美容サロン、転職の理由1位は?求職者が最も知りたい情報は?

サロン数に対して人手不足の美容業界。今回は、2023年4月に発表した「美容サロン就業実態調査」から「転職・就職」について解説します。(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

70%超のスタッフが転職を経験

※美容サロン従事者、単一回答
出典:「美容サロン就業実態調査」(2023年4月)(ホットペッパービューティーアカデミー)

現在、美容サロンで働いている人に転職経験を聞いたところ、73.5%が「業界内での転職経験あり」と回答しています。

前回のコラムでは「業界の離職率」が下がっていることをご紹介しましたが、業界内では転職率が高く、このため転職者の採用マーケットが大きいことが分かります。

2023年の転職率は、前年から増加

※同じジャンル内で転職あり

※美容サロン従事者
出典:「美容サロン就業実態調査」(2023年4月)(ホットペッパービューティーアカデミー)

直近1年間での転職経験を聞くと、各ジャンルとも2割~3割の人が1年間で転職している結果に。そしてすべてのジャンルで、2022年から2023年にかけて転職率が上昇していました。

コロナ禍では、採用を見合わせるサロンも多かったとうかがいます。コロナ禍の様々な規制が緩和される中で、サロンの採用意欲も上昇し、業界での転職も活発になったのかもしれません。特にヘアの転職率が大きく上昇しています。

転職の理由1位は?

※ジャンルALL

※別のサロンへの転職経験ありの人が回答(単一回答)
出典:「美容サロン就業実態調査」(2023年4月)(ホットペッパービューティーアカデミー)

転職の理由をみてみましょう。転職したいちばんの理由は「給与に関して不満があったから」が突出しています。

憧れの職業に就いたものの、現実的に生活が厳しいという人は多いのかもしれません。

一方で、ここ数年、業界では給与改善に取り組むサロンが増えてきています。給与の条件が良く、労働環境も良い、そういったサロンに転職したいと考える人が増えるのは自然なことでしょう。

転職意向者も増加

※現在転職を希望している人の合計

※TOP5、「現在転職を希望しており、転職活動をしている」「現在転職を希望しているが、転職活動はしていない」の合計
出典:「美容サロン就業実態調査」(2023年4月)(ホットペッパービューティーアカデミー)

「現在転職を希望している」人の割合も前年から増加しているため、転職者の動きは今後ますます活発になるのではないでしょうか。

特に「ネイル」は前年28.4%から40.9%にまで増加。コロナ禍により結婚式などのイベントが減少したことでサロン利用者が減ったことや、昨年からの物価高の影響も受けて、「環境を変えて働きたい」と感じている人が増えているのかもしれません。