましょう。
意向が最も高いのは15〜19歳の最も若い層(76.6%)となりました。実に8割近くが「購入検討・意向あり」と回答しており、かなり高い数字と言えます。次いで20代(67.2%)、30代(63.7%)と続き、年代が上がるほど購入に慎重になる様子が見られます。
実際の購入経験を年代別に見ると?
出典:美容センサス2024年上期<美容室編>(ホットペッパービューティーアカデミー)
次は、実際の購入経験について見ていきましょう。女性の中で、「ここ1年で購入した」あるいは「ここ1年間の購入はないが、過去に購入したことがある」と答えた人を年代別にまとめています。
購入経験が最も高いのは30代(あわせて37.7%)です。次に60代(あわせて34.5%)、20代(あわせて33.4%)が続きます。
意向としては最も高かった15〜19歳の実際の購買は年代別では最も低いものとなり、理想と現実には一定の乖離があることがわかります。若年層にとっては、自分の自由に使える金銭は限りがあり、興味はあっても実際に購入する余裕がない場合があります。店販に興味を持ってくださったお客さまにはサンプルをお渡ししてみたり、施術中に実際に使ってお試しをしてみたりできると、買いたい気持ちをより高めることができるかもしれません。
あるいは、10代のお客さまは自分のニーズに合った商品を見極める経験がまだ不足しているなど、サロンで実際に購入する勇気がない場合もあります。スタッフが適切なカウンセリングを行うことで、購入しやすい雰囲気を作るのも大切でしょう。
意欲・経験ともに高いと言えるのは20〜30代です。10代に比べ、経済的にも余裕が出てきますし、色々な面で自己投資を始める年代でもあります。よい商品と出会えば、リピーターになってくれる可能性も高いですね。店販を売るコツについては、こちらの動画でも解説していますので参考にしてくださいね!