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女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.828名中ママ3名で、月600人以上を集客!
ママ休眠美容師を採用するコツとは?

GREEN

東京都多摩市

豊かな緑とオシャレな街並みが共存する、東京郊外の聖蹟桜ヶ丘。ガーデンテラス風の店構えが目を引く「GREEN」は、希少なオーガニックヘナを扱うサロンのひとつです。ナチュラル志向のお客さまに対応するスタッフは、8名のうち3名がパートママ。ブランクのある休眠美容師も積極的に迎え入れています。月平均で630〜640人もの来店数がありながらも、それぞれのペースで働くスタッフが自然に協力しあえる。そんな環境づくりの工夫についてうかがいました。

1取り組み

ブランクのある休眠美容師を積極的に採用。アシスタント専門のパートもOK。

どんな取り組み?

求人では新卒生だけでなく、結婚や出産・育児でリタイヤした元美容師を積極的に募集している。パートの出勤は週2日から、勤務時間も相談のうえで柔軟に対応。また、スタイリストへのランクアップを目指さない、アシスタント専門スタッフも歓迎。シャンプー、ヘナ塗布、その他雑用のみでOKとし、その旨をホームページにも明記している。

きっかけとメリットは?

若い美容師がサロンに定着せずに悩んでいたとき、知り合いのオーナーが助言してくれたのが、休眠美容師に直接アプローチすること。「訳あって途中リタイヤしたが、もう一度働きたい元美容師さんは多い。その意欲を活かした方がいいとヒントをもらいました」(代表取締役・股野さん)。とはいえ再び練習してスタイリストを目指すことを求められるとプレッシャーになり、復帰に踏み切れない人もいる。そこで、もっと気軽に現場に戻れるよう、ハードルを下げてアシスタント専門スタッフも募集。すると応募数が一気に増えて、良い人材を採用することができたという。
このことで「担当を持つ自信はないが美容に関わりたい」という元美容師も、自分のペースで自信を持って働くことができる。ママスタッフ3名のうちひとりは、子どもが成人して復帰した50代の元美容師だ。アシスタント専門で、3カ月に渡り朝にシャンプーやヘナの研修を受けた。その後は特に練習を課せられることがなく、負担が少ない。「入社半年ですが、接客などは安心して見ていられます」と股野さん。

「GREEN」の大きな特徴が、髪を内側から健康にするオーガニックヘナを使った施術。全客数の50%以上が、ヘナのために来店しているという

「GREEN」の大きな特徴が、髪を内側から健康にするオーガニックヘナを使った施術。全客数の50%以上が、ヘナのために来店しているという

2取り組み

子連れ客やスタッフのために特大キッズスペースを設置。

どんな取り組み?

サロンをオープンする際に、ほぼ中央にガラス張りの大きなキッズスペースを設置した。子連れのお客さまだけでなく、スタッフも無料で利用できる。さらに、このキッズスペースを利用して、隣の女性専用ジムと共同でママと子どもを対象にしたイベントを毎週開催。地域の子育て支援にも取り組んでいる。

なぜそうした?メリットは?

オープン前に聖蹟桜ヶ丘の環境をリサーチし、子育て世代のニーズが大きいと考えて、キッズスペース設置に踏み切った。股野さん自身の4人の子育て経験から、見通しが良く、親子どちらもが安心できるガラス張りのレイアウトにこだわったという。
「お陰でリラックスして施術を受けられる」とお客さまの間で評判になり、子育て世代の集客に繋がった。特に土日は多くの子どもたちで賑わう。スタッフにとっても、預け先に困った時に利用できるので安心だ。「日曜日にママスタッフに応援を頼むときも、ここで遊ばせておくことができます。奥さまが風邪でダウンしたパパスタッフが、子連れ出勤したこともありましたね」(股野さん)。
こうした、子どもや育児に対する包容力を持ったサロンづくりは、自ずとママスタッフを応援する風土に繋がる。独身スタッフも育児の大変さを普段から目にしているので、ママに対して自然に気遣いができるという。

個店では珍しいほど広く、遊具やDVDも充実のキッズスペース。ガラスの向こうにママの姿が見えると、子どもは安心して遊んでくれるという。パパが一緒に来店して遊ぶファミリーも

個店では珍しいほど広く、遊具やDVDも充実のキッズスペース。ガラスの向こうにママの姿が見えると、子どもは安心して遊んでくれるという。パパが一緒に来店して遊ぶファミリーも

「生産的なスペースではないので、ここまで大きなものをつくることは挑戦。でも皆さんに喜んでもらえて大正解でした」と股野さん

「生産的なスペースではないので、ここまで大きなものをつくることは挑戦。でも皆さんに喜んでもらえて大正解でした」と股野さん

3取り組み

昼食は毎日炊き出し。健康な身体をつくり、社員とパートの連帯感を深める。

どんな取り組み?

サロンの昼食はスタッフから食費を集めて、当番制で毎日手作りしている。ご飯と味噌汁、カレー、うどんなど日によってメニューはさまざま。バックルームには冷蔵庫もあり、いつも新鮮な食材を一杯にストックしているという。

なぜそうした?

「前の会社でも、若い子がいつもお菓子で食事を済ませてしまうのを見てきました」と股野さん。美容業界はあまりに食に対して無頓着だと常々考えていたので、自分の店を持ったら必ず取り組もうと思っていた。サロンのオープニングメンバーと話し合って決め、創業からずっと続いている習慣だ。
美容師の仕事は体が資本であり、しっかりとした食事が大事。身体のコンディションが整ってこそ、お客さまを心からもてなすことができる。また、炊事や食事を通じて、パートとフルタイムスタッフの間でコミュニケーションの機会が増えるメリットもある。家事や育児に忙しいママスタッフも、ランチで他のスタッフの手料理が食べられることを楽しみにしているという。

お客さまに癒しの時間を提供するには、まずスタッフ自身が心地よく、安心して働ける環境が大事だと考えている

お客さまに癒しの時間を提供するには、まずスタッフ自身が心地よく、安心して働ける環境が大事だと考えている

代表取締役インタビュー

代表取締役の股野ひで夫さん。23年在籍した美容会社で営業をしていたときに、ヘナの素晴らしさを知って導入。その経験を活かして7年前に独立した。ハサミを置いてほぼ20年経つため、サロンワークではもっぱらシャンプーとマッサージ、ヘナ塗布を担当。「今は私自身がアシスタント業を楽しんでいます!」

Q. ママ以外のスタッフもベテランの方が多いですが、その理由は?

A. 経験を積んだ美容師の方が、ヘナの魅力を理解してくれるようです。

正直に言えば、若いアシスタントを採ってもなかなか定着しないことが一因ですね。今はカラーリング全盛の時代。若い美容師にとって、自然な発色に委ねる部分が多いヘナは面白くないのかもしれません。たとえば女性は出産をすると地肌や髪質が変わり、今までと違う悩みを抱えることがあります。そうした経験のある美容師の方が、健康やエイジングケアに気を使うお客さまのニーズをより理解できるのでしょう。結果的に店の特徴に合うお客さまと、店に合うスタッフでバランス良く営業できています。
ヘナを続けると、驚くほど髪にコシやツヤが出ます。リラクゼーション効果も高く、一度試して良ければお客さまはリピートします。純度の高いヘナは20〜30分で定着するので、接客時間も長くありません。ヘナの特徴を活かした店づくりで固定客が増え、こうした郊外の店舗にもかかわらず月平均600人を超えるお客さまに来ていただいています。

Q. どんな思いから、ママ美容師を積極採用してきたのでしょうか?

A. 「少しでも美容の仕事に関わりたい」と望む人に活躍して欲しいからです。

もともと「子ども」「育児」をキーワードに店づくりをしてきたし、ママという理由で採用を避けることもありませんでした。オープン当初から途切れずママ美容師がいるので、誰かが子どもの熱で欠勤したり、産休を取るのは普通。「みんなでフォローしよう」がスタッフの共通認識となっています。
出産などの事情で、スタイリストになる前に美容師を辞めた女性は少なくありません。そして、立派な国家資格を持っているのに、再就職では別の仕事に就いたりする。なぜもう一度美容師として働けないのか。やはり長いブランクの後に、20歳そこそこの若い子と同じ練習を頑張るのは厳しいんですね。全員にお客さまを取ることを求めるのではなく、その人に必要なスキルだけを身に付け、誇りを持って働ける場があっていい。意欲があればそれで人は育つし、サロンの大きな戦力になれると思っています。

Salon Data

GREEN【グリーン】

アクセス
京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩6分
創業年
2010年
店舗数
1店舗
設備
セット面12席
スタッフ数
8名(スタイリスト4名、アシスタント4名)
URL
http://www.green-nhd.jp
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