初職の就業期間が短いほど、美容師を辞めている⁉早期離職の理由は?

人材不足の美容業界。美容専門学校を卒業した新卒の採用をどのサロンも切望していることと思います。しかし、新卒で入った美容師(アシスタント)の早期離職も大きな課題となっています。今回は、「美容サロン就業実態調査2024年」より初職(≒新卒)が「美容師」のデータをもとに、新卒美容師の離職の実態とその理由について解説します!

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

新卒の美容師は、36.7%が3年未満で離職

※美容師免許保有者かつ学校卒業後の初職が美容師の人(n=5,065、単一回答)
出典:「美容サロン就業実態調査2024年」

美容師の初職就業期間は、3年未満が36.7%。

厚生労働省の調査(「新規学卒就職者の離職状況」2019年3月卒)によると、新規学卒就職者のうち、3年以内離職率は大学卒が31.5%、高校卒が35.9%であるため、専門学校卒の離職率としてはやや高めかもしれません。

一般的には、新卒は最初の3年くらいで、仕事の進め方や社会人として働くためのイロハを身に付けていきます。美容師も同じで最初の3年は、技術者としてアシスタントからスタイリストになる過渡期で、大切な成長の機会です。それを途中で辞めてしまうことは、その後の美容師のキャリアにも影響するでしょう。

初職を離職後、美容師を継続するのは?

※美容師免許保有者かつ学校卒業後の初職が美容師で、その後辞めた/転職した人(n=4,653、単一回答)
出典:「美容サロン就業実態調査2024年」

初職を辞めた後に就いた職業を調べたところ、「美容師」を継続する人は55.4%。たったの半数しかいない結果に!

それ以外の人は「美容関連の職業」(10.4%)と美容業界にとどまる人も一定数いるものの、大半は「美容関連以外の職業」(27.9%)や「退職後、どこにも就職していない」(6.3%)と、美容業界を離れてしまっているのです。

新卒(初職)における早期離職は、美容業界の人材確保にとっても大きな課題です。