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ネット予約の拡大が継続、検索サイトからの予約は3割に

※1年以内の施術利用者(20~59歳男女)・複数回答、出典:鍼灸・接骨院に関する利用実態調査2025(ホットペッパービューティーアカデミー)

「あはき柔整」の施術というと、「ネットはあまり使われていなさそう」というイメージを持たれるかたも多いのかもしれません。しかし、実際はネット予約の比率は年々上昇し、2025年は全体の54.1%がネット経由となりました(前年比+2.9ポイント)。電話予約や店頭予約の比率が少しずつ減少する一方で、「ネットで探して、ネットで予約する」行動が着実に定着しつつあります。

また、20代に限ればネット予約経由は6割を超えており(資料P58)、若年層の予約行動はデジタルファーストにシフトしていると言えるでしょう。若年層の新規顧客を取り込みたい場合、「ネット上で見つけられ、すぐ予約できる状態」を整えておくことが不可欠です。

※1年以内の施術利用者(20~59歳男女)・複数回答、出典:鍼灸・接骨院に関する利用実態調査2025(ホットペッパービューティーアカデミー)

さらに、予約経路の内訳を見ると、最も多かったのは「ホットペッパービューティー」などの施設検索・予約サイト経由(29.2%)で、施設の公式サイト(19.5%)やLINE(16.6%)を上回る結果となりました。つまり、お客さまは“行きたい施設”を検索し、そのまま予約までを完結させる流れが主流になっていることが読み取れます。

※「ホットペッパービューティー」の利用者(20~59歳男女)・複数回答、出典:鍼灸・接骨院に関する利用実態調査2025(ホットペッパービューティーアカデミー)

特に、ホットペッパービューティーのような検索予約サイト上では「見せ方」「掲載内容の充実」「クーポン・導線の最適化」が、来店率に直結する時代になっています。実際に「ホットペッパービューティーで参考にしていること」を聞いたところ、上位には「メニュー(40.4%)」「クーポン(34.5%)」といった基本情報に加えて、「施設内の様子が分かる写真(32.7%)」や「ブログ内での詳しい説明(28.5%)」など、“リアルな雰囲気”や“深い理解”につながる情報もランキング上位に挙がりました。

つまり、ただ情報を載せるだけでなく、写真や文章で“その施設に行くイメージが持てるか”が、来店行動の後押しになっていることがうかがえます。

※集客サイトの「写真」について、より詳しい解説はコチラのコラムもチェック!▶▶▶「写真は”キレイ”より“リアル”!?「量」「質」「更新頻度」…選ばれる理由は?」

市場はどう動く?男性・女性・若年層、それぞれのアプローチ法

今回の調査では、市場全体としては前年から減少したものの、男性市場の拡大ネット予約の定着といったポジティブな動きも見られました。こうした変化を捉え、どの層に、どのようにアプローチしていくかが、これからのサロン経営のカギを握ります。
とくに注目すべきは以下の3つのターゲットです。


■ 男性層:伸び続ける“入りやすい”市場

男性市場は2年連続で成長し、今後も「健康管理」や「メンテナンス」への関心の高まりを背景に、安定した需要が期待できるでしょう。接骨院や整骨院の“入りやすさ”を活かし「気軽に立ち寄れる」「効果が実感できる」ことが伝わる設計がポイントになります。


■ 女性層:価格感度を踏まえた価値訴求がカギに

20代女性では平均単価の下落が見られた一方で、「体質・体調に合わせた施術」や「安心して相談できる」といったニーズは依然として高く、将来的には再拡大が見込まれる市場です。今後は、費用対効果が伝わるメニューや、予約サイトやSNSでの情報発信の質が、選ばれるかどうかの分かれ目になりそうです。


■ 若年層:スマホ起点の“見つけやすさ”と“伝わりやすさ”が決め手

20代ではネット予約の比率がすでに6割超。「検索してそのまま予約」が当たり前になっており、検索サイト上での見せ方や導線の整備は必須です。特に20代は「共感」「信頼性」に敏感な層でもあるため、口コミの数、口コミへの返信などの対応も、自然な来店導線につながっていくでしょう。

EDITORIAL NOTE

市場が落ち着きを見せる中でも、男性市場のように新たなニーズが生まれ、着実に成長している分野があることを、今回の調査からあらためて確認することができました。

変化の裏側にあるお客さま一人ひとりの気持ちに寄り添い、その想いに応えようと日々向き合っているサロンの皆さまを、これからもデータの力で支えられるよう、私たちも一緒に考え、伴走していきたいと思います。

ご紹介した調査はこちら

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【市場規模推計 算出の方法】
男女各年代(20代、30代、40代、50代)の市場規模推計の合算値(20~59歳・男女合計)。
市場規模推計(円) =人口(人)※1×1年以内の施術利用率(%)(資料P14)×1回あたり利用金額平均(円)(資料P34、P36、P38)×年間利用回数平均(回)(資料P27、P29、P31
※1 人口データは人口推計(総務省統計局)性年代別の合計値で計算。男女別人口―総人口(各年10月1日時点)。調査年の前年10月1日時点の人口を使用。

文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    “美容業界の今とこれから”を、数字から読み解くリサーチャー


    外資系コンサルティングファームを経て、リクルート入社。2012年よりホットペッパービューティーのマーケティング・企画領域に携わり、現在はホットペッパービューティーアカデミー研究員として、美容に関する消費者行動の調査・分析、業界への提言を行っている。

    これまでに発表してきた美容業界の調査は200本以上。数字に裏打ちされた洞察力と、現場やメディアでもわかりやすく語れる伝える力に定評がある。業界誌・一般誌・テレビなどメディア取材多数。セミナー登壇や研修講師としても活動中。

    プライベートでは小学生2人の母。学校PTAの活動にも全力で取り組み中(2024年度、2025年度 PTA会長)。

    ~数字だけにとどまらず、その背景にある“サロンやスタッフのリアル”を伝えることを大切にしています~メディア取材はコチラよりお問い合わせください。


    ◎寄稿・連載
    「数字で読む美容トレンド」(Beautopia
    「田中公子氏が見る『アイビューティー業界』」(アイビューティージャーナル

    ◎これまでの寄稿
    「一橋ビジネスレビュー : 日本企業の人的資本経営 2023年 SUM.(71巻1号)」(共著/東洋経済)、「美容トレンド最前線!」(ファッション販売/~2023年)、「美容サロンの経営塾」(国際商業/全100回)、「ビューティ・インサイト」(WWD/全6回)

    ◎書籍(共著)
    「美容師が知っておきたい50の数字」(女性モード社)、「美容師が知っておきたい54の真実」(女性モード社)、「データで見るエステティックの今とこれから」(フレグランスジャーナル社)

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