フェイシャル・痩身の最新ニーズ
2025年の変化は?

美容センサス2025年上期の調査データ(こちら)が示すように、エステ市場は全体としては市場が縮小傾向にあります。

しかし、その中にあっても「フェイシャル」そして「痩身」の市場は比較的安定しています。

この背景には、お客さまのニーズが「より深く、より具体的」に変化していることが考えられます。

このコラムでは、それぞれの分野で人気のメニューについて、男女や年代別に深掘りしてみましょう。

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 江頭茉里)

女性フェイシャル:キーワードは「エイジング深化」

出典:美容センサス2025年上期【エステサロン編】(ホットペッパービューティーアカデミー)

まずは、女性のフェイシャルにおける施術内容トップ5の注目すべきポイントを見ていきましょう。

1つ目の変化は、2024年には7位だった「しわ・小じわの改善」が4位に急上昇していることです!

エイジングケアへの関心が高まり、目に見えやすい具体的な悩みの改善を求める傾向が強まっていることを示しています。

最近では、コロナ禍を経て再びマスクをしないで外に出る機会が増えた方も多いでしょう。

これまで隠れていた口元や頬のしわに改めて向き合うようになった、などの背景も考えられます。

また、グラフからわかるように、それ以外の施術内容についても、すべて昨年より利用率が上がっていることも注目すべき点です。

「しわ・小じわの改善」だけでなく、「ハリ・ツヤ」「たるみ」なども含めてエイジングケアへの関心が全体的に高まっていることがうかがえます。

年齢に伴って肌悩みが複雑化する女性の心理をとらえ、丁寧なカウンセリングで1つの悩みから複合的な解決策を提案すると、複数のメニューの利用に結びつきやすいかもしれませんね。

男性フェイシャル:「ニキビ関連ケア」が急上昇!

出典:美容センサス2025年上期【エステサロン編】(ホットペッパービューティーアカデミー)

男性のフェイシャルでは「毛穴ケア」が1位、「ニキビ・ニキビ跡ケア」の利用率が2位に急上昇しています。

この背景には、近年男性の美意識が高まり、日常的にベースメイクをする人が増加したことなどが挙げられます。

加えて、コロナ禍でのマスク常用によって肌荒れを経験した層が増えた影響もありそうです。

毛穴やニキビは見た目の清潔感に直結しやすく、本人も周囲も気づきやすい肌トラブルです。

これらの肌トラブルに対し、プロに頼ることで一歩踏み込んだケアがしたいという、「清潔感」の向上に対するニーズがうかがえます。

一方で3位以下の利用率はマイナス傾向にあり、トップ2との差が広がっていることも気になるポイントです。

これは、男性の意識やニーズが毛穴やニキビといった「目立つ肌トラブルの解決」に集中していることを示しています。

美容への関心が高まる傾向にあるのは特に10代〜30代の若年層です。

彼らにとっては、エイジングケアよりも今ある肌悩みの解決が優先事項だということでしょう。

男性のお客さまに対しては、まずは最初に抱えている課題にしっかりと向き合い、解決に導くことを意識してみるのはいかがでしょうか。