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結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.76スタッフ20名の中うち6名がママに!
新たな求人も増えている秘密とは?

LUCIDOSTYLE reMix

愛知県豊田市

愛知の人気サロン「reMix」と、マンダムの美容室「ルシードスタイル」とのコラボで3年前にオープンした「LUCIDOSTYLE reMix」。レディースとメンズに分かれた施術スペースで癒しを提供する、ラグジュアリーなサロンです。一方でパートママが4名在籍し、2名が産休中。2017年にはスタッフ20名中6名がママになるという、女性が輝くサロンとしても有名です。その理由は、保育園不足を解決する社内託児ルームにあります。ママスタッフが集まるサロンの魅力について、店長の小島愛さんに聞きました。

1取り組み

保育士が常駐する託児ルームを全店舗に併設。出産したスタッフがすぐに働きやすい環境を作る。

どんな取り組み?

 「reMix」では、3店舗すべてに平日9:30〜15:30ごろまで保育士が常駐する社内託児ルームを併設。社員・パートを問わず、希望するママスタッフは1時間100円で子どもを預けてサロンで働くことができる。

導入のきっかけとメリットは?

 託児ルームを作ったのは3年ほど前、女性スタイリストを確保するために職場の環境整備を進めていた時期だ。そのころ、2人目の子どもを妊娠したスタイリストの佐野陽恵さんが子どもの預け先に苦慮していたため、復帰を後押しするために開設に踏み切った。ママスタッフは子どもを伴って出勤・退勤ができるので、安心してサロンで働くことができる。0歳〜3歳ごろを目処に、保育園や幼稚園に入園するまで預かってもらえるので、出産後すぐに職場復帰することも可能だ。
 またこのことにより、子どもの預け先がなくて再就職を諦めていた人も受け入れが可能になった。実際に「託児がある」という理由で応募してくれる女性が増えたので、パート採用にも良い人材が集まるようになったという。現在、「LUCIDOSTYLE reMix」のレセプション3名は全員ママ。そのうち2名は、社内託児を理由に入社したスタッフだ。

託児ルームを利用している、スタイリストの佐野さん。「長女は幼稚園に通っているので、次女をここに預けられるのは本当に助かります」と話す

託児ルームを利用している、スタイリストの佐野さん。「長女は幼稚園に通っているので、次女をここに預けられるのは本当に助かります」と話す

2取り組み

担当者が産休に入るときは、後任をお客さまに推薦。復帰まで割引料金で対応する。

どんな取り組み?

 スタイリストが産休に入るときは、本人から担当しているお客さまに直接報告し、復帰する時期や対応を伝える。産休前の最終日に次回の予約を取る際には、適任と思う代わりのスタイリストを推薦。お客さまには担当者を変えていただく代わりに、次回から4回目の来店まで割引料金で対応。また、4回来店の間に、指名なしでいろいろなスタイリストを試したいというお客さまに対しては、さらに割引率を良くしている。

その狙いは?

 担当者が休んでいる間にお客さまが離れていくことがあると、サロンにとっても損失になる。こうして本人が後任に引き継ぎを行い、その間お客さまを優遇することで、以前よりも失客を防ぐことができるようになった。お客さまの多くは、担当スタイリストが職場に復帰するまでリピートを続けてくれるという。

正社員採用後に2回の出産から復帰して、現在はパートで働く佐野さん(右)。同じ子育て世代のお客さまから信頼を得ていることで、サロンになくてはならない存在だ

正社員採用後に2回の出産から復帰して、現在はパートで働く佐野さん(右)。同じ子育て世代のお客さまから信頼を得ていることで、サロンになくてはならない存在だ

3取り組み

復帰後の働き方は、個別に話し合いで決定。フルタイム、時短、パートなどから選べる。

どんな取り組み?

 産休から復帰後の働き方は特に規定がなく、フルタイム社員、時短社員、パートなど各人の事情に合わせて話し合いで個別に対応。サロンは年中無休だが、2016年の夏から全スタッフに週休2日制を実施。その中でパートスタッフは、基本的に土日の2日間を休みにできる。

狙いは?

 ママスタッフがそれぞれの家庭の事情に合わせた働き方を選べることで、仕事に復帰しやすい環境ができる。また、パートスタッフの多くは子育て中のママのため、家族に時間を使いたい土日は基本的にお休みすることで、無理なく長く仕事を続けられるように配慮している。
 主婦層のお客さまが多い「LUCIDOSTYLE reMix」では、平日の開店〜夕方が忙しい時間帯だ。「その時間に全力で頑張ってくれるパートスタッフは、とても心強い存在。その意識は、常々浸透させています」と小島さん。ママへの理解が進むことで、子どもの病気などで急な欠勤があっても、自然にフォローしあえる。そんな家族的なサロンづくりを目指している。

サロン3周年記念パーティーにて。バーベキューやスポーツ大会など社内行事がとても多く、社員もパートママも一緒に楽しむ仲の良さが自慢だ

サロン3周年記念パーティーにて。バーベキューやスポーツ大会など社内行事がとても多く、社員もパートママも一緒に楽しむ仲の良さが自慢だ

店長インタビュー

店長に就任して約1年半という小島愛さん。「正式にお店を任されてからは、若いスタッフの成長やサロン全体の雰囲気づくりに、ずいぶん気を遣うようになりました」という

Q. 小規模なサロンで託児を運営するのは大変です。ここまでママを大切にする理由は何でしょうか。

A. 女性に長く仕事を続けてもらいたいという社長の強い思いです。

 他業種のワーキングマザーのお客さまからも「託児があってうらやましい!」とよく言われます。やはり働きたい女性にとって、子どもの預け先は切実な問題なんですね。社長の清水は以前から、優秀なスタイリストを確保するためにも、女性が長く働き続けられる環境づくりが不可欠だと考えていました。その点で出産・育児というハードルがクリアしやすくなれば、働き方の選択肢はぐんと広がります。若い女性スタッフにとっても、将来への不安が軽減されると思うんです。
 ママスタッフの最大の強みは、同じ経験を持つお客さまに共感できる力だと思います。主婦ならではの気配りもでき、サロン全体の魅力を引き上げてくれます。ここではママスタッフが子連れで参加できる行事も多いのですが、仕事も育児も全力で楽しむ先輩の姿を見ることは、若いスタッフにとっても刺激になっているようです。

Q. 今後もママスタッフが増えそうですが、そのためにどんな環境があるといいですか?

A. 意欲のある人のキャリアアップを後押しできるしくみです。

 限られた時間で育児と仕事を両立しようとすると、技術を向上させたいと思ってもレッスンの時間を取るのがどうしても難しくなります。パートスタイリストの佐野は、まさに今そういう悩みを抱えています。「reMix」には、新人が営業時間を使って研修やレッスンを受けられる「アカデミー」という育成制度があります。将来はそれに準ずるものをパートスタッフに対しても広げ、社内レッスンができるしくみが実現できればと思っています。
 また、ママスタッフにも何らかのリーダーとしてサロンを引っ張れるポジションがあるといいですね。勤務時間が短いからと一歩引くのではなく、ママ目線を活かしてどんどん発言できるように。そして将来的にはママ店長や幹部も出てきて欲しいと思います。

Salon Data

LUCIDOSTYLE reMix【ルシードスタイル リミックス】

アクセス
愛知環状鉄道三河豊田駅から徒歩約10分
創業年
1998年
店舗数
3店舗
設備
セット面17席 ※LUCIDOSTYLE reMix
スタッフ数
20名(スタイリスト9名、アシスタント8名、レセプション3名)※LUCIDOSTYLE reMix
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000269618/
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