写真は”キレイ”より“リアル”⁉ 「量」「質」「更新頻度」…選ばれる理由は？

🤝最も重視されているのは“スタッフの得意な施術”

「スタッフ」「スタイリストの情報」で重視していること

出典：「美容センサス2025年上期」（ホットペッパービューティーアカデミー）
※男女各15～69歳、複数回答

続いて「スタッフ」「スタイリストの情報」で重視していることのデータからは、男女ともに最も多かった回答が、「スタッフの得意な施術がわかること」でした（女性：22.0%、男性：12.2%）。「誰にどんなことを頼めるのか」が伝えられていることが、選ばれる理由になっています。

２位には「スタッフの写真が入っている」（女性：18.7%、男性10.3%）がランクイン。顔が見えることで、「人と技術のマッチング」に対する不安が軽減されるのでしょう。

ほかにも接客面や技術面において

💬 得意施術や専門分野が明記されている
💬 提案スタイルや悩み対応の一例が載っている
💬 自分に合いそうな人柄・接客スタイルが伝わる

などの具体的な情報があると「この人なら安心して任せられそう」という信頼のきっかけとなり、初回予約の後押しになるでしょう。

🤖「AI提案サービス」への期待も高まる

自分の髪質、顔や頭の形に似合うヘアスタイルを
ＡＩが提案してくれる

※「利用したい」を選択した人の割合

出典：「美容センサス2025年上期」（ホットペッパービューティーアカデミー）
※男女各15～69歳

さらにその先にあるのが、「自分に似合うスタイル（デザイン・施術）を提案してほしい」という期待感です。今後は「AIによる提案」にも注目が集まっています。

調査では「自分の髪質、顔や頭の形に似合うヘアスタイルをAIが提案してくれる」サービスを「利用したい」と答えた割合は、15～19歳女性で33.3%、男性で21.8%と高水準。若年層を中心に支持されています。

これは、“もっと自分に似合うスタイルを発見したい”“まだ知らない自分を見つけたい”というお客さまの期待の表れ。

写真やスタッフ情報が「見せるもの」から「選ぶ判断を支えるもの」へと変わるなかで、AIによる提案は次なる意思決定のサポートとして注目されています。

EDITORIAL NOTE

集客サイトに掲載される施術やサロン店内の写真は、いわば「疑似体験」の場。お客さまはそこで「どんな自分になれるのか？」を想像しながら、来店の意思決定を行っています。

つまり、写真やスタッフ情報は単なる装飾ではなく、「自分がその場にいるようなリアリティ」をどれだけ感じられるかが重要です。

リアルに“なりたい自分”を体感できる情報こそが、選ばれる入口になる時代。だからこそ今、写真や文章を通じて「この人にお願いしたい」と思ってもらえる表現の設計が、ますます重要になっているのです。

ご紹介した調査はこちら

美容センサス2025年上期＜美容室編＞美容センサス2024年下期＜美容意識・購買行動編＞

文責

田中公子（たなかきみこ）

ホットペッパービューティーアカデミー研究員

“美容業界の今とこれから”を、数字から読み解くリサーチャー

外資系コンサルティングファームを経て、リクルート入社。2012年よりホットペッパービューティーのマーケティング・企画領域に携わり、現在はホットペッパービューティーアカデミー研究員として、美容に関する消費者行動の調査・分析、業界への提言を行っている。

これまでに発表してきた美容業界の調査は200本以上。数字に裏打ちされた洞察力と、現場やメディアでもわかりやすく語れる伝える力に定評がある。業界誌・一般誌・テレビなどメディア取材多数。セミナー登壇や研修講師としても活動中。

プライベートでは小学生2人の母。学校PTAの活動にも全力で取り組み中（2024年度、2025年度 PTA会長）。

～数字だけにとどまらず、その背景にある“サロンやスタッフのリアル”を伝えることを大切にしています～メディア取材はコチラよりお問い合わせください。

◎寄稿・連載
「数字で読む美容トレンド」（Beautopia）
「ホットペッパービューティーアカデミー研究員田中公子氏が見る『アイビューティー業界』」（アイビューティージャーナル）
「一橋ビジネスレビュー : 日本企業の人的資本経営 2023年 SUM.（71巻1号）」（共著／東洋経済）
「美容トレンド最前線！」（ファッション販売／～2023年）
「美容サロンの経営塾」（国際商業／全100回）、「ビューティ・インサイト」（WWD／全6回）

◎書籍（共著）
「美容師が知っておきたい50の数字」（女性モード社）
「美容師が知っておきたい54の真実」（女性モード社）
「データで見るエステティックの今とこれから」（フレグランスジャーナル社）