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Mani Closet 筒井のぞみさん

Vol.05

坂狩トモタカさん

AnZie

ヘアサロン「AnZie」代表

1983年、福岡県生まれ。資生堂美容専門学校卒業。都内のヘアサロンを経て、2008年「newshotel(現AnZie)」に参加、店長に。ディレクターを歴任し、2015年「AnZie」のリニューアルオープンと同時に代表就任。サロンワークをはじめ、一般誌や業界誌、全国でのセミナーなど幅広く活躍している。コンテスト受賞歴も多数。
http://www.anzie.jp/

01 HOBBY

刺激を受けた映画

最近の映画も面白いけれど、
じっくり考えさせられる
昔の映画が好み。

往年の名作には、
学びがたくさん

①『ゴッドファーザー』PART I ・Ⅱ・Ⅲ

Blu-ray 各2381円(税別)/ DVD 各1429円(税別)
発売元・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

※3部作を収録した『ゴッドファーザー45周年記念ブルーレイBOX TV吹替初収録特別版(初回生産限定)』が2017年7月21日より発売中。1万2000円(税別)

②『イージー・ライダー』
Blu-ray 2381円(税別)/ DVD 1410円(税別)
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

自分の哲学構築のために、よく映画を観ています。好きなのは昔の映画。最近のものより、説いていることが多いように感じられるので。今回は、なかでも社会性の強い3作品を選びました。

①『ゴッドファーザー』は、時代の流れによる価値観の変化を描いた作品。二代目のボスが先代と同じことをやっても、時代が違うので上手くいかない。自分自身も今の流行を受け入れながら、新しい価値観を生み出していかなければという教訓に。

②『イージー・ライダー』は衝撃の結末が待っていて、何が善で何が悪かが分からなくなります。世の中にはさまざまな見解がある。だからこそ、自分のものさしで判断することの重要性を感じました。店のスタッフにも「自分のフィルターを持つべき」と教えています。

③『スター・ウォーズ』シリーズで僕が感じたのは、「ストイックに頑張ることも大切だけれど、自分の弱さを受け入れることも必要」というメッセージ。弱さを受け入れないと、人の気持ちも分からない。美容師としても、上手なカットの押し売りではなく、お客さまを感じて、その人に合ったデザインをするべき。「ヘアデザインは対話である」という現在の考え方は、そこから生まれました。

「ファッション、音楽、構図、世界観など、映画はデザインの総結集。何を伝えるためにこの描写をしたのか、というのを常に考えながら観ています」と坂狩さん

02 INSPIRE

ヘアスタイルのヒント

写真集やピンタレストで
いいなと思うビジュアルを見つけたら
参考にします。

美容師は、技術も感性も
常に“旬”であること

インスタグラム掲載のサロンスタイル写真は、ヘアも撮影も坂狩さんが担当。メイクや衣装に頼らず「ヘアで語る」ことをテーマにしている

ヘア中心ではなくポートレート系の写真集の中から、色っぽさのあるビジュアルを参考に

僕が提案する「色気ヘア」は、動いた時に綺麗にまとまって、崩れても色っぽくてかわいいスタイル。色気といってもエロじゃないんです(笑)。品のある色っぽさを、海外フォトグラファーの写真集などから学んでいます。

フォトコンテストをはじめ、ものづくりのヒントには「ピンタレスト」を活用。ポージングや光の使い方など、魅せ方を作品づくりの参考にします。

最近取り入れたのは、古いファッション誌。ファッションの流行は30年周期と言われているけれど、スマホの普及でその速さが変わったんじゃないかと。実際に古いファッション誌を数冊買って検証してみたら、今から15年前のスタイルが一番新しく見えたんです。つまり現代では、流行のサイクルは15年周期。その速さの中で、僕ら美容師は技術も感性も常に旬でないといけない。そのための情報収集や勉強は欠かせないことだと思っています。

ピンタレストは、ネット上の画像をブックマークとして集めるツール。「大量の情報の中から自分のフィルターを通して、一番旬なスタイルをチョイスする能力も重要」と坂狩さん
近所の古書店で買った昔の「Olive」。偶然にも坂狩さんの誕生日と同じ、1983年1月18日発売号を入手
03 BELIF

接客の信条

スキルアップし続けることは大前提。
人間力を上げることも
美容師としての価値になる。

ストイックに努力して
お客さまの“一番”であり続けたい

10年を超える長いおつきあいのお客さまも多数。「お客さまの人生を背負っているという気持ちでお迎えしています。ヘアデザインで素敵になっていただくのはもちろんのこと、元気も提供できる美容師でありたい」と坂狩さん

スタイリストになった時に掲げた信念が「お客さまに誠実であること」。そのためには、美容師としてずっと上手くなり続けなければいけない。何歳になっても努力を怠らず、技術的な勉強を続けていこうと心に決めています。

その努力は趣味においても同様。僕を選んで来店してくださったお客さまに、パワーをあげられる美容師でいたい。だから自分自身がアクティブに生きていかなければ、と。サーフィンや英会話などいろいろなことに挑戦して、楽しみながら努力する。現状維持が一番嫌いなので、ストイックに負荷をかけて、レベルアップしていきたい。向上心があってこそ、お客さまにとって“一番の美容師”でいられるのだと思うから。

副店長時代の坂狩さん。接客の信念はスタイリストデビューしてから10年以上、ずっと貫き通している

おおらかな笑顔とユーモアあふれる話術が魅力の坂狩さん。
「何かを与えられる人でないと、人は寄ってきてはくれない」。
・・・だから趣味にも、ストイックなほど全力投球。
そこで得たものを“人間力”という魅力に変えて、今日もサロンに立っています。

企画/柳澤真実 編集・文/加藤愛 撮影/久保田敦

※掲載されている情報は2017年08月28日現在のものです

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