「ドライヘッドスパ」はインバウンドでも人気!その理由は?

2024年1月~11月の外国人旅行者数は、3,338万人(JNTO発表)。旅行者数は、前年比49.5%増と伸長を続けています。日本の美容サロンは、外国人旅行者の半数に利用意向があり(こちら)、ますます魅力的なマーケットとなる可能性が高まってきました。今回は、いま外国人旅行者に注目されている「ドライヘッドスパ」について、解説します!

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

“head spa”は、海外でも注目ワード!

出典:Google Trends

リラクゼーションサロンや美容室の定番メニューとしても人気のヘッドスパ。大きく分けると、リラクゼーションサロンで提供されるドライヘッドスパと、美容室で行う髪を濡らすタイプのヘッドスパの2種類があります。

もともと日本独自の造語である”head spa”ですが、Google Trendsでアメリカ合衆国における検索動向を見てみると、キーワードが急激な上昇傾向にあり、海外からも注目度が高まっていることが分かります!まだ全体的な検索量は多くありませんが、2023年以降に特にその伸びが顕著で、今後さらなる拡大が期待されます。

最近ではインバウンド需要を意識したドライヘッドスパサービスの展開が進んだり、日本特有の癒し文化が海外のSNSでも話題になることも。例えば、日本のドライヘッドスパ体験を紹介する動画など、海外からの口コミによる関心の拡大も見られます。

ドライヘッドスパは来店客の2割が実施

※美容サロンスタッフ(複数回答)出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」(2024年9月)

リラクゼーションサロンでのドライヘッドスパの利用を見てみましょう。

美容サロンスタッフに聞いた調査では、リラクゼーションサロンでは来店した外国人旅行者のうち約2割が施術しており、一定の利用者層をつかんでいると言えそうです。施術後に髪を乾かしたりメイクを直したりする必要がないので時短の癒やしメニューとしても人気でしょう。

ここからは昨今専門店化も進んでいる「ドライヘッドスパ」が外国人旅行者に人気を集める理由について考察していきます。

人気の理由①インバウンドには、もともとリラクゼーション施設が人気

※外国人旅行者(美容サロンの利用意向あり、複数回答)出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」(2024年9月)

外国人旅行者に日本の美容サロンの利用意向を聞いたところ、1位には「マッサージ・リラクゼーション施設」がランクインしています。

他の美容サロンに比べると、リラクゼーションサロンは男女ともに入店のハードルが低く、10分からと短時間で利用できるメニューもあります。施術の様子がイメージしやすく、「ちょっとした時間つぶし」にも利用しやすいといったこともあるでしょう。

もちろん旅行で歩き疲れた体をケアしたいといったニーズもかないます。

※外国人旅行者(美容サロンの利用意向あり、複数回答)出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」(2024年9月)

さらに、リラクゼーションサロンの利用意向を国別に集計した結果を見ると、東南アジア圏以外にも「イタリア」や「米国」など欧米圏もランクインしています。

訪日外国人旅行者数が多い国としては、韓国、中国、台湾、香港が挙げられますが(僅差で米国が次点)、リラクゼーションサロンの利用意向においては、主要なインバウンド国以外にも高いニーズがあり、今後インバウンドの需要が拡大する中で、さらなる市場成長の可能性が見込まれます。