休眠美容師は推計84万人に!「多様で柔軟な」働き方が採用成功のカギに⁉

年々増加する美容サロンに対して、新たに美容スタッフとなる人数が少なく、美容業界でも人手不足が喫緊の課題となっています。

一方、労働環境の懸念から、美容師免許は取得しているものの現在美容師として働いていない「休眠美容師」は多く存在するとみられており、休日の確保、育児や介護との両立等の柔軟な働き方も可能になれば、休眠美容師を再び呼び起こす可能性もあります。

厚生労働省のデータや、ホットペッパービューティーアカデミーの「美容サロン就業実態調査2024」で休眠美容師の実態や、ニーズの高い復職条件等を解説していきます。

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

「休眠美容師」は推計84万人⁉

※免許登録者数累計:2014年(厚生労働省資料)、2015年~は、「(公財)理容師美容師試験研修センター新規免許登録件数」をもとに、ホットペッパービューティーアカデミーで試算
※従業美容師数:衛生行政報告例(厚生労働省)

休眠美容師は、「美容師免許をもっているが現在美容師として働いていない人」を指します。美容師免許の登録者数は厚生労働省による定期的な発表はありませんが、2014年時点で125.6万人と発表されており、ホットペッパービューティーアカデミーでは、2023年時点での142万人の免許登録者を見立てています。

2023年時点での従業美容師数が58万人であるため、休眠美容師は84万人程度と推測されます。

「理容師・美容師制度の概要等について」(厚生労働省)、「衛生行政報告例」(厚生労働省)、「新規免許登録件数」((公財)理容師美容師試験研修センター)をもとにホットペッパービューティーアカデミーで推計

この推計ですと、休眠美容師は年々増加していることが分かります。(もちろんこの中には、働く可能性がほぼない方も含まれると考えますので、実態は下振れします)

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン就業実態調査2024」

さらに、ホットペッパービューティーアカデミーの調査結果からは、現在働いている美容師に対して、「(美容師経験のある)休眠美容師率」は58.3%、「(美容師として働いたことはないが)免許のみ保有率」は19.8%という試算も!(15歳~93歳までの回答者による調査です)

いずれにせよ、現在働いている美容師よりも多くの「潜在的な美容師」がいることが推測されます。