できると差がつく新人研修 2割以上が未実施の内容は?

新卒・未経験のスタッフを採用した際、スムーズに仕事に慣れてもらうために重要なのが、新人研修です。今回は、美容サロンが行っている研修・講習会・勉強会(以下「研修」)の実態についてホットペッパービューティーアカデミーが調査を行いました。

「新人・未経験者を採用したことがある」または「意向がある」サロンの305名に聞いたアンケート結果をご紹介します!

押さえておきたい研修内容や、実施すると他サロンとの差別化が狙える研修など、自サロンの研修の見直しにもお役立てください。

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 江頭茉里)

新人研修は実施している?

※新人・未経験者の採用あり(単一回答)
出典:サロンボード「新人研修に関する調査」(2024年10月)

研修を「実施している」と答えたのは68.9%と、多くのサロンで何らかの新人研修が行われていることが分かります。
別の調査(こちら)では、美容師の場合、新卒3年未満での離職率が36.7%という決して低くはない数字も出ています。初職のサロンで技術・接客スキルなど、必要なキャリアをしっかりと学ぶことができると、サロンへの定着率も大きく変わります。

しっかりした新人研修が必須の時代と言えそうです。

実際の研修では何をしている?

※研修を実施している(複数回答)
出典:サロンボード「新人研修に関する調査」(2024年10月)

美容サロンでは実際に、どんな内容の研修が行われているのでしょうか。まずは「研修を実施している」内容をご紹介!

トップ5のうち、「カウンセリングの方法について」(61.2%)、「マナー・言葉遣いなど」(55.3%)という「接客」に関する研修がランクイン!

非常に重要と考えているサロンが多いことがうかがえます。

※研修はしていないが、仕事の中で教えている(複数回答)
出典:サロンボード「新人研修に関する調査」(2024年10月)

「研修はしていないが、仕事の中で教えている」というのは、いわゆるOJT(On the Job Training)形式での研修です。

このトップ5では、「掃除の仕方」(63.0%)など、日頃のサロンワークの中で実際に取り組みながら覚えられそうな項目が上位に。

3位にランクインしたのは「コンプライアンスについて」(59.4%)ですが、昨今では美容業界だけでなく、あらゆる業種でコンプライアンスが重要視されています。サロンにおいては、お客さまに対するコンプライアンス、従業員同士のコンプライアンスのどちらも考えられるとよさそうです。

※研修でも仕事の中でも教えていない(複数回答)
出典:サロンボード「新人研修に関する調査」(2024年10月)

「研修でも仕事の中でも教えていない」つまり、何も研修で扱っていないという回答の割合が高かったのは「在庫管理の方法」(23.3%)や「SNS活用」(22.4%)でした。

これらはOJTでの研修を実施していると答えたサロンもあった一方、実はまったく教えていないサロンも多いことが分かります。

在庫管理については、オーナーや店長が行っているため必要ないというケースもあるかもしれません。ただ、新人の頃から在庫管理の原理原則を知っておくだけでも、使用する商材に対するコスト意識を高められるため、できれば早めに教えてあげることが大切かもしれません。

また最近では、SNSを活用して多くのファンを作り、アカウントにホットペッパービューティーの予約URLを連携して集客に成功している事例も多く見られます。こういった研修を強化できると将来の売上にもつながっていくでしょう。