【前編】美容診断の認知度は?お客さまへのリアルな影響はある?
「ブルベ冬」「イエベ秋」「骨格ストレート」…最近、こういった言葉を聞いた覚えがありませんか?SNSやメディアで「パーソナルカラー診断」「骨格診断」などが取り上げられる機会が増え、さまざまな美容に関する診断(以下、美容診断)への関心が高まっています。自分に合うものを求める傾向が強まっているようです。
今回は、美容サロン利用経験のある人とサロンスタッフのそれぞれに対し、美容診断についてのアンケートを実施しました。前編となる本記事では、診断が美容に関する行動にどのような変化をもたらしているのか、その実態をご紹介します。
(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 江頭茉里)
美容診断とは?
美容診断ってどんなもの?何がわかる?
美容診断とは、肌の色や骨格、顔立ちなどの生まれ持った個性を客観的に分析し、自分に似合う色やスタイルを診断するサービスです。
単に似合うものがわかるだけでなく、自分自身を理解し、自信を持ってファッションやメイクを選択するためのきっかけとして注目されています。
診断の種類も方法もさまざまですが、代表的な美容診断には次のようなものがあります。
パーソナルカラー診断
肌や髪、瞳の色などをもとに、自分に似合う色を診断します。「イエローベース(イエベ)」「ブルーベース(ブルベ)」といった呼び方や、「春・夏・秋・冬」に分類するものなどが広く知られています。
骨格診断
体のラインや骨格、質感などをもとに、似合う服の形や素材を診断します。「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」などのタイプに分けるのが一般的です。
顔タイプ診断
顔立ちの輪郭やパーツの配置をもとに、似合うテイストやデザインを診断します。「クール」「フェミニン」などの印象に合わせた分類が知られています。
メイクアップ診断
肌質や顔立ち、好みを踏まえ、自分に似合うメイク方法や色選びを診断します。パーソナルカラー診断と組み合わせて行われる場合もあります。
6割以上の人が何らかの美容診断を「知っている」
どのぐらいの人が美容診断を知っている?
出典:美容診断に関する調査【カスタマー】(ホットペッパービューティーアカデミー)
何らかのサロンを利用した経験のある10代〜40代の女性1,000人に聞いたところ、いずれの診断においても「知っている」と答えた割合が60%を超える結果となりました。
最も認知度が高かったのは「パーソナルカラー診断」で、約8割の人が「知っている」と答えました。最も低い「メイクアップ診断」でも65.8%が認知しており、美容診断は一般的に、かなり認知度が高いと言えるでしょう。
実際に受けたことはある?
出典:美容診断に関する調査【カスタマー】(ホットペッパービューティーアカデミー)
美容診断を「知っている」と答えた人の中で、実際の利用状況を調査しました。
「実際に受けたことがある」と答えた人は、最も多い「パーソナルカラー診断」でも14.0%であり、その他の診断では10%以下とまだ限定的であることがわかります。
どの診断でも最も多かったのは「興味はあるが、受けたことはない」と答えた人たちで、半数ほどが同様の考え方であることがわかります。つまり、多くの人が「受けてみたい」とは思いつつ情報収集の段階で止まっており、実際に行動には移せていないということがうかがえます。
もし、サロンでの施術の際に「ついでに診断」などができる機会があれば、受けてみたいと考えるお客さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
ここに、新たなニーズが眠っているかもしれませんね。
サロンスタッフの美容診断認知度はさらに高い
サロンスタッフの美容診断認知度は?
出典:美容診断に関する調査【サロンスタッフ】(ホットペッパービューティーアカデミー)
サロンスタッフに対しても同様に4つの診断に関して、認知度を調査しました。
一般のお客さまに比べてサロンスタッフの認知度は全体的に高く、7割以上が何らかの診断を認知しているという結果となりました。
美容業界で働くスタッフはやはり「美容のプロ」。日頃から最新の美容情報に触れているからこそ、こうしたトレンドにもいち早く関心を持っている様子がうかがえます。
資格の取得に興味はある?
出典:美容診断に関する調査【サロンスタッフ】(ホットペッパービューティーアカデミー)
サロンスタッフについては、実際に診断をする資格などを持っているか・取得したいと考えているかを調査しました。
美容診断自体の認知度が非常に高かった一方で、診断について「興味がない」とする声が約6割となりました。
多様なお客さまと向き合う現場では、美容診断のような理論的なツールを活用する方もいれば、診断に頼らず自身の技術や経験を軸に提案している方もいらっしゃいます。それぞれのアプローチが尊重される中で、美容診断は1つの選択肢として活かされているように感じます。
美容診断は1つのツールであり、現場のセンスや積み重ねてきた技術との組み合わせによってより幅広い提案ができるかもしれません。お客さまのニーズやサロンのスタイルに応じて、それぞれの強みを活かすことがより重要になってきそうです。