コロナ影響による転職・離職はどちらも1割未満
私自身も、コロナ禍で自分を見つめ直したり、“働く”ということを改めて考えさせられる機会となった1年でした。
今度は少し切り口を変えて、美容師のコロナ起因による転職や離職影響について見ていきます。コロナ起因による転職・離職はどちらも1割未満。おそらくみなさんの想像より少ないのではないでしょうか?
コロナ以外の理由での転職は約3割と、こちらは2020年の25.2%と比較すると、微増という結果になりました。
転職理由をコロナ起因に絞って見てみると「通勤が不便だから・(引っ越し等で)遠いから」、「サロンのスタッフ・雰囲気が合わないと感じた」が上位に。
今回の調査でも約3割が「働く価値観が変化した」「重要視する項目が変わった」と回答するなど、働く上での意識が変化していることから、一緒に働くスタッフに対するケアも変えていく必要がありそうです。
コロナ禍で復職した人の復職理由は「この仕事が好きだから」
後に、コロナの影響により一度美容師を離職した人が再度美容師に復職した理由をご紹介します。
理由として一番多かったのは、「その仕事が好きだから」「スキルアップしたいと思ったから」、そして3位以下は働く環境の改善が上位に。
また7位にも「資格を生かした仕事のほうがよいと再認識した」がランクインしており、美容師という職業価値が再認識されたことがうかがえます。
全国に約75万人※もいるといわれる休眠美容師復職の波も今後広がっていくかもしれません。
このように、コロナ禍での仕事に対する価値意識の変化についてデータをもとに解説をしてきました。
新型コロナウイルスの流行の影響が今もやまない中で、2020年は多くの人が予測できない出来事に一喜一憂した1年だったかと思います。ただ改めて美容師として「仕事の充実感」や「やりがい」を感じられる1年であったことがうかがえる調査結果でした。
※免許保有者数123万8000人(出典:理容師美容師試験研修センター資料、平成25年)、従業者数48万7636人(出典:厚生労働省「衛生行政報告例」、平成25年)より算出
◇データ出典
・調査主体:株式会社リクルート
・調査実施機関:株式会社インテージ
・調査実施時期:2021年2月19日~2月26日
・対象者条件:15歳以上の男女 かつ現在職業が美容師1,390人を対象に調査
・回答者年齢構成:15~19歳 0.7%/20~29歳 11.5%/30~39歳 27.5%/40~49歳 31.2%/50~59歳 20.4%/60歳以上 8.7%