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2025/02/25

2024年10-12月の美容消費係数は2.95%
前年のピークからは落ち着くも、高水準を維持

【美容消費係数】から読み解く美容トレンド!

美容消費係数は、家計に対する理美容の支出割合です。お客さまの「美容財布」を知ることで、サロンの打ち手につなげていきましょう!

【最新】2024年10-12月解説

1.美容消費係数の推移

2024年10-12月の美容消費係数は 2.95% となり、7-9月の 2.97% からやや低下しましたが、依然として安定した水準を維持しています。2023年のピーク(3.11%)からの推移を見ると、やや落ち着きを見せつつも、長期的なトレンドとしては高水準を維持していることが分かります。

2. 景気動向指数(CI)との関係

一方で、景気動向指数(CI)は 116.3 と、2023年と比較して上昇傾向にあります。一般的に景気が良いと消費意欲が高まり、美容消費も増える傾向にありますが、今回のデータではCIの上昇に対して美容消費係数が横ばいからやや下降傾向という興味深い動きが見られます。

時系列グラフ(美容消費係数)

  • 1年推移
  • 5年推移
  • 10年推移
過去5年のトレンド
美容消費係数は 2.7%台 をベースに推移し、コロナ禍後の2023年に一時的に3.1%台まで上昇しました。2024年の数値はそのピーク時よりは若干低下したものの、長期的な平均値(2.7~2.9%)よりは高めに推移しており、依然として高水準といえます。

過去10年のトレンド
2015年~2019年の2.7%前後から、2020年以降の増加傾向が確認できます。特に2023年以降は景気回復とともに美容消費が活発化しており、2024年もその影響を受けつつあります。

【理美容】サービス・モノ消費額

2024年10-12月の理美容サービス支出は 3,178円となり、7-9月の2,997円から増加傾向を示しました。ただし、2023年のピークである3,384円には届かず、やや抑えられた動きとなっています。
2024年10-12月の理美容用品支出は4,550円 となり、7-9月の4,234円から再び上昇しました。2023年のピーク4,598円に迫る水準で、堅調な消費傾向が続いています。

時系列グラフ(理美容サービス・モノ消費額)

  • 1年推移
  • 5年推移
  • 10年推移
中長期的には、理美容サービスは、コロナ禍後の回復が顕著で、2020年以前の水準(2,700円前後)から着実に上昇しています。一方で、2023年後半から横ばい傾向も見られます。

一方、理美容用品は、2015年頃の3,900円前後から上昇し続けており、2020年以降は4,000円を超える水準で推移しています。ホームケア需要の拡大や物価上昇の影響を受け、金額の増加が続いていると考えます。

今後の展望とまとめ


■今後の展望

  • 季節性の影響:10-12月は例年、美容消費が高まりやすい時期ですが、2023年に比べるとやや落ち着いた動きが見られます。今後、年明け以降の消費動向に注目が必要です。
  • 物価上昇の影響:2024年はインフレの影響が続いており、美容関連消費の優先度が変化する可能性も考えられます。特に高額サービス(エステ、医療美容など)へのシフトや、美容サービスの頻度減少が起こるかどうか、注意深く見守る必要があります。

■まとめ

2024年10-12月の美容消費係数は2.95%で、直近のピークである3.11%(2023年10-12月)からは若干の低下が見られます。しかし、長期的な平均と比較すると依然として高い水準を維持しており、美容消費の底堅さが伺えます。一方で、景気動向指数(CI)は上昇しているにもかかわらず、美容消費が横ばいまたはやや減少している点は注視すべきポイントです。

今後はインフレの影響、消費者の可処分所得の変化、季節的な要因を踏まえながら、美容消費の動向を追い続けることが重要です。

美容消費係数の算出方法

美容消費係数(%)=
消費支出
×100

○出典 総務省「家計調査」より、「ホットペッパービューティーアカデミー」にてデータ編纂。
(※美容消費係数は「家計調査」を元に、独自算出)

【用語解説】美容消費係数とは?

ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容消費(サロン消費+モノ消費)のトレンド見立てに、「美容消費係数」という指標を使っています。

「美容消費係数」とは、総務省が公開している「家計調査」から、「毎月の全世帯での消費支出」に対する「理美容サービス(サロン消費など)」+「理美容用品(化粧品などのモノ消費)」の消費支出割合をホットペッパービューティーアカデミーで独自に編纂した指標です。

つまり、「美容消費係数」は家計における美容消費シェアであり、この数字が上がっていれば、カスタマーの美容投資の優先順位が上がっているということが分かるのです。

文責

  • 田中公子

    田中公子(たなかきみこ)

    ホットペッパービューティーアカデミー研究員

    美容に関する消費者調査を、業界・社会に発信
    調査データから、美容サロンの「売上UPのヒント」を読み解いています!


    ■経営コンサルティングファームを経て、リクルート入社。ホットペッパービューティーの事業企画から2012年より現職。

    ■調査研究員として、「美容センサス」などの消費者調査や「研究員コラム」等での解説を担当。「美容センサスデータブック」「美容センサス動画」などデータのビジュアライゼーションに定評がある。

    ■セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。

    ※メディア取材はコチラよりお問い合わせください。


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