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結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.1152年でママ8名!欠勤フォローなど充実の制度とは?

Rose

千葉県船橋市

千葉、東京、神奈川など首都圏に10店舗のエステティックサロンを展開する「株式会社モア・ブリス」。独自開発の強圧ケアを売りにしたこちらの会社を、代表の上原さんが引き継いだのは9年前。残業が当たり前だった勤務体制を一新し、スタッフが楽しく働ける環境づくりを進めてきたところ、出産による退職者が減少。2年前までは幹部に1名のみだったママスタッフが、現在は8名に(うち産休・育休中4名)。「スタッフは家族同然」と語る上原さんに、女性活躍への想いと取り組みの工夫を伺いました。

1取り組み

ママスタッフは体調を優先し、
希望に合った働き方をサポート。

どんな取り組み?

雇用形態にはフルタイムの正社員とパートタイムがあり、スタッフの希望する働き方が選べる。現在のところ、正社員スタッフが妊娠した場合は、パートへ転向するケースがほとんどだ。ただし妊娠中は体調不良による欠勤が起こりやすいので、有休が残っているうちは正社員を継続する方がスタッフにとって得策でもある。そのため妊娠したスタッフには、時間単位で取得できる有休制度を利用して体を休ませながら勤務し、有休をすべて消化してからパートへ転向することを推奨している。出産後にパートで復帰したママスタッフの勤務日数や時間は、基本的に自由。本人の希望と指名予約に合わせてシフトを組んでいる。

背景とメリットは?

パートタイムはママスタッフが現れる前から取り入れていた制度。飲食業など他の仕事とのダブルワークを想定した制度で、その場合は週2日、1日5時間以上の勤務を原則としている。しかしママスタッフのパート勤務はこれに限らず状況次第。週2日、1日3時間勤務のスタッフもいる。「ママスタッフは体調を優先。長く働き続けてほしいので、無理のない範囲で出勤してもらっています」と上原さん。多様な働き方を受け入れてきた結果、産休・育休を取って出産後に戻ってきてくれるスタッフが増えたという。

育休から復帰後の体調が優れず、退職を考えたという「Rose」店の石原さんも、柔軟な勤務体制に救われたママスタッフのひとり

育休から復帰後の体調が優れず、退職を考えたという「Rose」店の石原さんも、柔軟な勤務体制に救われたママスタッフのひとり

2取り組み

複数店舗の連携で、ママスタッフの急な欠勤をフォロー。

どんな取り組み?

子どもの発熱などでママスタッフに急な欠勤が生じた場合は、近隣店舗からヘルプのスタッフを送っている。「Rose」の場合は同じ船橋市内に2店舗、隣の市川市内にも2店舗の姉妹店があり、いざという時のスタッフの移動もスムーズだ。近隣店舗に対応できるスタッフがいない場合は、緊急用SNSグループを使って店長が全店舗へ連絡し、人員補充の対応を行っている。

その背景は?

「病気やケガなどでスタッフが急に休むこともあるので、他店舗からヘルプのスタッフを呼ぶシステムは、昔から採用していました。店長のSNSグループを使えば、10店舗へ一斉にヘルプの要請ができるので、大体の場合はなんとかなっています」と上原さん。指名予約の場合はお客さまに日程を変更していただくことになるが、スタッフの状況を知っているため、快く応じてくれるお客さまがほとんどだという。

「妊娠の報告を受けたら、まずはみんなで祝福します!それから所属店舗の店長やスタッフと一緒に、今後の働き方を相談するようにしています」と上原さん

「妊娠の報告を受けたら、まずはみんなで祝福します!それから所属店舗の店長やスタッフと一緒に、今後の働き方を相談するようにしています」と上原さん

3取り組み

ママスタッフが欠勤した場合は、
店の目標額を減らして歩合給を調整する。

どんな取り組み?

「株式会社モア・ブリス」では、各店舗に売上目標を設定。目標を超えた額の一定割合を、歩合給として店舗の全スタッフへ支給している。ただしママスタッフが欠勤した場合は、その店舗の目標額を減額。結果として、スタッフたちの歩合給に影響が出ないように対応している。

背景とメリットは?

妊娠中のスタッフやママスタッフが、つわりや子どもの病気などで休みをとると、実働時間が減って店舗の売上は少なくなる。その状況で目標額が据え置きとなれば、スタッフ全員の歩合給が減り、モチベーションが下がりかねない。「みんなが気持ちよくママスタッフをフォローできるように、目標額の減額という対策を講じました。スタッフたちは優しいので、もともと不満の声が上がってくることはありませんでしたが、不公平感を取り除いたことでより結束が高まったと思います」(上原さん)。

上原さんにはお孫さんがふたり。さらに「スタッフは家族だと思っているので、スタッフの子どもも孫のように大切な存在」と語る

上原さんにはお孫さんがふたり。さらに「スタッフは家族だと思っているので、スタッフの子どもも孫のように大切な存在」と語る

代表取締役インタビュー

上原紀行さん。不動産関係の仕事を経て、大手フィットネスクラブ本社に勤務後、2010年に「株式会社モア・ブリス」の代表取締役に就任。「楽しんだもの勝ち」を会社のスローガンに掲げる

Q. ママスタッフの働きやすい環境づくりを始めたきっかけは?

A. スタッフに無理を強いていた労働環境を、正しく変えたいと思ったのです。

以前、私は大手フィットネスクラブの本社に勤めていたのですが、そこでは労働基準法が完全に守られていました。9年前にこの会社を引き継ぐことになり、店舗スタッフの労働環境を見たところ、休暇の取り方や残業時間の基準が全くない状況だったんです。お客さまと接するスタッフが会社の主役だと思うので、そういう方々が輝ける環境に変えなければいけない。それで労働基準法に合わせて、勤務体制を一新することに。週休2日で、残業は月に最大1時間程度まで。残業が発生したら、その分を休みとして消化できる制度もつくりました。産休・育休ももちろん取り入れましたが、なかなか利用してくれるスタッフが現れなかったんです。昨年にようやくひとりのスタッフが「出産後も働きたい」と名乗り出てくれて、それをきっかけにふたり目、3人目と産後復帰してくれるスタッフが続くように。戻ってきてくれたことが嬉しいので、フォロー体制をもっと整えていかなければと思います。

Q. 今後さらに取り組んでいきたいことは?

A. 社員のための託児施設をつくって、ママスタッフだけの会社にできたら面白いですね。

「いただいた時間を大切にし、ともに良い歳を重ねる会社」というのが弊社の経営理念です。今働いてくれているスタッフたちとともに、これからも成長していきたい。結婚したり、ママになったりと環境が変化しても、ずっとここで働き続けてほしいと思っています。なので最終目標は、スタッフみんながママになって、ここがママスタッフだけの会社になること。今は一つひとつの店舗が小さくて託児施設をつくれずにいますが、もう少しママスタッフが増えてきたら、店舗数を減らす代わりに各店舗を大きくして、社内託児施設をつくりたいと考えています。

Salon Data

Rose【ローズ】

アクセス
JR船橋駅から徒歩8分
創業年
2007年
店舗数
10店舗
設備
3席 ※Rose
スタッフ数
4名 ※Rose
URL
https://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000159514/
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