オトナ女性の心をつかむ接客の極意 オトナ女性の心をつかむ接客の極意
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ファンを作るサロ友とは

ファンを作る「サロ友」とは?

少子高齢化でお客さまが減る中、リピート客獲得がより重要になっています。
そんな中、「顧客同士のつながり」を生み出すことで「サロンのファン」を作る…「サロ友」についてご紹介していきます。

T:Luck(東京都世田谷区)

「ビールが楽しめる美容室」で広がる交流の輪とは?

個性的な美容室が軒を連ねる下北沢で、ひときわ目を引くビールマークの看板。店内にはずらりと海外のビール瓶が並び、カウンターではお客さま同士が談笑中。そんな一風変わった美容室が、今回ご紹介する「T:Luck」です。
オーナーの伊藤聡司さんがこの店を始めたのは3年前。「万人受けではなく、印象に残る美容室」を目指して店づくりを進め、ファンを増やしてきました。取り組みのきっかけと根底にある想いとは?伊藤さんにお話を伺いました。

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店内で海外のクラフトビールを販売。

海外旅行がきっかけとなり、“ビールが楽しめる美容室”をオープン。

開業をまだ考えてもいなかった頃に、ひとり旅で初めて海外のバーを訪れたという伊藤さん。「ホテルにいてもつまらないからバーに行ったら、現地のおじさんがビールを奢ってくれたり、すごく仲良くしてくれたんです。それで言葉は通じなくても、楽しいお酒があれば人と人はつながって行けるんじゃないかと思って」。そこから“ビールをきっかけに人と人がつながる美容室”の構想が生まれ、開業へ向けて走り出すことに。1年かけて資金を作り、半年で物件を探し出し、帰国後約1年半で店をオープンさせた。

自分はお客さま同士をつなげる“バーテン”の役割。

オープン当初は缶ビールをサービスとして出していたが、それでは種類が限られてしまう。「毎回同じだとお客さまが飽きてしまうので、もっといろんな種類のビールを出すにはどうしたらいいかと考えました」と伊藤さん。その結果、酒類販売業免許を取ることに。現在は常時約12種類のクラフトビールを揃え、1本500円で販売。ビールを楽しみに来店するお客さまは多く、リピート率も上々だ。

「コミュニケーションのきっかけは僕がつくります。バーテンダーのイメージで、隣り合うお客さま同士に話題を振って、会話の輪を広げています」。そんな伊藤さんの計らいで意気投合し、施術終了後も話に花を咲かせるお客さまも少なくない。伊藤さんお手製のバーカウンターが、憩いの場として活躍している。

  • ビールが苦手だったお客さまが、海外の甘いビールを知って好きになることも。「うちの店に来ていろんなことを知ってほしい」と伊藤さん

  • ビールはジャケ買いが基本。なるべく珍しいものを紹介したいと、毎回種類を変えて仕入れている

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定期的に開催するイベントは宣伝効果も。

お客さま同士がつながる「TOMO TOMO会」を、宣伝の一環に。

お客さまとその友だち限定で参加できるイベント「TOMO TOMO会」を、2カ月に約1回のペースで不定期に開催。参加費は有料で、ビール1杯とおつまみが付く。「SNS全盛の時代だからこそ、リアルに交流したいと考えている人が多い。家庭や職場などいつもの人間関係だけでなく、たまには違う輪にも入りたい。そういう人たちの出会いの場になればいいなと思います」と伊藤さん。お客さまと一緒に参加した友だちが店に興味を持ってくれることも多いため、イベントは宣伝の一環にもなっている。

イベントには毎回テーマを設定する。

「ただ誰でもいいから飲みましょう、というと人は集まりにくい。何か自分に紐づけられるテーマが必要」と考える伊藤さんは、イベントに毎回さまざまなテーマを設定している。例えば、「英語で交流会」、「バイク乗り女子会」、「映画好き交流会」、「カメラ好き交流会」など。手持ち無沙汰にしている人がいれば声をかけて、気の合いそうなお客さまと話ができるように気を配る。「基本的には、自分が楽しむために開催しています。僕ひとりだけでは楽しめないので、みなさん一緒に楽しみましょうと。みんなが楽しく過ごしてくれたら、僕も楽しいので」と伊藤さん。採算度外視で行うために赤字の危機もあったが、3年間続けてみたところ、お客さまが増えて店の認知も広がった。

  • 同じ趣味を持つ仲間との出会いの場として大好評の「TOMO TOMO会」。今後は店の外で楽しむアクティビティ系のイベントも計画中

  • 外国人のお客さまも多い「T:luck」。外国人と日本人、両方のお客さまを呼んで英語で会話する「英語で交流会」も好評だった

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入念な呼びかけでイベントでのトラブルを防止。

開催前に「モラル遵守」を呼びかける。

イベントを始めた当初は、店のSNSで公に告知し、誰でも参加できるスタイルをとっていた。するとナンパ目的など、店に全く興味のない人までもが集まるように。そこで参加者を「お客さまとその友だちまで」に限定する「TOMO TOMO会」スタイルが生まれた。現在はSNSの非公開イベント設定で、登録者へのみ告知を行っている。また、告知の際には「モラルを持って楽しみましょう」という注意文言を添え、参加者の自制を促している。

お客さまの意見を積極的に拾いに行く。

「お客さまには常日頃から、何かあったらどんな小さなことでも僕に話してと伝えています」と伊藤さん。過去に一度トラブルの訴えがあった時には、相手にきっぱりと注意をした。結果として失客することになったが、姿勢を変えようとは思わない。それ以降はイベントで問題が発生することはなくなった。

「改善してほしいことがあったら聞かせて」と、お客さまの意見を吸い上げるための働きかけも忘れてはいない。「合コンみたいになるのが嫌だからゲームはいらない」など、寄せられた要望を可能な範囲で取り入れている。

  • 定番のファッション誌ではなく、旅行やビール、カメラなど趣味の本が書棚を彩る

  • 「気を付けているのは、続けていくこととぶれないこと。失客を恐れず、うちはこういう店だというのを発信し続けたい」と伊藤さん

代表インタビュー

伊藤聡司さん。神奈川県出身。サロン勤務、フリーランスの美容師を経て、2016年8月に下北沢に「T:Luck」を開店。DIYが得意で、店のカウンターやローテーブルなども自作している

Q.「居心地がいい」と多くのお客さまから言われる理由は何でしょうか?

A.僕自身がリラックスして、楽しく仕事しているからですかね。

僕が施術の合間に座ってコーヒーを飲んだり、自由に楽しみながら仕事をしているので、お客さまも寛げるのかも知れません。実際、お客さまとの距離感もなるべくフラットになるよう心がけています。友だちみたいな近さで、言いたいことをどんどん言ってもらえるのが理想。ヘアのことでも何でも、不満があれば話してもらって改善していきたい。僕はただ、楽しくやっていきたいだけなんです。

Q.今後、取り組みたいと考えていることはありますか?

A.ファンクラブをつくって、楽しい特典を提供していきたいです。

まずは店のファンクラブをつくろうと思っています。月額2000円くらいの会員制にして、その額以上の特典をリターンできるようにしたい。その特典の1つとして、年1回の海外への社員旅行に、抽選で1名を招待する企画も考えています。周年のパーティーで、ババ抜きをして決めたら楽しいんじゃないかと。抽選に外れても、自腹でいいなら一緒に来るのもOK。みんなで楽しめることを他にもたくさん計画中です。

Salon Data

T:Luck【ティーラック】

アクセス
小田急線・京王井の頭線下北沢駅東口より徒歩2分
創業年
2016年
設備
セット面4席
スタッフ数
2名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000363240/

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