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美容室の年間の利用総額1位は、東京都!

次に【年間の利用総額ランキング】をみていきましょう。1位は東京都(3万8,569円)です。

東京都は客単価(1回あたりの利用金額)では、全国8位とトップ5圏外。東京都が年間の利用総額で1位となる背景は何でしょうか?

東京都は高付加価値メニューの利用回数が全国1位

高付加価値(高単価)メニューの【年間の利用回数】から、その答えがみえてきます。東京都は、カラー、トリートメント、ヘッドスパの年間利用回数がいずれも全国1位!

◎カラー全国1位の背景
人気のブリーチなどのハイトーンカラーは、キレイな色を保つためには小まめにメンテナンスする必要があるため、カラーの来店頻度が多くなるのでしょう。

◎トリートメント全国1位の背景
また、ハイトーンカラーで傷んだ髪のために、トリートメントの回数も連動して増加すると考えます。

◎ヘッドスパ全国1位の背景
ヘッドスパの回数が全国1位なのは、コロナ禍で本質的な志向が高まり、「髪質改善」のニーズが上昇しています。ヘッドスパは、「髪質改善」を目的としたお客さまも多そうです。(髪質改善は、こちらのコラムで解説!)

このように東京都では、高付加価値メニューの利用回数が多く、その影響で年間の利用総額が1位になると考えます。

【ネイル、脱毛、アイ】サロン利用率1位の都道府県は?

最後にヘア以外の美容サロンの利用率をみてみましょう。

ネイルサロン、エステ(脱毛)サロン、アイサロンの利用率(1年以内にサロンを利用した比率)の1位はすべて沖縄県!東京都等を上回る結果になりました。

沖縄県は、1 年を通して平均気温が高く半袖でいる期間が長いことや、マリンスポーツなどの文化性からもボディケア(脱毛)への意識が高いことも考えられます。

また観光業が盛んで夏のビジネスウェアも「かりゆしウェア」をはじめとしたカジュアルな服装が一般的です。ネイルやアイビューティーなどの美容も自由に楽しんでいる可能性があります。

都道府県別の美容サロン利用から見える傾向は?

都道府県別の美容サロン利用のウラには、都道府県ごとの地域性が密接に関係しています。美容サロンは、地域密着型の消費をしており、その地域ごとの環境によって投資意欲が変化するようです。

例えば出店を他エリアにお考えの場合など、ご参考になれば幸いです。

EDITORIAL NOTE

コロナ禍で都心部への出店ではなく、郊外・地方都市への出店を検討するサロンさまの声を聞くことが増えています。

競合の観点や、今回の調査にあるように、客単価や店販の購入率が高いこともポイントかもしれません。

今後の郊外・地方サロンのマーケットに注目です。

ご紹介した調査はこちら

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参考:
「福井県」のホームページ(「幸福度日本一ふくい」
「島根県」のホームページ(「美肌県しまね」

文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。

    調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。

    ◎寄稿・連載
    (2022年5月~2022年10月)「ビューティ・インサイト」(WWD)、以下連載中「数字で読む美容トレンド」(BEAUTOPIA)、「美容サロンの経営塾」(国際商業)、「美容トレンド最前線!」(ファッション販売)

    ◎共著
    『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)、『データで見るエステティックの今とこれから』(フレグランスジャーナル社)

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