着衣の施術が苦戦する中で、「男性の脱衣ニーズ」急増の背景

昨今、ネイルやアイビューティー、エステなど、さまざまな美容ジャンルで男性の需要が高まりを見せています。
一方で、「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」のデータを見ると、リラクゼーション市場全体のトレンドには少し異なる動きが生じています。
今回は、縮小傾向にある「着衣の施術」と、それに反比例して急増している「男性の脱衣の施術」のデータから、お客さまニーズ(インサイト)を紐解きます。
(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)
目次
苦戦するリラクゼーションサロン市場:「着衣の施術」の大幅な減少
市場規模は3423億円。前年から約1割減少

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
リラクゼーションサロンの市場規模は3423億円。前年の3798億円と比べて-9.9%、約1割減少しています。
施術の内訳でみると、これまで主流であった「着衣の施術(もみほぐしや整体など)」が2392億円で前年から14.5%減少と落ち込みが目立っています。
男女とも着衣の施術の市場規模は減少

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
男女別には、女性の着衣の施術は1334億円(前年比-7.8%)、男性は1058億円(前年比-21.7%)と、男女ともに減少する結果となりました。
年間利用回数は男性が前年から大きく減少

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
特に男性の着衣の施術市場の縮小幅は大きく、年間利用回数も平均5.31回(前年比10.3%減)と低下しており、利用の鈍化が顕著に表れています。
逆行するトレンド:男性の「脱衣の施術」が急増
男性の脱衣の施術が前年から23.9%増加

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
着衣の施術が減少する一方で、力強い伸びを見せている領域があります。それが男性の「脱衣の施術」です。
市場規模は518億円となり、前年比で+23.9%と急増しています。
男性の「脱衣の施術」の年間利用回数が増加

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
年間利用回数も平均3.92回(前年比23.3%増)と大幅に伸びており、女性の同ジャンルが前年比マイナスとなっている中で、男性の需要だけが突出して拡大しているのが現在の市場の大きな特徴です。
需要が高まるアロマトリートメント・リンパドレナージュ
アロマトリートメント・リンパドレナージュが前年から増加

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
メニュー利用率の推移を見ると、これまで主流だった「ボディケア・もみほぐし・クイックマッサージ」(44.2%/前年差-4.3ポイント)や「整体・骨盤矯正・ストレッチ」(42.2%/前年差-6.2ポイント)が低下しています。
その一方で、「アロマトリートメント・リンパドレナージュ」の利用率が30.8%(前年差+2.3ポイント)と着実な増加を見せています。
データから読み解く、男性客のインサイトの変化
これらのデータが示しているのは、男性のお客さまがリラクゼーションサロンに求める「価値の変化」です。
これまで手軽な「着衣でのもみほぐし」を利用していた男性層の一部が、より質の高いリフレッシュや、心身の深いリラクゼーション(癒やし)を求めて、「脱衣のトリートメントメニュー」へとシフトしていることが推測されます。
男性の美容意識向上もかさなり、アロマトリートメントなどの価値が男性にも広く認知されてきた結果と言えるでしょう。

経営のヒント:多様化するニーズを自店のコンセプトに活かす
男性は頻度高×短時間施術の傾向

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(リラクゼーションサロン編)」
男性と女性の脱衣の施術利用を比べると、男性は女性よりも施術中の滞在時間がコンパクトに収まる傾向があります。時短ニーズを満たしつつ客単価を確保できる効率的なメニュー設計(ショートコースの高付加価値化など)が、今後のサロン経営の大きな武器となるでしょう。
とはいえ、男性の脱衣メニューの導入が難しいケースも多いでしょう。
大切なのは、無理にメニュー化することではなく、「お客さまが今、より深いリラックスや質の高い癒やしを求めている」というインサイトを知ることです。
例えば、自店のターゲット層に合わせて、
✅着衣のままでも深いリラクゼーションを得られるヘッドスパを打ち出す
✅香りの演出にこだわる
など、変化するニーズをとらえて自サロンのサービスとして提供することが、これからのサロン運営のヒントとなるでしょう。













