Vol.04
浦さやかさん
otope
ヘアサロン「otope」代表
1979年、長崎県生まれ。都内のヘアサロンを経て、2005年に「FLOWERS」設立に携わり、ディレクターに就任。2015年「FLOWERS」の別ブランド、「otope」の代表に。独特の感性を生かした斬新なデザインを得意とし、サロンワークを中心に、一般誌や業界誌の撮影も手掛ける。全国各地でのセミナーやヘアショー、商品開発など、幅広い分野で活躍中。
http://otope-930.com/
こだわりの手作り品
ほしいけれど、この世にないものは
手作りします。
実用性を極めた
“美容師エプロン”が自信作
子どもの頃、我が家ではおばあちゃんがセーターを編んだり、母や父も絵を描いたりしていました。当時流行ったドールハウスや着せ替え人形も、親の手作り品。そんな環境で育った影響もあり、学生時代から洋服作りや作画などが趣味に。
実は昨年、コンピューターミシンを買って、ものづくりに対するモチベーションがアップ!仕事から帰ったら、夜はその作業に集中します。今まで作った中で一番のお気に入りは「美容師エプロン」。サロンでの使いやすさをとことん追求しました。この話をすると、めっちゃ得意気になっちゃう(笑)。これ以上に使い勝手のよい「美容師エプロン」なんて、ないんじゃないかな?
ヘアショーの裏側
ヘアだけじゃない!
衣装も音楽もすべて
楽しみながらプロデュース。
ステージ上での演出で、
観客をびっくりさせたい
ヘアショーは衣装から音楽、演出まで可能な限り自分で手掛けています。大体2~3カ月前から企画を考え始め、1カ月前には音楽を決めて、最後の1~2週間で細かい詰めへ。ヘアは最終段階で考えます。衣装は毎回手作り。紙やフェルトを使ったり、最近は箱に凝っています。メイクはほぼスッピンで仕上げることが多いかな。あとはモデルさんの顔にテープで線を引いたり、シールを貼ったり。ショーなので、メイクも衣装もステージ上でパッと瞬間的に変化させて、観客をびっくりさせたい。ヘアショーは時間もパワーもかかるけれど、張り合いがあって刺激になりますね!
アイデアの源泉
いろんなものに興味を持っていれば、
それがいつかアイデアのヒントに!
大好きなイラストや漫画を、
毎日ひたすら見る
アイデアのヒントは、ほとんどがイラストや漫画から。写真より絵、三次元より二次元、自然にあるものより人工的なものが多いかな。昔のアニメのキャラクターにインスパイアされることも。大好きな漫画家の絵や作品は、とにかく毎日見ています。ずっと見ていると、作品の世界観や湿度感が自分に染みついてくる。作品のテンションが自分のものになってきて、それが自然とアイデアに生きてくるんです。
音楽は「いいな」と思った曲が、直接自分の作品に影響することが多いかな。コーネリアスや戸川純さんなど、ジャンルを問わず幅広く。ちなみに今日の通勤時はピンク・レディーを聴いてきました。
美容師の仕事は、普段からいろんなものに興味を持つことが大事。広く浅くでも、狭く深くでもいい。興味を持って見たり調べたりしたことが、いつかアイデアのヒントになると思う。
新しいアイデアを生み出すために、ジャンルを問わず古いものから流行りのものまで、幅広く目を配らせている浦さん。その中で、あらゆるヘアデザインを自分のものにしてきました。
「こんな個性的な店だけど、実は巻き髪のOLさんとかも多いんです」とのこと。
唯一無二の突き抜けた個性の裏に、地道な積み重ねがあることを知りました。
企画/柳澤真実 編集・文/加藤愛 撮影/久保田敦
※掲載されている情報は2017年08月07日現在のものです